【悲報】恋活パーティーサクラの俺、苦手な上司と遭遇しゲイ認定され愛されてしまう

grotta

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8.買い物て、そういうこと??

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俺は休日にもかかわらず、家に帰ることもできずに鬼上司の買い物に付き合わされていた。
外出用の服は課長が貸してくれた。うん。パンツの丈が長すぎる。明らかに身長差を考えても長すぎる。ムカつくね。

普段の俺なら入ることはないようなお洒落なインテリア用品店で何点か買い物をし、その後は衣料品も見ると言って部屋着らしきものを買っていた。
課長が購入した部屋着は俺が外出用に買う服より高く、おしゃれな部屋に住むというのは部屋着にも金がかかるんだなと感心してしまった。

その後これまた俺が普段入らないような、品の良い客ばかりのカフェで遅めのランチを済ませて帰宅した。
課長は優しく微笑んで言う。

「これだけあれば奏太がいつ来ても大丈夫だね」

「はい……?」

「部屋着も洗面用具も揃ってるからいつでも泊まりにおいで」

「え!?こ、これ俺のなんですか?!」

「そうだけど?」

ぇぇえええいらねぇええええ!!!
もうここに来ることなんてねえからな!?何勘違いしちゃってんの!?

「さて、晩飯は何食べたい?」

「え……いやぁ……俺そろそろお暇しようかと……」

ふざけんな。晩飯まで食っていく気なんてないぞ。

「おいおい、そう遠慮するなって。なんでもいいぞ。肉?魚?」

「え、ですから……」

「どっち?」

「肉…………?」

「よし、決まり。じゃあ俺食材買いに行ってくるから映画でもなんでも見てて」

そしてなぜか俺は家主のいない部屋でアクション映画を観ることになった。
え?これなんて状況……?
いまのうちに勝手に帰ったら、だめだよな。うん。明後日から仕事で顔合わせるしな。

「はぁ~~、んだよ全く……」

俺はデカいソファに寝そべった。課長、会社では鬼なのにまじで恋人には甘々なんだな。ギャップにびびるわ。
俺がめちゃくちゃ高い食い物食べたいってわがまま言っても聞いてくれそう。こわ……

「でも、このまま俺が恋人に収まったら仕事でも優しくしてくれるんじゃね?」

いやいや、そんなことのために男と付き合うなんてありえんだろ。アホか俺は。
しかしここからどう逃げる?なんか知らんけど交際を断ろうとするとうまいことはぐらかされてきっぱり断りきれない状況に追い込まれている。
セックス中に彼氏になるって言っちゃったのは失敗だった。くそ……
つーかそもそもセックスしたのが間違いなんだよ!

俺は頭を抱えた。どう考えてもおかしいだろ。えっちして、買い物行って、晩飯作って貰うの待ってるってこれただの恋人じゃん。
でも今から本当はゲイじゃないなんて言ったら……?寝る前よりヤバイだろ。
今日の買い物だっていくらしたと思ってんだよ。あんなの買わせた後に「嘘でしたー!」とか絶対ヤバい。

「もうやだ……誰か助けて……」

そして俺は映画をつけっぱなしのまま眠ってしまった。
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