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【第百五十二話】早朝のサウナ①

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早朝、隣町のスーパー銭湯の駐車場におてもやんの軽自動車が入ってくる。
助手席にはムーちゃん。
開店直後にも関わらず、駐車場にはすでに何台もの車が停まっている。

「清掃業者が大掃除でもしてんのか」
おてもやんが本気か冗談か分からないことを言う。

店内に入り、脱衣所に向かう。
行き交う人たちはほとんどが高齢者。
服を脱いで「よし」と気合いを入れるおてもやん。

サウナのドアを開けると、オレンジ色の中で階段に人がみっしりと座っている。
空いている場所がない。
「(こんな密、久しぶりに見た)」
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