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【第百六十八話】タツヤのバイト初日③

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「本当にいいんですか、あれ」
キッチンからおてもやんがあきれて言う。
フロアではオオカミのかぶりものをした男が客席で何度も頭を下げている。

「オーダー間違えたみたいだね」
呑気に店長が答える。
「いやそうじゃなくて」
ムーちゃんも食器の返却棚の隙間からフロアを見やる。
背中を丸めたオオカミ男が見える。

「オオカミ男のいるファミレスなんて聞いたことないですよ」とおてもやんが言うと、
「うちの店にオオカミ男がいるんですか」とコマチちゃんが目を輝かせる。

「あれのことだよ」とおてもやんが指差す。
「あれはオオカミ男ではありません。タツヤさんです」
コマチちゃんは不服そうに答えた。
「オオカミ男とはもっと毛深くてガタイがよくて『うぉほぉー!』と吠えるものです」
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