コンセントロード

スザクオージ

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ハジマリ

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「で?なんなんだよお前」

考え事をしていた俺を現実に引き戻すかのように、俊光が言った。

「僕は君たちに頼みたいことがあって来たも」

ほらな?やっぱめんどくさい事になる。

「嫌だよ!私たち何が何だかわからない状態なんだよ!そんなんで、頼まれ事なんかされても困るよ!」

京子が叫ぶ。全くもってその通りだ。
カ○リーメイトだかクラスメイトだか知らないが、こいつが登場した以外進展はない。相変わらず、何も分からないままだ。

「混乱する気持ちは分かるも。でも、少し声を小さくするも。」

「なんでだよ」

「あいつらに気づかれるも」

「あいつらって?」

ウーウーウー
パトカーのサイレンのような音が聞こえてきた。

「き、来たも!」

突然、天井のようなところに穴が開き、1つ目のお化けのようなやつがこっちに向かって飛んで来た。

「う、うわぁ!」

「なんなのよ!」

俺もだが、2人もさらに混乱しているらしい。

「説明は後だも!早く倒してくれも!」

「た、倒すったって、俺ら武器なんか...」

「腰に下がってるも!」

「「マジだ!」」

俊光と俺は顔を見合わせた。なんと俺の腰にはカッチョイイ剣、俊光の腰には2丁のリボルバーが下がっているではないか!

「や、やるぞ!電二!」

「よっしゃあ!」

俺は、お化けみたいなやつに斬りかかった。

「キェェェェ!」

叫び声をあげながらお化けみたいなやつは消えた。
倒せる!
そう思っていたが、1つ疑問が思い浮かんだ。
お化けみたいなやつは3体飛んできてた。俊光も1体倒してたから、合計2体。
あれ?後1体どこだ?

「もう来ないでよ~!」

後ろで京子が追いかけられていた。

「君の武器はおそらくその手袋だなも!」

「これでどうしろってのよ!」

「殴るも!」 

「え~!もうどうにでもなれ!」

グシャ、ガラガラガラ~
鈍い音の後に何かが崩れる音がした。

「や、やったー!倒したよー!」

「すごいも!」

とにかくよかった。これで一安心だ。
.
.
.
「って、何も解決してねぇ!!!!」

そうだよ、敵倒しただけでホントに何も進んでない。今度こそこのうさぎに洗いざらいはいてもらおう。

「おいうさぎ!さっきのやつといい、この場所といい、一体何がどうなってるんだ!」

「うさぎじゃないも!メイトだも!」

「そんなの後でいいから、説明しろって!」

「わかったもわかったも」

うさぎがポツポツと話し始めた。

「この世界は"コンセントロード"って言うも。」

「な、なんだって!?じゃあ、ここはゲームの中だって言いたいのか!?」

「説明中だも!質問は後だなも!」

「お、おう」

「さっき、君たちを襲ったのはシーカーズだなも。要するに、敵キャラってとこだなもね。そして、君たちは僕の創造主様に呼ばれた勇者ってやつだなも」

説明がわかりやすい分、理解できない。
敵キャラ?勇者?
そもそも、うさぎが喋ること自体おかしい。

「俺たちは元の世界に戻れるんだよな!」

俊光が焦ったように聞いた。もちろん俺だって知りたい。でも俺は思ったより冷静だった。こういう展開には2種類ある。
1.もう戻れない
2.戻れるけど今は無理
さぁ、どれだ...

「戻れるだなも。今は無理だけど...」

後者だったらしい。でも、戻れるとわかったことは大きい。

「じゃあ、どうすれば戻れるんだ?」

「ある男を倒して欲しいだなも」

「ある男?誰だ?」

「スパークフェイスだなも」

「「「スパークフェイス?」」」
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