【完結】転生花嫁と雪豹α王の人質婚〜北海道民の記憶持ちΩは寒さに強くてもふもふ好き〜

grotta

文字の大きさ
上 下
44 / 69

43.ダンスパーティー

しおりを挟む
6月22日・くもり(朝晩は雨だった)

あいつの家から飛び出したアタシは、かつてスナックにいたときに一緒に働いていたコが暮らしているアパートに転がりこんだ。

新しい住まいがみつかるまでの間、アタシはそこからバイトに通うことにした。

市役所前にあるローソンのバイトは継続するけど、清掃会社はやめるから勝手に休んだ。

あいつもまた、工場を勝手に休んで徹底抗戦を構えた。

アタシは、オミズの世界へ帰ると決意した。

せやけん、あいつと離婚する。

そんな時であった。

アタシがバイトをしている市役所前にあるローソンに戒田さんが突然やって来た。

戒田さんは、アタシにもう一度あいつと話し合えと言うた。

しかし、アタシは話し合いを拒否した。

アタシは、陳列ケースに新しく到着したお弁当をならべていた。

戒田さんはアタシに『清掃会社の人がまりなさんがよくがんばっているからお給料を上げようかと言うてたよ。』とあつかましい声で言うた。

アタシは『うそをつくのもたいがいにしてや!!』と戒田さんに怒鳴りつけたあと、こう言うた。

「戒田さん!!アタシは近いうちに水商売の世界に戻ると決意したけん…清掃会社の社長はムシがよすぎるわよ!!あんたね!!かえんなさいよ!!」
「まりなさん、清掃会社の人たちは人手が足りないからまりなさんに戻ってきてほしいと言うてるのだよ…」
「そんなんウソよ!!あんたよくもアタシをだましたわね!!清掃会社の社長が通勤手当てと住宅手当てなどのお手当が出るよと言うた…せやけど手当ては1銭もでえへんかった!!…アタシのお給料が社長の手によってピンハネされたのよ!!ピンはねした分で、ドーラク息子の平日ゴルフやスナックのねーちゃんをはべらすことに使われた…ああ、それだけじゃないわよ!!ドーラク息子の知人のヤクザ組織の上納金に変わっていたことも聞いたわよ!!どないしてくれるねん!!」
「まりなさん、それは言い過ぎだよぉ…清掃会社の社長さんは『悪かった…』とあやまっているのだよ。」
「それは心の底からの言葉かしら?」
「社長さんは、本当に心の底からあやまっているのだよ。」

アタシは冷めた声で『アホみたい…』と言うたあと、戒田さんにこう言うた。

「あんたはいつからクソッタレどもの肩を持つようになったかしら!?クソッタレどもとあんたはどなな関係があんのよ!?」
「まりなさん…」
「答えてよ!!」
「まりなさん!!せっかく雇って下さった社長さんになんてことを言うのだ!?」
「はぐいたらしいわね!!アタシは水商売の世界に帰ると決意したのよ!!アタシは、あななクソッタレどもの会社なんかやめるけん!!」
「まりなさん、清掃会社の社長さんは人手がたりないからまりなさんにきてほしいと言うてるのだよ!!」
「イヤ!!断る!!」
「なんで断るのだよぅ~社長さんは人手がたりないと言うているのだよ!!」
「ますますはぐいたらしいわね!!あんたがそないに言うのであれば、アタシのようにホーローしたらどうかしら!!」
「私は…妻子にごはんを食べさせて行く立場だからホーローできない…」
「ひ弱な男ねぇ~」
「まりなさん!!」
「それはあんたの学生時代の過ごし方が悪いからでしょ…人のコネつこたけん条件の悪いことに就職したのでしょ…せやけんあんたはなさけない男よ…」
「まりなさん!!」
「よくもアタシの仕事のジャマしたわね!!店長にチクるわよ!!」

戒田さんに怒鳴りつけたアタシは、奥の部屋へ逃げ込んだ。

(まりなは、この一件で清掃会社をやめて再びオミズの世界に帰った。)
しおりを挟む
感想 101

あなたにおすすめの小説

捨てられオメガの幸せは

ホロロン
BL
家族に愛されていると思っていたが実はそうではない事実を知ってもなお家族と仲良くしたいがためにずっと好きだった人と喧嘩別れしてしまった。 幸せになれると思ったのに…番になる前に捨てられて行き場をなくした時に会ったのは、あの大好きな彼だった。

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

トップアイドルα様は平凡βを運命にする

新羽梅衣
BL
ありきたりなベータらしい人生を送ってきた平凡な大学生・春崎陽は深夜のコンビニでアルバイトをしている。 ある夜、コンビニに訪れた男と目が合った瞬間、まるで炭酸が弾けるような胸の高鳴りを感じてしまう。どこかで見たことのある彼はトップアイドル・sui(深山翠)だった。 翠と陽の距離は急接近するが、ふたりはアルファとベータ。翠が運命の番に憧れて相手を探すために芸能界に入ったと知った陽は、どう足掻いても番にはなれない関係に思い悩む。そんなとき、翠のマネージャーに声をかけられた陽はある決心をする。 運命の番を探すトップアイドルα×自分に自信がない平凡βの切ない恋のお話。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編連載中】

晦リリ
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

処理中です...