16 / 20
終幕
~終幕~1話
しおりを挟む
かくして、シズ討伐部隊は装備を整え王都を立った。全員が”透明化のローブ”を装備の上からかぶって敵の目を欺きながら出発した。出発の直前に魔物たちを転送してくる魔方陣を守るオークの群れ20体程度を倒しユナが魔方陣を破壊する。さらに見習い魔法士の力を借りて穴の開いた壁に魔法で防御壁と魔物除け、視覚妨害の魔法を重ね掛けする。これで一見壁があるように見せれるし、万が一見つかってもそう突破されないようになった。
「よし、行くぞ。必ず討伐する」
残る者にアイゼンはそう言ってローブのフードを被った。討伐隊から目を欺くために陽動作戦として近くの占領された村を奪還するための戦闘が始まった。残り少ない兵力を割いての戦闘なのでとても激しい死闘になっていた。その横を討伐隊はすり抜け”導きのチャーム”によって現れた光の通りに進む。一つ目の街に到着する。簡易的な建物が建っており、最低限街と呼べそうなくらいには魔物たちの生活感が漂っている、だが気になったのは街はもぬけの殻で、一人も魔物がいないことだった。いくら人間の国と国境が近いからと言って避難するほど魔物側の戦況は悪くないと思っているのだが、しかし、2つ目の街からその理由が分かった。2番目の街にも魔物はおらず、代わりに魔法陣が書かれていた。近づくと紫色に光り、地面に書かれたそれからムカデをそのまま巨大化させたかのような気色の悪い魔物が出現する。
「キシャアアアアアアアア‼」
叫び声をあげながら襲い掛かってきた。魔方陣から魔物が離れると、もう1体同じ魔物が出現し魔方陣が消える。戦闘スタイルはアイゼン、アインズが前衛を務め、中衛にほかの隊員、後衛にユナが魔法で支援という隊列ができていた。さほど苦戦することなくユナの得意とする水元素の魔法5発とアイゼンの放った一撃で頭がもげ、体はその場でしばらくのたうち回った後二度と動くことはなかった。休憩地点として選んだ魔物の街は軒並み誰もおらず似た魔方陣からアンデット系の魔物が召喚されそのたびに戦闘がおこった。そしてシズのいる街まであと一つ、そう誰もが思い街中の魔方陣に近づいたとき、そこから現れたのは見知った顔だった。そう、レイが現れたのだ。
「レイ!」
ユナが駆け寄ろうとした時、突如としてレイは抜剣し、ユナに降り下ろす。事前にユナが自分にかけていた回避系の魔法によりギリギリ躱し切る。振り下ろされた剣は尋常じゃない速さで、ヒュンという音が遅れて聞こえてきた。
「レイ……」
よく見ると首についている装置が紫色に光っている。そういえばあれはシズがつけたもの……
固まっているユナの前にアイゼンは割り込む。
「恐らく眷属化系の呪具だ。何を言っても多分無理だ」
「そんな……じゃあ、レイと……」
アイゼンは固唾を呑み込み肯定する。
「あぁ、戦うしかない」
予想外すぎる戦闘相手に討伐隊の全員がたじろぐ中、レイはフラフラと剣を振りかぶり、
「ウオオオオオオ」
と、雄たけびを上げながら突撃してきた。
「よし、行くぞ。必ず討伐する」
残る者にアイゼンはそう言ってローブのフードを被った。討伐隊から目を欺くために陽動作戦として近くの占領された村を奪還するための戦闘が始まった。残り少ない兵力を割いての戦闘なのでとても激しい死闘になっていた。その横を討伐隊はすり抜け”導きのチャーム”によって現れた光の通りに進む。一つ目の街に到着する。簡易的な建物が建っており、最低限街と呼べそうなくらいには魔物たちの生活感が漂っている、だが気になったのは街はもぬけの殻で、一人も魔物がいないことだった。いくら人間の国と国境が近いからと言って避難するほど魔物側の戦況は悪くないと思っているのだが、しかし、2つ目の街からその理由が分かった。2番目の街にも魔物はおらず、代わりに魔法陣が書かれていた。近づくと紫色に光り、地面に書かれたそれからムカデをそのまま巨大化させたかのような気色の悪い魔物が出現する。
「キシャアアアアアアアア‼」
叫び声をあげながら襲い掛かってきた。魔方陣から魔物が離れると、もう1体同じ魔物が出現し魔方陣が消える。戦闘スタイルはアイゼン、アインズが前衛を務め、中衛にほかの隊員、後衛にユナが魔法で支援という隊列ができていた。さほど苦戦することなくユナの得意とする水元素の魔法5発とアイゼンの放った一撃で頭がもげ、体はその場でしばらくのたうち回った後二度と動くことはなかった。休憩地点として選んだ魔物の街は軒並み誰もおらず似た魔方陣からアンデット系の魔物が召喚されそのたびに戦闘がおこった。そしてシズのいる街まであと一つ、そう誰もが思い街中の魔方陣に近づいたとき、そこから現れたのは見知った顔だった。そう、レイが現れたのだ。
「レイ!」
ユナが駆け寄ろうとした時、突如としてレイは抜剣し、ユナに降り下ろす。事前にユナが自分にかけていた回避系の魔法によりギリギリ躱し切る。振り下ろされた剣は尋常じゃない速さで、ヒュンという音が遅れて聞こえてきた。
「レイ……」
よく見ると首についている装置が紫色に光っている。そういえばあれはシズがつけたもの……
固まっているユナの前にアイゼンは割り込む。
「恐らく眷属化系の呪具だ。何を言っても多分無理だ」
「そんな……じゃあ、レイと……」
アイゼンは固唾を呑み込み肯定する。
「あぁ、戦うしかない」
予想外すぎる戦闘相手に討伐隊の全員がたじろぐ中、レイはフラフラと剣を振りかぶり、
「ウオオオオオオ」
と、雄たけびを上げながら突撃してきた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
木製の処刑椅子が美少女に!?悪事を働く聖騎士(笑)ざまぁして何が悪い?〜処刑椅子の妻と俺が復讐を終えて幸せに暮らす方法〜
桜城恋詠
ファンタジー
「あるじさま。エンゲージ」
エンゲージーーそれは魔石同士の結婚。
教会に濡れ衣を着せられたラクルス・カールメイクは処刑椅子と名高い木製椅子に座った男が惨殺される瞬間を見て、「次は俺の番だ」と覚悟を決めた。
わけもわからぬまま美少女に姿を変える木製椅子と婚姻(エンゲージ)してしまったラクルスは、聖騎士に成り代わり木製椅子と共に重罪人達を次々処刑していく。
木製椅子→美少女→魔樹木。三段変形する精霊(ヒロイン)。ウサギ、馬、人間。3つの血が混じり合う混血少女。魔力枯渇を起こした妹を救いたいと願う姉、神に従い善人で有り続けた結果虐められた兄の敵を討つと決意した妹。「教会の悪事を暴きたい」と行動する聖女やお嬢様。意味不明な供述をする偽聖女ーー道行く先々で様々な少女を誑かしながら、旅の途中で出会った同じ目的の仲間達と共に、教会に復讐しつつ自らの名前と生活を取り戻そうと行動する男が幸せになるまでの話。
*微エロ、PG12程度の残酷表現、暴力表現有
*後半サブキャラ登場人物に転生要素ありますが主人公は原住民です。
*第15回ファンタジー大賞エントリー作品
*2023年投稿予定作品の前日譚、あるいはスピンオフ。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
冒険者歴二十年のおっさん、モンスターに逆行魔法を使われ青年となり、まだ見ぬダンジョンの最高層へ、人生二度目の冒険を始める
忍原富臣
ファンタジー
おっさんがもう一度ダンジョンへと参ります!
その名はビオリス・シュヴァルツ。
目立たないように後方で大剣を振るい適当に過ごしている人間族のおっさん。だがしかし、一方ではギルドからの要請を受けて単独での討伐クエストを行うエリートの顔を持つ。
性格はやる気がなく、冒険者生活にも飽きが来ていた。
四十後半のおっさんには大剣が重いのだから仕方がない。
逆行魔法を使われ、十六歳へと変えられる。だが、不幸中の幸い……いや、おっさんからすればとんでもないプレゼントがあった。
経験も記憶もそのままなのである。
モンスターは攻撃をしても手応えのないビオリスの様子に一目散に逃げた。
最強魔力を手に入れ 魔王と呼ばれたぼっちは 人生をやり直すため 未来へ転生しました 〜来世の世界は魔法が衰退していたようです〜
夢咲 天音
ファンタジー
偶然と勘違いの連鎖で、人々に魔王と呼ばれ恐れられていた男がいた。
「魔王サクヤ!! お前を滅ぼし世界の平和を取り戻してやる!!」
勇者クロウはそう言い、曇り一つないミスリルの剣を振り、その剣先をサクヤに向けた。
だからどうしたというのだ。
誰かと関わるのが苦手で、ぼっちな人生を過ごしていた。
しかも魔王と呼ばれて、勇者に命を狙われる日々だ。
サクヤは、それに嫌気が差していた。
どうやら、生涯をかけて開発した、転生魔法を使う時が来たようだな。
この状況こそ、人生をやり直す大きなチャンスになるのだ。
勇者と戦う気の無いサクヤは、考えを行動に移した。
そして、サクヤは勇者との死闘の最中に、どさくさに紛れて転生魔法を発動する。
サクヤは勇者によって、消滅させられたかのように見せかけて、密かに生まれ変わったのだ。
今度こそ、人と関わって幸せな人生を過ごすという願いを込めて。
だが、そんなに上手くいくわけが無かった……。
「魔力が減ってる!! しかも、前世の半分も残っていないではないか……」
転生には成功したのだが、サクヤの魔力を含めた、全ての魔法の力が衰退した世界に生まれてしまったのだ!!
さらに、転生した世界に存在する男によって、サクヤの人生は大きく変化するのだった!
サクヤは本来の力を取り戻して、幸せな人生を掴む事ができるのだろうか!?
※習作ですが、よろしくお願いします。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる