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16.雪豹王は花嫁に奉仕する

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豪奢な家具が配置された王の寝室内にくちゅくちゅと淫靡な音が響く。天蓋付きの寝台の上で花嫁は白い肌を晒し、切なげな声を上げていた。

「うう……っ、ん……、あっ」
「どうだ? 痛くないか?」
「ん……痛くない……けど、恥ずかしい――」

イデオンはサーシャの脚を広げさせ、窄まりを舐め、舌を入れて慣らしていた。
もちろんこんなことをするのは生まれて初めてだった。

「だがこうして慣らさないと、俺のものは入らないぞ。初夜では皆がしていることだ、恥ずかしがることはない」
「うう……はい……」

(まあ、嘘だがな――。普通はオメガの体液がこれだけ出ていれば潤滑剤を垂らさずとも指で少し解せばすぐ入るものだ)

しかし先程イデオンが裸になり、昂ぶった股間のモノを目にしたサーシャは怯えて真っ青になってしまったのだ。
人間のオメガは獣人よりも華奢で、サーシャは特に細身だから尻も小さい。ここへ肉食獣人の中でも大柄なイデオンのペニスを入れるとなればそう簡単にはいかないだろう。
それでサーシャに負担がかからぬよう、イデオンは普段しないことをしていた。獣人同士でもよほど親しくなければここを舐めるなんてことはしないものだ。
最初は「優しくするため」始めたことだったが、彼の肌も体液も甘い香りがして予想外に興奮を煽られていた。

(蜜のように甘い……。国王の俺がこんなことをして喜んでいるなど絶対に誰にも知られるわけにはいかぬ――)

じゅる……ちゅぷ……じゅぅっ――。音を立てて啜り上げると、サーシャは恥ずかしそうにうつむきながらも気持ちがいいのか、荒い息を吐いた。腰はがくがくと震えている。

「ふぅ……んっ、あ……あぁ……」
「これでかなり柔らかくなった。指を入れてみるぞ」
「あ、はい……」

イデオンはサーシャが身を固くしたので、緊張を解そうとして胸の突起に吸い付いた。

「んっ!」

サーシャが体をびくびくさせ、後ろの窄まりが緩むと彼が気持ち良くなっているのがわかる。サーシャの反応はことごとくイデオンの劣情を刺激した。慣れていない相手との性行為を好むタイプではなかったのに、サーシャに関しては自分が初めての雄だという優越感に浸らずにはいられなかった。
緩んだ後孔にイデオンは節くれ立った指を挿入させた。

「あぅ……んっ」

イデオンの中指はサーシャの指の二倍ほど太さがあった。それでも丹念にほぐしたおかげでサーシャの蕾はイデオンの指をゆっくりと受け入れた。

「いいぞ、ちゃんと息をしろ。そうだ――」
「はぁ、はぁ……」

言う通りに呼吸をするサーシャを見てイデオンは指を少しずつ動かし始めた。ぬるりとサーシャの甘い蜜が絡んだ指を引き出し、そしてまた挿入する。ぷちゅ、と音がして根本まで指を埋め込んだ。

「んっん……!」

サーシャの様子を見ながら、イデオンは指を中で曲げたり捻ったりする。そうすると、彼の腰がびくりと跳ねた。

「あっ! な、なに――?」

どうやらサーシャの感じる部分を見つけたようだ。指先がぷっくりと膨らんだ内壁を突くとまたサーシャが甲高い声を上げて痙攣する。イデオンはそこを集中的に攻めた。

「ひっ――あ、あっ……だめ、それ。なに?」

(よく感じているな――)
イデオンは無言でサーシャにキスした。

「んむっ……」

指の動きに合わせ舌でサーシャの口の中をくちゅくちゅと弄る。上と下両方の刺激でサーシャは涙目になっていた。

「んんっ……ふぅ、んっ」

イデオンの親指ほどしかないサーシャの小さなペニスは健気にも勃ち上がり、後ろを突く度に先端から透明な液体をこぼした。うっとりした顔の花嫁は快感で我を忘れており、指を二本に増やしても気づかないほどだった。

(唾液も甘い。フェロモンの香りも、吸い付くような肌の質感も、小さな唇の感触もどれも極上だ――)

ただ愛撫しているだけでこんなに満たされる思いがしたことなど無かった。耳をくすぐる喘ぎ声はイデオンの男根に痛いほどの刺激を与えてくる。そろそろイデオンの方にも限界が来ていた。

(この中に入りたい――)

サーシャの臀部から指を引き抜いて尋ねる。

「サーシャ、悪いが俺ももう我慢できそうにない。挿れてもいいか?」
「……うん。大丈夫……いいよ」

獣人の本能としては、後ろを向かせて挿入するのが自然だ。しかしサーシャの表情を見ていたくて、イデオンはこのまま正面からすることにした。
剛直を手で掴み、サーシャの双丘の間にあてる。先端で蕾を割っていこうとするが、指とはやはりわけが違ってなかなか入らない。
するとサーシャが言う。

「あ、あの。イデオン様、お願いがあるんだけど――」
「何だ?」
「イデオン様の尻尾、貸してもらえないかな?」

(尻尾……?)
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