ようこそ、フルサトへ

あしたのムー

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【第百三十二話】ヨコイさんの独白②

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「フルサトは何か落ち着いたんや。ここと似てるからかな、古い風習に囚われてるところとか。でもみんなその風習を嫌がってないのがええよな」

「間出家が嫌だったわけじゃないんや。ただ、今の自分のままばあちゃんに会うのか嫌だったんだ。だから危篤の連絡が入っても、帰る気になれんかった。足が思うように動かんのや。駅に行こうとしてもいつの間にかファミレスに着いとる」

「バイトの時間だから仕方ないんやけどな。でも、ばあちゃん危篤なのにたかがバイトもさぼれんってのも嫌やったわ。さぼるわけじゃないんやけどな。危篤やで。危篤で急にバイト休んでも誰も文句言わんやろ。でもできんかった」

「結局は自分が甘いんや。分かってる。雲のせいにして予備校から逃げたときから、いや本当は大学に落ちるのが怖いから絶対合格せん医学部とか受けて無意識に本気から逃げとったんや。死んだって聞いてからも、もうちょっとましな自分になってからじゃないと会えないって思いながら何もできんかった。ほんまにアホや」
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