ボーイッシュな私は貴女の彼女

夢月

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encounter

third encounter

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「あのっ!良かったらコレ…」

いつものゲームセンターの片隅にあるダーツでひと勝負終え、リクと香織は向かいあって話をしていた。
聞き覚えのある声に思わず振り返るとペットボトルを差し出す愛梨の姿が。

「どうも」

また会えた喜びを隠すようにぶっきらぼうに答え、ペットボトルを受け取るリクに、香織の目は可笑しそうに笑っていた。

「あ、その自販機でさっき買ったものなのでまだ冷たいと思います。あと、これは彼女さんの分も…」

彼女という言葉に思わず受け取ったペットボトルを落とすリクと、対照的にもう我慢できないと噴き出してケラケラと笑う香織を状況が理解できないと2人を交互に見る愛梨。

「あぁ、もう…ありがとう」

ペットボトルを受け取ると、愛梨に絡むように肩に手を回す香織は、それをずるいとでも言わんばかりに睨みつけるリクにふんっと鼻で笑う。

「アナタ…ダーツに興味があるの?それともリク?」

いきなり確信を突くような香織の質問に思わず息を飲んだのはリクだった。

「あのっ…えっと…両方…です…」

「えっ!」

突然の脈アリな発言にリクの鼓動は高なった。

「あっ!でも下心とかじゃなくて!ダーツしてる姿がかっこよかったのと、彼女さんがいるなら変なことには巻き込まれないかなっていう…」

アワアワと慌てて好意を否定する無慈悲な言葉にリクは高まった期待が一気に冷めるのを感じ、香織は至極楽しそうに大口を開けて笑った。

「そうよね!自衛は大切よね!いいわ!私が教え「ダメ!」」

笑わせてもらったお礼にと口を開く香織だったが、リクがその言葉を遮る。

「俺が教える。それでいい?」

「え?ぁ…はい…」

こくりと頷く愛梨に、リクはクールを気取ったまま笑って見せた。
その笑顔に愛梨がときめいていたことに香織だけは気づいた。

「ふーん…」

面白くなりそうとでも言いたそうにルールの説明を始めたリクと、それを真剣に聞く愛梨を眺める香織。
この話もまた、香織の手によってマスターにバラされ、しばらく笑いのネタにされるのだった。
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