【悲報】恋活パーティーサクラの俺、苦手な上司と遭遇しゲイ認定され愛されてしまう

grotta

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元カノ編

なに言ってるのかわからないと思うが……課長に監禁された。(上)

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俺は何もしていないのにやたら精神的に疲れた状態で課長の部屋にやって来た。ピンポン押しても応答がなくて、そういや課長も外でご飯食べるって言ってたのを思い出した。

「くっそ……腹減ったなぁ。俺も何か食いに行ってくるかな」

でも結局店を探すのも面倒でそのままマンション前の広場にあるベンチで課長の帰りを待った。すると少しして課長が帰ってきた。

「あ、暁斗さーん!」

「あれ?奏太早かったね。ごめん待たせちゃった?」

「いやぁ、ちょっと手違いで……友達と会えなかったんです」

「え?じゃあもしかしてご飯食べてないの?」

「はい」

「可哀想に。あるもので良かったらすぐに用意するから」

「やった!」

課長は冷蔵庫にあるものでちゃちゃっと親子丼を作ってくれた。

「あーーもうめちゃくちゃ美味いです!なんでこんなすぐうまいもん作れるんですか?天才なの?」

「なんだよ、手の込んだ料理出したときより反応良いんじゃないか」

課長はそう言いつつも嬉しそうに笑っている。
元カノと変な女のよくわからん策略にハマりかけた俺の心に課長のあったかごはんが沁みた。

飯の後はいつもの通り課長とゴロゴロしつつ映画を見て、今夜は一緒に風呂に入った。俺はおっぱい好きだったけど、あんなよくわからん状況で見せられてもなんとも思えなかった。

それより今はこっちのほうがいいもんね~。
と、湯船の中で課長の胸筋に頭を預ける。張りがあって最高の寝心地なんだよね。俺は頭でスリスリと課長の胸の感触を楽しんでいた。

「奏太、今日はやけに甘えるね?」

「え、そすか?」

俺は背中側にいる課長を見上げた。精悍な顔立ちのイケメンが俺を見下ろしている。
無意識に課長に癒やしを求めてしまっていたようだ。

「何かあった?」

「何かって……?なんもないすよ」

いや、あったけどこれは永遠に秘密にしよーっと。

そしてその晩もいつものように課長とエッチしてぐっすり眠った俺であった。


◇◇◇


異変に気づいたのは朝、目が覚めてからだった。
いつもなら目が覚めてリビングに行くとコーヒーやベーコンの焼ける匂いがする……といのが最近の休日の朝なんだけどな。

「ん……?」

あれ?あれれ?手が動かない。というか、バンザイした状態で頭上に固定されてる……?

俺はまだ夢の中なのかと一瞬思った。

しかし上を見あげると、黒い革っぽい手錠みたいなもので俺はベッドに拘束されていた。

「は?」

キョロキョロと辺りを見渡すが、部屋はいつもの課長の部屋だ。

何……?強盗が入って俺が拘束されてる間に泥棒が物色中とか!?

昨日見た映画がサスペンスものだったのでそんなことを考えてしまい心臓がドキドキした。
いや、んなわけないよな。落ち着け、俺。これはあれだ……なんだ?課長がふざけてるとか?いやでも朝から??

まさか殺人鬼が部屋にいるわけでもあるまいし……と思って俺は大声で課長を読んだ。

「暁斗さーん!おーい!」

すると足音がして、寝室のドアが開いた。
良かった、強盗殺人鬼ではなくて普通に課長だ。

「あ、よかった~。何事かと思っちゃいましたよ!これどうしたんですか?取ってくださいよぉ」

「おはよう奏太。手錠似合ってるよ」

「ええ?似合いたくないっすよ。これ課長がやったんですね。びっくりしましたよ~。今日はなんの日ですか?サプライズ??」

課長は笑ってるけどよく見ると目が笑っていない……?

「奏太。昨日の夜うちに来る前どこで誰と会っていたんだ?」

「へ?だ、だから昨日は友達に会えなかったって言いましたよね」

「奏太。しらばっくれるのはよせ」

え……なんだ?

課長はベッドサイドのテーブルに置いてあったジッパーバッグを手に取って俺に突きつけた。

「これ。昨日奏太が着ていたセーターに付いてた」

「へ……?」

一見空っぽのようだ。

「何も入ってないっすよ?」

「よーく見てみて」

俺は頭を動かして太陽に透かすようにしてじーっと見た。するとキラッと光るブラウンの髪の毛が一筋見えた。

「髪の毛……?え、誰のですか?」

「それを俺が聞いてるんだ」

「あ……っ!」

俺のセーターに付いてたって、あれか!あの地雷女!!
最後腕に巻き付いて来た時に頭を擦り付けるような仕草をしていた。それで髪の毛が付いたのか。
俺は今の状況のヤバさに段々気が付き始めた。

長い髪の毛……昔の仲間に会うと言った嘘……どこからどうやって説明したらこの危機を回避できるんだ?
どうする、俺!?
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