【悲報】恋活パーティーサクラの俺、苦手な上司と遭遇しゲイ認定され愛されてしまう

grotta

文字の大きさ
上 下
3 / 44

3.こんなお店初めて〜♡なんて言わないからな?

しおりを挟む
そして俺は落ち着いた大人な雰囲気のバーに連れてこられた。
普通に居酒屋で飯食いたかったのに……腹減ったよぉ……

席についてすぐ腹がグーグーなってしまい、赤っ恥をかいた。こんなバーで俺、めちゃくちゃ場違いじゃん。泣きたい。
しかし課長は気にせずマスターに何か頼んでいる。

まあ、ゲイのカップリングパーティーで上司と会うこと以上に恥ずかしいことなんて無いか。ははは……
何飲むか聞かれて、普通にビールを頼んだ。だってカクテルとか興味ねえしな。
そしたら課長も俺に合わせてビールを頼んで一緒に飲んでくれた。ウォッカとかウィスキーとかじゃないんだ。
え?もしかしてこれって優しさ?

しかも少ししたら裏メニューとかいってカレーが出てきた。
え~!嬉しいんですけど~~!
しかもめちゃくちゃ美味い。なんだこれ!

「これすげー美味いです!」

課長はガツガツ食う俺のことを楽しそうに眺めていた。

「だろ?まかないで出してるやつなんだけど頼めば食べさせて貰えるんだ」

「へぇ、課長ってここの常連なんですか?」

「マスターが高校の同級生なんだよ」

「ああ……」

マスターを見るとこちらに向かって静かに微笑み返してくれた。
その後もマスターは会話に無駄に入ってくるわけでもなく心地よい距離感で接客してくれて俺はこの空間が思いのほか気に入ってしまった。
良い感じに酔っ払った俺はすっかり鬼上司への警戒心を無くしていた。

「いやー、この店すごく良いですね!連れてきてくれてありがとうございます」

「だろ?会社の奴を連れてきたのはお前が初めてだよ」

「え」

いきなりめっちゃ良い顔で微笑むのやめてください……イケメンすぎて目が潰れる。女なら惚れてるわ。

ーーーって、そうだよ!忘れてたぜ。俺今ゲイ設定で課長に連れて来られてたんだった!!
普通に上司と部下の感じで食って飲んでた!

「今夜新木と会えて嬉しかったよ。理解者が同じ会社にいるなんてな」

理解者て。

「あ、あははは。そ、そうですね。俺もなんか安心しました……」

んなわけねーだろ!よりによって鬼の宮藤だぞ。ガンガン仕事振ってきてやっとこなせたと思ったら「まだいけるよな?」って追加で押し付けてくるような人だ。
職場では笑顔ひとつ見せねえし(女子社員相手なら知らんけど)、企画書とかちょっとでも手を抜いたら容赦なくコテンパンに貶してくるし……
こんな上司親近感持たれても困るっつーの。

その後はゲイあるあるみたいな話になって、そこは兄もとい姉のエピソードを拝借して何とか乗り切った。リアルな話だから多分信憑性はバッチリなはず。

俺は何とかこの場を乗り切るためにいつもよりハイペースで酒を飲んでしまっていたようだ。気付いたときにはなんかフラフラで、課長が店を出ようと言ったから立ち上がったらまともに立てなかった。

「あ、あれぇ?……すいません、なんかおれ……飲み過ぎたぁ……」

「おいおい……お前酒弱かったのか?」

「んなことないっすよぉ!まだいけるし、もう1軒なんならいきますぅ?」

あれ……?俺何言ってんだよ、アホか!

「やれやれ、タクシー乗るぞ」

「あ~い」

「おい、住所言えるか?ん?」

あー……なんか、課長の胸あったかい……腕太いなぁ、スーツだとあんまわかんなかったけど鍛えてるなこれ……

「むにゃむにゃ……」

「だめだ、寝やがった。ったく……こっちの気も知らないで」

「ん~~、もう一杯カレーは無理っしゅねぇ」

頭を撫でられた気がする。なんか、疲れたなぁ……おやすみなさーい
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...