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【第百七十六話】流しそうめんのように

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夕焼けが川面をオレンジに染めているフルサト川のほとりで、小学生のムーちゃんが座って泣いている。
「泣くな、ムー」

夕陽の前に1人の男が立っている。
まぶしくて顔がよく見えない。
男が「行雲流水」とつぶやく。

「流しそうめんのように、水の流れに身を任せていればきっと誰かが救ってくれる。箸でそうめんをすくうように、なんつって」

布団の中で目が覚めるムーちゃん。
「(またそうめんか…)」
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