百鬼淫行

其の八 百壱鬼夜行のニ

其の八 百壱鬼夜行の三十 泥蛇童（でだぼう）

　……昔、田畑で遊んでいた稚児が、突然に、地面に沈んで仕舞う事が有った。
　……まるで、落とし穴に落ちたかの様に、稚児は両腕の脇の下まで一気に、ずぶりと沈んで仕舞ったのだ。
　……地面の土が、稚児の肌に触れると、其の部分の土だけが泥の様に、軟らかく為って仕舞ったのだ。
　……そして、其の稚児が身に着けていた着物も下帯（ふんどし）も全て、直ぐに腐って、稚児は素裸に為って仕舞ったのだ。
　……村の大人達の力でも、其の稚児を地面から引き上げる事は出来無かったと云う。
　……其れは，妖怪泥蛇童の仕業だった。
　……胸まで、地面に沈んだ其の稚児の、土の中の裸身を無数の冷たい、泥の様な手が、ぬるぬる撫で回して、童子の勃起した幼い陰茎（ペニス）を摘んで、扱き続けていたと云う。
　……そして、其の稚児が、可愛（あい）らしく性的絶頂（アクメ）すると、村人達の手で、稚児を地面の中から引き抜く事が出来たのだった。
　……地面の上で、全裸の稚児は泣きながら、土の中で両足を左右に大きく開かされ、肛門（アヌス）の中に冷たい太い蛇が、何度も頭を出し入れし続けたと云う。