百鬼淫行

其の七 褌蟹（またかぶり）

其の七 褌蟹（またかぶり）の十四

　……実は、其の海士村には涅槃師（ねはんし）と呼ばれている一家が住んでいて、村の幼い子供達全員に或る特別な調教（ぎしき）を行っていたのだ。
　……其の調教と云うのが、自分の性器を他人に刺激されると急速（すぐ）に催眠状態に陥（な）り、夢現のままで無抵抗に自分の性器を他人に玩弄され続けろと云う、強い暗示だった。
　……村の幼児達は、男の子も女の子も全員が三歳の誕生日に為ると、母親か祖母に連れられて交代で涅槃師の家を訪れ、母や祖母の手で全裸にされて見守られながら、涅槃師の調教を受け続けていた。
　……涅槃師達は、連れて来られた村の全裸の幼児達を、木の机の様な調教台の上に仰向（あおむ）けに寝かせると、幼子の裸身を指と舌先で丹念に繰り返し愛撫し始めたのだ。

　……其れは、実は只（ただ）の愛撫では無く、強力な暗示を意識下へ刷り込む作業で、最初は不安気だった幼児達も次第に、巧みに自分の裸身の上を動き回る涅槃師の指と舌先の愛撫の単調な繰り返しに、やがて恍惚（こうこつ）とした表情を浮かべて無抵抗に、幼い快楽の喘（あえ）ぎを上げ始めたのだった。
　……涅槃師の舌先が優しく全裸の幼児の乳首を愛撫し、指先が其の臍（おへそ）の周囲に奇妙な紋様を描いていた。
　……次に、涅槃師の指先が優しく裸の幼児の乳首を愛撫し、舌先が其の臍の周囲に奇妙な紋様を描いて行った。
　……次第に、其の幼児は恍惚（こうこつ）とした表情（かお）で、可愛（かわい）らしく喘（あえ）ぎ始めたのだ。

　……やがて、涅槃師は、そんな仰向（あおむ）けで可愛（あい）らしく幼い快楽に喘ぐ村の全裸の幼児に命じて、調教台の上で俯（うつぶ）せに寝返りさせた。