実験党

航海中

大航海（オデュッセイア）

　……遥か昔、神々は世界の果てを目指して旅立たれた。
　……神界の存在する時空間は、表の世界。
　……全知全能の神々は、裏の世界を求めて、世界の果て、宇宙の地平線を求めて、旅立たれたのだ。

　……神界の存在する表世界の裏側には、実は、裏の世界の時空間が存在する。
　……そして、表の世界と裏の世界とは、メビウスの帯の様に、連続した表裏一体の世界（複素数時空間）なのだ。
　……神々は、宇宙空間を移動する為に、小さな恒星系を創造された。
　……移動する恒星船、つまり重力場推進のダイソン球（暗くて望遠鏡では見え無い）。移動する重力レンズ効果。

　……永遠にも近い、百億の昼と千億の夜とを繰り返し、果てし無き時の流れの果てに、遂に神々は、表の世界と裏の世界の中間点、つまり特異点界の境界世界（ニライ・カナイ）へと到達した。
　……そして、其処に恒星船を停船させて、表裏二つの世界への門とされた。
　……其の、恒星船こそが、君達の太陽系（テラ）なのだよ。