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【第百七十四話】くたばれ悪者

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ノワ洋菓子店のイートインスペース。
テーブルを挟んで座っているユイちゃんとサクヤくんが、指を銃に見立てて銃撃戦をしている。
おてもやん夫妻は子どもを気にせず、たんぱく質の話をしている。

「くたばれ!悪者!」
ユイちゃんの撃った架空の銃弾がサクヤくんの胸を貫き、サクヤくんはソファ席に倒れこむ。
サクヤくんはすぐに起き上がり、胸を押さえていた手を見て言う。
「なんじゃこりゃ」
笑い出す子ども二人。

そこにチョコちゃんがケーキを持ってやってくる。
四人にそれぞれケーキを渡し終えると、チョコちゃんが「あのね」と子ども二人に話しかける。
「もしその指の銃が本物の銃だとして、自分の撃った銃弾で倒れる人がいたらそうやって笑っていられるかな」

「どんな正義をふりかざしても、人を撃っていい理由にはならないんだよ」
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