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【第四十一話】ロンくんの先生②

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先生はムーちゃんの背中に手を置くと「はっ!」と言って、何かを握るように指を曲げた。
先生は鬼の形相。

震える手で握ったものを引っ張り出し、両手の中で転がすように撫で始めると、先生の表情も和らいだ。
「さあ、でましたよ。あなたの魂が」
ムーちゃんは後ろを向こうとするが、体が動かない。

「見てはだめです。自分の魂など見るものじゃない」
先生は魂を撫でる手を早め、磨いているような動きになる。
そして両手で押し固め、先程よりも一回り小さくしてから、ムーちゃんの背中に戻した。

「これで大丈夫です」
「よかったな、ムーちゃん」
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