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元カノ編
元カノが連絡してきたんだが。嫌な予感しかしない。
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ある金曜の夜に元カノの優奈から連絡が来た。もう何ヶ月も前に別れたっきりで連絡先を消していなかった。もちろん今更何言われても許すつもりなんてないぞ。(酷いこと言われて振られた)
なんとなく嫌な予感がしたけど画面をついタップしてしまったので文面が目に入った。
"ちょっと頼みがあるんだけど"
俺がその画面を見たことで既読が付いてしまい、向こうは俺が今スマホを持ってることがわかってこう聞いてきた。
"今電話していい?"
俺は課長の家にまたお邪魔していて、今は課長が風呂に入っているところだった。
はぁ……何の用だよ?
これを避けたらまた後から連絡来そうだしな。隠してるわけじゃないし今もし課長が上がって来て話聞かれても後ろめたいことなんてないんだから電話くらいいいか。
俺はそう判断してOKのスタンプを送った。すると間を置かずにすぐ電話がかかってきた。
『ごめん助かる~!久しぶり奏太」
「で、一体なんの用だよ?」
『何その不機嫌そうな声~。ねえ、奏太って今彼女いるの?』
はぁ?何を言いたいんだよ。そっちから別れようって言って来たくせにやっぱよりを戻そうとか言うんじゃないだろうな。
「彼女はいないけど」
彼氏ならいるけどな。つーか彼女はいないけど彼氏いる場合なんて言えばいいんだろな?
『そう!よかった。じゃあ明日ちょっと出てこれる?』
「はぁ?無理だよいきなり。なんなの?」
『友達が困ってるんだぁ。なんか、ストーカーにあってるらしくて』
ストーカーだって?つい最近自分が同じ目に遭っていたのもあってなんとなく聞き捨てならないな。
「ストーカーに遭ってる友達がいるのか。その子大丈夫なの?」
『だから、大丈夫じゃないから元カレにまで連絡してるんじゃない」
それもそうだな。わざわざ俺にまで連絡するっつーことは他に頼れる男がいないってことか。つまり……優奈にも今は彼氏はいないと。
「仕方ねえな……それで俺に何しろって言うんだよ?」
『やった!助かる~やっぱ奏太っていい人だよね」
そう。こいつに「いい人だけど、奏太バカだしもっとクールな人が好みだから別れる」って言われたんだよな。しかも気になる人がいるとか言ってたけど、今回こうやって頼ってくる辺りそいつとはうまく行かなかったってことらしい。
『とりあえず明日その子の家に一緒に行ってもらいたいんだ。男が出入りしてるのがわかればもしかしたらストーカーも諦めるかもしれないじゃない?ほら、奏太結構強そうに見えるし』
「見えるってなんだよ。それなりに強いぞ」
『あーわかったわかった。じゃあ18時くらいに◯◯駅前でいい?』
「いいよ」
18時かぁ。じゃあ夕食いらないって課長に断わんないとならねえな。
『それじゃ明日ね~!』
優奈に会うのなんてまじで久しぶりだな。課長と付き合う前ならもしかしたらクリスマスをボッチで過ごすのが嫌で優奈がより戻そうって言ってきたら応じてたかも。
まあどうせあいつまた俺のことこきおろして別れることになるのは目に見えてるんだけどな。
俺がスマホでストーカー対策について調べていたら課長が風呂から上がってきた。
「調べ物?」
「え?あ、ああ、いえ。なんでもないっす!」
「奏太、明日の晩飯は何食べたい?」
やべ、断わんなきゃ。つーか元カノに会うなんて言ったらきっと嫉妬してまた課長にお仕置きされかねないな。内緒にしとくか。
「あ、それなんですけど今友達から連絡あって明日ちょっと昔の仲間と会うことになって……」
「友達?そうかじゃあ明日は俺もどこかに食べに行こうかな」
「夜は泊まりに来ますんで!」
「うん。待ってるよ」
課長が洗い物している間に俺は先に風呂に入っていた。なのであとはベッドに行くだけだ。
俺よりがっしりした腕に抱きしめられながら、今年のクリスマスは課長と一緒にいられるんだな~つーかごちそうなに作ってくれるんだろ?なんてぼんやり考えていた。
なんとなく嫌な予感がしたけど画面をついタップしてしまったので文面が目に入った。
"ちょっと頼みがあるんだけど"
俺がその画面を見たことで既読が付いてしまい、向こうは俺が今スマホを持ってることがわかってこう聞いてきた。
"今電話していい?"
俺は課長の家にまたお邪魔していて、今は課長が風呂に入っているところだった。
はぁ……何の用だよ?
これを避けたらまた後から連絡来そうだしな。隠してるわけじゃないし今もし課長が上がって来て話聞かれても後ろめたいことなんてないんだから電話くらいいいか。
俺はそう判断してOKのスタンプを送った。すると間を置かずにすぐ電話がかかってきた。
『ごめん助かる~!久しぶり奏太」
「で、一体なんの用だよ?」
『何その不機嫌そうな声~。ねえ、奏太って今彼女いるの?』
はぁ?何を言いたいんだよ。そっちから別れようって言って来たくせにやっぱよりを戻そうとか言うんじゃないだろうな。
「彼女はいないけど」
彼氏ならいるけどな。つーか彼女はいないけど彼氏いる場合なんて言えばいいんだろな?
『そう!よかった。じゃあ明日ちょっと出てこれる?』
「はぁ?無理だよいきなり。なんなの?」
『友達が困ってるんだぁ。なんか、ストーカーにあってるらしくて』
ストーカーだって?つい最近自分が同じ目に遭っていたのもあってなんとなく聞き捨てならないな。
「ストーカーに遭ってる友達がいるのか。その子大丈夫なの?」
『だから、大丈夫じゃないから元カレにまで連絡してるんじゃない」
それもそうだな。わざわざ俺にまで連絡するっつーことは他に頼れる男がいないってことか。つまり……優奈にも今は彼氏はいないと。
「仕方ねえな……それで俺に何しろって言うんだよ?」
『やった!助かる~やっぱ奏太っていい人だよね」
そう。こいつに「いい人だけど、奏太バカだしもっとクールな人が好みだから別れる」って言われたんだよな。しかも気になる人がいるとか言ってたけど、今回こうやって頼ってくる辺りそいつとはうまく行かなかったってことらしい。
『とりあえず明日その子の家に一緒に行ってもらいたいんだ。男が出入りしてるのがわかればもしかしたらストーカーも諦めるかもしれないじゃない?ほら、奏太結構強そうに見えるし』
「見えるってなんだよ。それなりに強いぞ」
『あーわかったわかった。じゃあ18時くらいに◯◯駅前でいい?』
「いいよ」
18時かぁ。じゃあ夕食いらないって課長に断わんないとならねえな。
『それじゃ明日ね~!』
優奈に会うのなんてまじで久しぶりだな。課長と付き合う前ならもしかしたらクリスマスをボッチで過ごすのが嫌で優奈がより戻そうって言ってきたら応じてたかも。
まあどうせあいつまた俺のことこきおろして別れることになるのは目に見えてるんだけどな。
俺がスマホでストーカー対策について調べていたら課長が風呂から上がってきた。
「調べ物?」
「え?あ、ああ、いえ。なんでもないっす!」
「奏太、明日の晩飯は何食べたい?」
やべ、断わんなきゃ。つーか元カノに会うなんて言ったらきっと嫉妬してまた課長にお仕置きされかねないな。内緒にしとくか。
「あ、それなんですけど今友達から連絡あって明日ちょっと昔の仲間と会うことになって……」
「友達?そうかじゃあ明日は俺もどこかに食べに行こうかな」
「夜は泊まりに来ますんで!」
「うん。待ってるよ」
課長が洗い物している間に俺は先に風呂に入っていた。なのであとはベッドに行くだけだ。
俺よりがっしりした腕に抱きしめられながら、今年のクリスマスは課長と一緒にいられるんだな~つーかごちそうなに作ってくれるんだろ?なんてぼんやり考えていた。
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