ようこそ、フルサトへ

【第百六十五話】バイトの面接

ランチタイムの忙しさが落ち着いたファミレスのフロア。
数組の客に混じって、店長と一人の若者が向かいあって座っている。

店長は履歴書を見ている。
証明写真ではなく、仲間と撮ったであろう写真の切り抜きが貼ってある。
「まず名前を教えてくれる？」
「自分、タツヤっす」
ため息をつく店長。

「なんでうちのバイトをしようと思ったの？」
「自分、タミヤ店長のファンなんっす！KAEDE 少年団のライブも何度も行ってます！一緒に働かせてください！」
タツヤは頭を下げた後、鞄からオオカミのかぶりものを出してかぶった。

「おお、君か！」
店長はオオカミ男の手を両手で握ると、何度も上下に振った。
「早速今日から頼むよ！」