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終幕
~終幕~1話
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かくして、シズ討伐部隊は装備を整え王都を立った。全員が”透明化のローブ”を装備の上からかぶって敵の目を欺きながら出発した。出発の直前に魔物たちを転送してくる魔方陣を守るオークの群れ20体程度を倒しユナが魔方陣を破壊する。さらに見習い魔法士の力を借りて穴の開いた壁に魔法で防御壁と魔物除け、視覚妨害の魔法を重ね掛けする。これで一見壁があるように見せれるし、万が一見つかってもそう突破されないようになった。
「よし、行くぞ。必ず討伐する」
残る者にアイゼンはそう言ってローブのフードを被った。討伐隊から目を欺くために陽動作戦として近くの占領された村を奪還するための戦闘が始まった。残り少ない兵力を割いての戦闘なのでとても激しい死闘になっていた。その横を討伐隊はすり抜け”導きのチャーム”によって現れた光の通りに進む。一つ目の街に到着する。簡易的な建物が建っており、最低限街と呼べそうなくらいには魔物たちの生活感が漂っている、だが気になったのは街はもぬけの殻で、一人も魔物がいないことだった。いくら人間の国と国境が近いからと言って避難するほど魔物側の戦況は悪くないと思っているのだが、しかし、2つ目の街からその理由が分かった。2番目の街にも魔物はおらず、代わりに魔法陣が書かれていた。近づくと紫色に光り、地面に書かれたそれからムカデをそのまま巨大化させたかのような気色の悪い魔物が出現する。
「キシャアアアアアアアア‼」
叫び声をあげながら襲い掛かってきた。魔方陣から魔物が離れると、もう1体同じ魔物が出現し魔方陣が消える。戦闘スタイルはアイゼン、アインズが前衛を務め、中衛にほかの隊員、後衛にユナが魔法で支援という隊列ができていた。さほど苦戦することなくユナの得意とする水元素の魔法5発とアイゼンの放った一撃で頭がもげ、体はその場でしばらくのたうち回った後二度と動くことはなかった。休憩地点として選んだ魔物の街は軒並み誰もおらず似た魔方陣からアンデット系の魔物が召喚されそのたびに戦闘がおこった。そしてシズのいる街まであと一つ、そう誰もが思い街中の魔方陣に近づいたとき、そこから現れたのは見知った顔だった。そう、レイが現れたのだ。
「レイ!」
ユナが駆け寄ろうとした時、突如としてレイは抜剣し、ユナに降り下ろす。事前にユナが自分にかけていた回避系の魔法によりギリギリ躱し切る。振り下ろされた剣は尋常じゃない速さで、ヒュンという音が遅れて聞こえてきた。
「レイ……」
よく見ると首についている装置が紫色に光っている。そういえばあれはシズがつけたもの……
固まっているユナの前にアイゼンは割り込む。
「恐らく眷属化系の呪具だ。何を言っても多分無理だ」
「そんな……じゃあ、レイと……」
アイゼンは固唾を呑み込み肯定する。
「あぁ、戦うしかない」
予想外すぎる戦闘相手に討伐隊の全員がたじろぐ中、レイはフラフラと剣を振りかぶり、
「ウオオオオオオ」
と、雄たけびを上げながら突撃してきた。
「よし、行くぞ。必ず討伐する」
残る者にアイゼンはそう言ってローブのフードを被った。討伐隊から目を欺くために陽動作戦として近くの占領された村を奪還するための戦闘が始まった。残り少ない兵力を割いての戦闘なのでとても激しい死闘になっていた。その横を討伐隊はすり抜け”導きのチャーム”によって現れた光の通りに進む。一つ目の街に到着する。簡易的な建物が建っており、最低限街と呼べそうなくらいには魔物たちの生活感が漂っている、だが気になったのは街はもぬけの殻で、一人も魔物がいないことだった。いくら人間の国と国境が近いからと言って避難するほど魔物側の戦況は悪くないと思っているのだが、しかし、2つ目の街からその理由が分かった。2番目の街にも魔物はおらず、代わりに魔法陣が書かれていた。近づくと紫色に光り、地面に書かれたそれからムカデをそのまま巨大化させたかのような気色の悪い魔物が出現する。
「キシャアアアアアアアア‼」
叫び声をあげながら襲い掛かってきた。魔方陣から魔物が離れると、もう1体同じ魔物が出現し魔方陣が消える。戦闘スタイルはアイゼン、アインズが前衛を務め、中衛にほかの隊員、後衛にユナが魔法で支援という隊列ができていた。さほど苦戦することなくユナの得意とする水元素の魔法5発とアイゼンの放った一撃で頭がもげ、体はその場でしばらくのたうち回った後二度と動くことはなかった。休憩地点として選んだ魔物の街は軒並み誰もおらず似た魔方陣からアンデット系の魔物が召喚されそのたびに戦闘がおこった。そしてシズのいる街まであと一つ、そう誰もが思い街中の魔方陣に近づいたとき、そこから現れたのは見知った顔だった。そう、レイが現れたのだ。
「レイ!」
ユナが駆け寄ろうとした時、突如としてレイは抜剣し、ユナに降り下ろす。事前にユナが自分にかけていた回避系の魔法によりギリギリ躱し切る。振り下ろされた剣は尋常じゃない速さで、ヒュンという音が遅れて聞こえてきた。
「レイ……」
よく見ると首についている装置が紫色に光っている。そういえばあれはシズがつけたもの……
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「恐らく眷属化系の呪具だ。何を言っても多分無理だ」
「そんな……じゃあ、レイと……」
アイゼンは固唾を呑み込み肯定する。
「あぁ、戦うしかない」
予想外すぎる戦闘相手に討伐隊の全員がたじろぐ中、レイはフラフラと剣を振りかぶり、
「ウオオオオオオ」
と、雄たけびを上げながら突撃してきた。
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