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【第百六十七話】タツヤのバイト初日②

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控え室から戻ってきたタツヤはオオカミのかぶりものをしていた。
「これでお願いしゃす!」

「何なんですかこいつは」
おてもやんがにじりよる。
「いつものスタイルってわけか。面白い、やってみろ」
店長がトレンチを持って、もう一度見本を見せる。
「こう!」

トレンチを受け取ったオオカミ男は、店長と同じように手の上にトレンチをのせて「こう!」と叫んだ。
手の上のトレンチは微動だにしない。
その上に店長がスプーンやフォークが入ったケースを置くが、吸い付いたようにトレンチの上で留まっている。

「なんでそうなるんだよ」
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