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15.なんで俺が振られた気分になんなきゃなんねーんだよ
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その夜、俺はいつものパーティー会場に来ていた。
姉(兄)のウィンクに出迎えられる。やめてくれ。わかってる、ちゃんとするから。
たしかに会場内はちょっと活気に欠けている。前回来た時見た顔もチラホラ……。うまく行かなかった人がリピートしてるんだな。
そう思って適当に流していたら、この前帰り際に無理矢理俺を引っ張って行こうとしたサラリーマンに出くわした。
ニヤニヤした顔で嬉しそうに話しかけてくる。
「あれ~?!また会ったね!なんだ、この前のイケメンくんと上手くいかなかった?」
「あ……はぁ……」
うわ、めんどくせー。こいつもまた来てたのかよ。ちっ。
「嬉しいなぁ。来てよかったよ。何回来てもなかなか好みの子って出会えないからもうこういうの参加するのやめようかと思ったんだけど」
「そうですか……」
俺もあなたみたいな人に会いたくないんで本当は来たくないんすけどね。
「ねえねえ、今夜こそ一緒に飲もうよ。ね?本当に俺いい店知ってるから」
「はぁ……、あ、俺ちょっと喉乾いたんでドリンク持ってきます」
「あ、ちょっと!ねえ!」
なんとか話をそらしてその男から離れた。その後も彼とは距離を取るように心がけてパーティーを終えた。無駄に神経使って疲れたし、帰りはファミレスでも寄って帰ろう……
ここ最近週末は課長の家で美味いもの食べるのが恒例になってたから、なんか味気ないけどコンビニ弁当よりマシだろ。
そんなことを考えて、また時間をずらしてビルを出た。あの男が先に出ていったのはチェックしていた。
しかし出た所でまたあのサラリーマンに引き止められた。
「あ、君!」
嘘だろ……こいつ隠れてやがったな。
「はいはいはーい。ちょっと~またこいつかみたいな顔しないでよ~。傷つくなぁ」
「そんなんじゃないですけど……」
「ほらほら、お腹空いてるから不機嫌なんじゃなーい?ね、美味いものご馳走するからちょっとだけ付き合ってよ」
「すいません。俺、行くところあるんで」
「またまたぁ。パーティーでいい男引っ掛けるのが目的だったんでしょ?俺はそんなイケメンじゃないけど優しいよ?」
ちっ。しつこいなぁ。でもこいつリピーターみたいだから邪険にすると姉ちゃんに怒られそうだ。
「とにかく、俺急ぐんで」
俺は頭を下げてそのまま立ち去ろうとした。
「ええ?なんだよ冷たいなぁ。あのイケメンに遊ばれて拗ねてるんじゃないの?彼、先々週も来てたからきっと君とは別れたんだろうなと思ってさ。今日来てみたら本当に君がいたからラッキーって思ったのに」
一度背中を向けたけど、聞き捨てならない言葉に俺はまたサラリーマンの方を向いた。
「え……?」
先週来てたって、どういうこと?
「あの、彼が先々週ここに来てたんですか?」
「あ、食いついた。そうだよ~。また可愛い子といちゃいちゃしてたから、君とは別れたんだろうなって」
「うそ……」
「あれあれ?もしかして結構本気になっちゃってたのかな?可哀想に、君みたいな子を振るなんて馬鹿な男だね彼って。俺で良ければ愚痴聞くよ?ほら、飲みにいこ?」
先々週はそういえば珍しく誘われなかった。本当にここに来ていたのか?
俺のことあんなに持ち上げて彼氏面しておいて……新しい男漁りに来てたっていうのかよ。
なんだよ、俺は課長のこと傷つけないようにってゲイのフリまでしてケツまで差し出したってのに……くっそ腹たってきたぁ!
「行きます」
「え?ほんと?」
「飲みたい気分なんで。あと、腹減りました。肉食いたいです」
「おー!いいねいいね、オッケー肉も酒も美味い店知ってるから任せて!いこいこ」
サラリーマンは馴れ馴れしく肩を組んできた。さっきまでの俺なら振り払ってるところだけど、今は苛ついててそんなのどうでもよくなっていた。
くそ、くそ……なんでこんな苛つくんだよ。なんか別に俺は課長のこと好きだったわけじゃないのに振られた気分でムカつく!!
姉(兄)のウィンクに出迎えられる。やめてくれ。わかってる、ちゃんとするから。
たしかに会場内はちょっと活気に欠けている。前回来た時見た顔もチラホラ……。うまく行かなかった人がリピートしてるんだな。
そう思って適当に流していたら、この前帰り際に無理矢理俺を引っ張って行こうとしたサラリーマンに出くわした。
ニヤニヤした顔で嬉しそうに話しかけてくる。
「あれ~?!また会ったね!なんだ、この前のイケメンくんと上手くいかなかった?」
「あ……はぁ……」
うわ、めんどくせー。こいつもまた来てたのかよ。ちっ。
「嬉しいなぁ。来てよかったよ。何回来てもなかなか好みの子って出会えないからもうこういうの参加するのやめようかと思ったんだけど」
「そうですか……」
俺もあなたみたいな人に会いたくないんで本当は来たくないんすけどね。
「ねえねえ、今夜こそ一緒に飲もうよ。ね?本当に俺いい店知ってるから」
「はぁ……、あ、俺ちょっと喉乾いたんでドリンク持ってきます」
「あ、ちょっと!ねえ!」
なんとか話をそらしてその男から離れた。その後も彼とは距離を取るように心がけてパーティーを終えた。無駄に神経使って疲れたし、帰りはファミレスでも寄って帰ろう……
ここ最近週末は課長の家で美味いもの食べるのが恒例になってたから、なんか味気ないけどコンビニ弁当よりマシだろ。
そんなことを考えて、また時間をずらしてビルを出た。あの男が先に出ていったのはチェックしていた。
しかし出た所でまたあのサラリーマンに引き止められた。
「あ、君!」
嘘だろ……こいつ隠れてやがったな。
「はいはいはーい。ちょっと~またこいつかみたいな顔しないでよ~。傷つくなぁ」
「そんなんじゃないですけど……」
「ほらほら、お腹空いてるから不機嫌なんじゃなーい?ね、美味いものご馳走するからちょっとだけ付き合ってよ」
「すいません。俺、行くところあるんで」
「またまたぁ。パーティーでいい男引っ掛けるのが目的だったんでしょ?俺はそんなイケメンじゃないけど優しいよ?」
ちっ。しつこいなぁ。でもこいつリピーターみたいだから邪険にすると姉ちゃんに怒られそうだ。
「とにかく、俺急ぐんで」
俺は頭を下げてそのまま立ち去ろうとした。
「ええ?なんだよ冷たいなぁ。あのイケメンに遊ばれて拗ねてるんじゃないの?彼、先々週も来てたからきっと君とは別れたんだろうなと思ってさ。今日来てみたら本当に君がいたからラッキーって思ったのに」
一度背中を向けたけど、聞き捨てならない言葉に俺はまたサラリーマンの方を向いた。
「え……?」
先週来てたって、どういうこと?
「あの、彼が先々週ここに来てたんですか?」
「あ、食いついた。そうだよ~。また可愛い子といちゃいちゃしてたから、君とは別れたんだろうなって」
「うそ……」
「あれあれ?もしかして結構本気になっちゃってたのかな?可哀想に、君みたいな子を振るなんて馬鹿な男だね彼って。俺で良ければ愚痴聞くよ?ほら、飲みにいこ?」
先々週はそういえば珍しく誘われなかった。本当にここに来ていたのか?
俺のことあんなに持ち上げて彼氏面しておいて……新しい男漁りに来てたっていうのかよ。
なんだよ、俺は課長のこと傷つけないようにってゲイのフリまでしてケツまで差し出したってのに……くっそ腹たってきたぁ!
「行きます」
「え?ほんと?」
「飲みたい気分なんで。あと、腹減りました。肉食いたいです」
「おー!いいねいいね、オッケー肉も酒も美味い店知ってるから任せて!いこいこ」
サラリーマンは馴れ馴れしく肩を組んできた。さっきまでの俺なら振り払ってるところだけど、今は苛ついててそんなのどうでもよくなっていた。
くそ、くそ……なんでこんな苛つくんだよ。なんか別に俺は課長のこと好きだったわけじゃないのに振られた気分でムカつく!!
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