【悲報】恋活パーティーサクラの俺、苦手な上司と遭遇しゲイ認定され愛されてしまう

grotta

文字の大きさ
上 下
22 / 44

22.何を知ってるんだ?こいつは

しおりを挟む
飲みに誘われてしまったので定時で仕事を終え、俺は北山と連れ立って外へ出た。

「えー…と。どこで飲む?この近くでいいのか?」

「店予約してるんでそこでいいです?」

「え、そうなの?俺はどこでもいいんだけど……」

「新木さん○○駅住みですよね?俺は○○駅なんで、間の○○町の店にしたんすけど」

「ああ、それなら帰り楽だ」

何でこいつ俺の住んでる駅知ってるんだ?情報収集能力すげーな。
そのまま北山と電車に乗り、予約を入れてくれていた店へ行く。わざわざ予約してる辺りガチな相談なのだろう。ますます気が重い。

連れて来られたのはカジュアルな和風の居酒屋で、小上がりの個室を押さえてあった。
個室かよ。どんだけ重い話されんの?怖いんだけど……パワハラとかなら相談室に直で言ってくれよぉ……

胃が痛くなりそうな俺とは対照的に、思い悩んでいる風でもない北山はメニューを見て店員を呼ぶ。

「ビールでいいですよね」

「ああ、いいよ」

「じゃあビールと、タコわさび、鳥軟骨の唐揚げと……だし巻き卵。あとなんか食べたいのあります?」

「あー……アジフライ」

「じゃあとりあえずそれで」

ビールとお通しが来て乾杯する。
次々に運ばれて来る料理をつつきながらビールを飲み、北山の下らない世間話に耳を傾けて早1時間。

で、本題はなんなんだ……?そんなに言い出しにくいことなのか。
よし、ここは先輩の俺が切り出そうか。俺は酒が入って多少気が大きくなっていた。

「なぁ、北山。俺に相談したい事があるんだろ?」

「え?」

「言いにくい事かもしれんけど、俺でよければ聞くよ。もしかして高野となんかあったのか?」

「は?高野さん?いや、高野さんとは何も無いっすよ。ただの仲良い先輩後輩です」

え?相談って高野のパワハラじゃねーの?

「じゃあ何なんだ?相談って」

「え、相談ならさっきしたじゃないですか」

「へ?」

「いやだから、妹の誕生日プレゼント何にしたらいいかなって」
 
「は?」

いや待て、それが相談?いやいやいや、それは昼休みにでも高野に聞きゃいいだろ!?

「いや、俺妹いねえしわかんねーよ。なんでわざわざこんな個室まで取って俺に相談なんて言ったんだ?」

そのためにここ予約するとかおかしいだろ。

「あー、相談は妹のプレゼントなんすけど、個室取ったのは新木さんに聞きたいことがあって」

え、なに?聞きたい事?

「なんだよ」

「課長と別れたんすか?」

「はあっ!?!?」

別れたって、なに!?え、どゆこと!?!?

「な、な、な、何が!?別れ、え!?」

「付き合ってたんですよね?少し前まで」

「つ、付き合って……ってなに、どこに?え?」

俺は焦りに焦ってとぼけようと必死だった。
どういう事だ?なんで課長と俺のことを付き合ってるなんて思ったんだ!?しかも別れたとかなんでこいつが知ってるんだよ……?

「いやー、先輩わかりやすいっすもん。最近課長と別れて元気無かったんですよね」

「ふぇ!?」

なんで?わかりやすいって何?
こいつは何を知ってるっていうんだ?

しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...