42 / 44
元カノ編
なに言ってるのかわからないと思うが……課長に監禁された。(上)
しおりを挟む
俺は何もしていないのにやたら精神的に疲れた状態で課長の部屋にやって来た。ピンポン押しても応答がなくて、そういや課長も外でご飯食べるって言ってたのを思い出した。
「くっそ……腹減ったなぁ。俺も何か食いに行ってくるかな」
でも結局店を探すのも面倒でそのままマンション前の広場にあるベンチで課長の帰りを待った。すると少しして課長が帰ってきた。
「あ、暁斗さーん!」
「あれ?奏太早かったね。ごめん待たせちゃった?」
「いやぁ、ちょっと手違いで……友達と会えなかったんです」
「え?じゃあもしかしてご飯食べてないの?」
「はい」
「可哀想に。あるもので良かったらすぐに用意するから」
「やった!」
課長は冷蔵庫にあるものでちゃちゃっと親子丼を作ってくれた。
「あーーもうめちゃくちゃ美味いです!なんでこんなすぐうまいもん作れるんですか?天才なの?」
「なんだよ、手の込んだ料理出したときより反応良いんじゃないか」
課長はそう言いつつも嬉しそうに笑っている。
元カノと変な女のよくわからん策略にハマりかけた俺の心に課長のあったかごはんが沁みた。
飯の後はいつもの通り課長とゴロゴロしつつ映画を見て、今夜は一緒に風呂に入った。俺はおっぱい好きだったけど、あんなよくわからん状況で見せられてもなんとも思えなかった。
それより今はこっちのほうがいいもんね~。
と、湯船の中で課長の胸筋に頭を預ける。張りがあって最高の寝心地なんだよね。俺は頭でスリスリと課長の胸の感触を楽しんでいた。
「奏太、今日はやけに甘えるね?」
「え、そすか?」
俺は背中側にいる課長を見上げた。精悍な顔立ちのイケメンが俺を見下ろしている。
無意識に課長に癒やしを求めてしまっていたようだ。
「何かあった?」
「何かって……?なんもないすよ」
いや、あったけどこれは永遠に秘密にしよーっと。
そしてその晩もいつものように課長とエッチしてぐっすり眠った俺であった。
◇◇◇
異変に気づいたのは朝、目が覚めてからだった。
いつもなら目が覚めてリビングに行くとコーヒーやベーコンの焼ける匂いがする……といのが最近の休日の朝なんだけどな。
「ん……?」
あれ?あれれ?手が動かない。というか、バンザイした状態で頭上に固定されてる……?
俺はまだ夢の中なのかと一瞬思った。
しかし上を見あげると、黒い革っぽい手錠みたいなもので俺はベッドに拘束されていた。
「は?」
キョロキョロと辺りを見渡すが、部屋はいつもの課長の部屋だ。
何……?強盗が入って俺が拘束されてる間に泥棒が物色中とか!?
昨日見た映画がサスペンスものだったのでそんなことを考えてしまい心臓がドキドキした。
いや、んなわけないよな。落ち着け、俺。これはあれだ……なんだ?課長がふざけてるとか?いやでも朝から??
まさか殺人鬼が部屋にいるわけでもあるまいし……と思って俺は大声で課長を読んだ。
「暁斗さーん!おーい!」
すると足音がして、寝室のドアが開いた。
良かった、強盗殺人鬼ではなくて普通に課長だ。
「あ、よかった~。何事かと思っちゃいましたよ!これどうしたんですか?取ってくださいよぉ」
「おはよう奏太。手錠似合ってるよ」
「ええ?似合いたくないっすよ。これ課長がやったんですね。びっくりしましたよ~。今日はなんの日ですか?サプライズ??」
課長は笑ってるけどよく見ると目が笑っていない……?
「奏太。昨日の夜うちに来る前どこで誰と会っていたんだ?」
「へ?だ、だから昨日は友達に会えなかったって言いましたよね」
「奏太。しらばっくれるのはよせ」
え……なんだ?
課長はベッドサイドのテーブルに置いてあったジッパーバッグを手に取って俺に突きつけた。
「これ。昨日奏太が着ていたセーターに付いてた」
「へ……?」
一見空っぽのようだ。
「何も入ってないっすよ?」
「よーく見てみて」
俺は頭を動かして太陽に透かすようにしてじーっと見た。するとキラッと光るブラウンの髪の毛が一筋見えた。
「髪の毛……?え、誰のですか?」
「それを俺が聞いてるんだ」
「あ……っ!」
俺のセーターに付いてたって、あれか!あの地雷女!!
最後腕に巻き付いて来た時に頭を擦り付けるような仕草をしていた。それで髪の毛が付いたのか。
俺は今の状況のヤバさに段々気が付き始めた。
長い髪の毛……昔の仲間に会うと言った嘘……どこからどうやって説明したらこの危機を回避できるんだ?
どうする、俺!?
「くっそ……腹減ったなぁ。俺も何か食いに行ってくるかな」
でも結局店を探すのも面倒でそのままマンション前の広場にあるベンチで課長の帰りを待った。すると少しして課長が帰ってきた。
「あ、暁斗さーん!」
「あれ?奏太早かったね。ごめん待たせちゃった?」
「いやぁ、ちょっと手違いで……友達と会えなかったんです」
「え?じゃあもしかしてご飯食べてないの?」
「はい」
「可哀想に。あるもので良かったらすぐに用意するから」
「やった!」
課長は冷蔵庫にあるものでちゃちゃっと親子丼を作ってくれた。
「あーーもうめちゃくちゃ美味いです!なんでこんなすぐうまいもん作れるんですか?天才なの?」
「なんだよ、手の込んだ料理出したときより反応良いんじゃないか」
課長はそう言いつつも嬉しそうに笑っている。
元カノと変な女のよくわからん策略にハマりかけた俺の心に課長のあったかごはんが沁みた。
飯の後はいつもの通り課長とゴロゴロしつつ映画を見て、今夜は一緒に風呂に入った。俺はおっぱい好きだったけど、あんなよくわからん状況で見せられてもなんとも思えなかった。
それより今はこっちのほうがいいもんね~。
と、湯船の中で課長の胸筋に頭を預ける。張りがあって最高の寝心地なんだよね。俺は頭でスリスリと課長の胸の感触を楽しんでいた。
「奏太、今日はやけに甘えるね?」
「え、そすか?」
俺は背中側にいる課長を見上げた。精悍な顔立ちのイケメンが俺を見下ろしている。
無意識に課長に癒やしを求めてしまっていたようだ。
「何かあった?」
「何かって……?なんもないすよ」
いや、あったけどこれは永遠に秘密にしよーっと。
そしてその晩もいつものように課長とエッチしてぐっすり眠った俺であった。
◇◇◇
異変に気づいたのは朝、目が覚めてからだった。
いつもなら目が覚めてリビングに行くとコーヒーやベーコンの焼ける匂いがする……といのが最近の休日の朝なんだけどな。
「ん……?」
あれ?あれれ?手が動かない。というか、バンザイした状態で頭上に固定されてる……?
俺はまだ夢の中なのかと一瞬思った。
しかし上を見あげると、黒い革っぽい手錠みたいなもので俺はベッドに拘束されていた。
「は?」
キョロキョロと辺りを見渡すが、部屋はいつもの課長の部屋だ。
何……?強盗が入って俺が拘束されてる間に泥棒が物色中とか!?
昨日見た映画がサスペンスものだったのでそんなことを考えてしまい心臓がドキドキした。
いや、んなわけないよな。落ち着け、俺。これはあれだ……なんだ?課長がふざけてるとか?いやでも朝から??
まさか殺人鬼が部屋にいるわけでもあるまいし……と思って俺は大声で課長を読んだ。
「暁斗さーん!おーい!」
すると足音がして、寝室のドアが開いた。
良かった、強盗殺人鬼ではなくて普通に課長だ。
「あ、よかった~。何事かと思っちゃいましたよ!これどうしたんですか?取ってくださいよぉ」
「おはよう奏太。手錠似合ってるよ」
「ええ?似合いたくないっすよ。これ課長がやったんですね。びっくりしましたよ~。今日はなんの日ですか?サプライズ??」
課長は笑ってるけどよく見ると目が笑っていない……?
「奏太。昨日の夜うちに来る前どこで誰と会っていたんだ?」
「へ?だ、だから昨日は友達に会えなかったって言いましたよね」
「奏太。しらばっくれるのはよせ」
え……なんだ?
課長はベッドサイドのテーブルに置いてあったジッパーバッグを手に取って俺に突きつけた。
「これ。昨日奏太が着ていたセーターに付いてた」
「へ……?」
一見空っぽのようだ。
「何も入ってないっすよ?」
「よーく見てみて」
俺は頭を動かして太陽に透かすようにしてじーっと見た。するとキラッと光るブラウンの髪の毛が一筋見えた。
「髪の毛……?え、誰のですか?」
「それを俺が聞いてるんだ」
「あ……っ!」
俺のセーターに付いてたって、あれか!あの地雷女!!
最後腕に巻き付いて来た時に頭を擦り付けるような仕草をしていた。それで髪の毛が付いたのか。
俺は今の状況のヤバさに段々気が付き始めた。
長い髪の毛……昔の仲間に会うと言った嘘……どこからどうやって説明したらこの危機を回避できるんだ?
どうする、俺!?
26
お気に入りに追加
2,178
あなたにおすすめの小説


男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる