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第二章【魔界編】
関所(性描写有り)
しおりを挟むシン達の乗った馬車は、隣町の関所に近付いていた。
シン達の住むロスニア王国は、世界最大の人種国家。
広大な王国内には様々な都市が点在し、都市間は街道で繋がれ、街に入るには関所を通る必要がある。
馬車が徐々に大きな門へと近付いていくと、門番らしき人物によって通行を止められた。
「止まれ。関所を通るならば馬車の中を見させて貰う」
門番は如何にも面倒臭そうに、事務的な言葉を述べる。
どうやらクドラウスが魔族である事には気付いて居ないようだ。
「お勤めご苦労様です」
老執事に扮したクドラウスが何食わぬ顔で挨拶を交わし、検問を了承する。
門番がクドラウスの馬車に近付くと、窓はカーテンがかかっており中が見えない。
「ドアを開けるぞ」
門番がドアノブに手をかけ、中を開くと―――
「あぁあっ! メレーヌ可愛いよ! イクッイクよ!? イクッ……出る出る出る出る出る出るっっ!! あっああぁーーっ!!」
「ぎもぢいいぃぃん!! おぢんぢんぎもぢいぃぃん!! しゅきっ! シンしゅきいいいぃーーーっ!」
『バチュッバチュッバチュッ!!』
まだ成人にも満たない少年と、それよりも更に幼い少女が裸で抱き合いながら、狂気の如く股間を打ち付け合っていた。
「―――ぁああ……ってうわあああっ!? こ、これはそのっ……!」
シンが門番の姿に気付き、慌てふためく。だがこの状況はもはや言い逃れ出来ない。
まだ年端もいかない男女が馬車の中で性行為を行っているというのは、誰がどう見ても異常な状況だ。
「あぁっ……はぁん……はぁ……ふぁ……?」
メレーヌはまだ激しいセックスの余韻に浸っており、状況を把握出来ていないようだ。
(な、なんで急に人が……! クドラウスは一体何を……!?)
シンはクドラウスに何か遭ったのかと、焦りの表情を浮かべるが―――
「野菜に果物に酒樽だけ……か。よし、通っていいぞ」
何故か門番の男は車内にありもしない物だけを述べると、シン達には気付いていない様子でそのまま扉を閉めた。
「あ、言い忘れておりましたが、車内には認識阻害の魔法が施されております。外の者に中の状況を知られる事はありませんのでご心配なく」
車内にクドラウスの声が響いた。魔法か何かでクドラウスの声が届くようになっているようだ。
「そ、そういう事は事前に言っといてくれよ……」
「んふふ。申し訳ございませんでした。ですがお教えしない方がスリルをお楽しみいただけるかと思いまして」
中の声もクドラウスには聞こえているようで、シンの吐いた悪態に対し茶目っ気の効いた返答が返ってくる。
クドラウスはシン達を楽しませようと気を回したつもりのようだが、いい迷惑だ。
(まぁ見られていなかったから良かったか……)
シンがまずい光景を見られなかった事に一安心していると―――
「キャアーーーーーッ!!」
レイシア達の乗る後ろの馬車から悲鳴が飛んできた。
(どうやら皆も同じ目に遭ってるみたいだな……)
シンは女達が痴態を晒している光景を想像し、同情の念を送った。
シンの予想通り、後ろの馬車では3人の女達がディルドーを装着し、3人のチンポとマンコがぐちゃぐちゃに入り乱れるレズプレイに興じていた。
時にはビルナがレイシアのマンコを突き、レイシアがソフィーヤのマンコを突く。
また時にはレイシアとソフィーヤがビルナのマンコとアナルに二穴同時攻めを行う。
口、チンポ、マンコ、アナルの全てを使って、女達はシンとメレーヌのハメ撮り生配信をオカズに仲良く快楽を貪っている最中だった。
そんな女達の卑猥な行為を目の前に、門番は先程と同じように平然とした様子で中を見回すと―――
「こっちは豚が3頭か……」
「なっ……!?」
「はぁあ!?」
「まぁ……」
どうやらレイシア達の方は豚に見える認識阻害魔法がかけられているようだ。
当の女達はそんな事知る由もなく、門番の言葉にレイシアとソフィーヤは顔を真っ赤にして怒りを露にした。
「こんの……! 誰が豚だっ!」
『ドガッ!』
「ぐあっ!?」
そして怒ったレイシアから拳が炸裂し、門番をその場で打ちのめしてしまった―――
シン達が街に入った後、日は既に暮れ始めていた。
シン達は話し合いの結果、今夜はこの街に滞在する事に決めた。
クドラウスの話だとこのまま旅を続行する事も可能とのことだったが、観光がてらに街を見て回るのも良いだろうとの事で皆の意見が一致する。
そしてシン達は夕食の為に、皆で酒場へと足を運んでいた―――
「さっきはどうなるかと思ったよ。豚が突然暴れたって事にして貰えたから良かったけど……」
「ご、ごめんなさい……」
シンが先程の出来事について小言を言うと、レイシアが申し訳なさそうに俯きながら謝罪を述べた。
「で、でも元はと言えばノーラッ……ク、クドラウスが認識阻害魔法がかけられていた事を言わなかったせいじゃないか!」
レイシアが公衆の面前で思わず『ノーライフキング』と口にしそうになるのを思い止まりながら、クドラウスの奇行を激しく責め立てた。
「それについては申し訳ありませんでした。特殊な性癖を持つ皆様には喜んで頂けるかと、ちょっとした余興のつもりだったのですが……
まさか突然門番を殴るといった暴挙に出るとは、流石の私も予想していなかったもので」
未だ老執事に扮したままのクドラウスが謝罪の言葉を述べつつ、「ククク」と笑いを堪えながらワイングラスに口を付けた。
「いけしゃあしゃあとっ……! やはりあの時殺しておけば良かった……!」
レイシアが他の客もいる中で、クドラウスに向かって剣を抜く。
「レ、レイシアさん……! お、おちついて……」
「レイシアさんっ! 流石にお店の中では他のお客様に迷惑ですよ!」
今にも切りかかりそうなレイシアを、シンとソフィーヤが慌てて止めに入る。
その様子をビルナが微笑ましそうに眺めながら煙を吐き、メレーヌは顔を赤らめたまま馬車での余韻が冷めやらぬ様子でボーッと虚空を見つめていた。そしてリザは―――
「ねーねーダーリーン」
慌てふためくシンの肩を揺すりながら、何やら不満そうに声をかけている。
「ギャーギャー!」
『ドタバタ』
だがレイシアを止めるのに必死なシンは、リザの呼びかけに気付く様子はない。
「ダーリーン、ねーってばー」
「ちょ、リザごめんっ! い、今はレイシアさんが……ああっ!」
リザがシンの肩を更に強く引っ張るが、当のシンはそれどころではないといった様子だ。
「もういい!! ダーリンの嘘つき!!」
すると突然リザが大声で叫び、シンの肩から手を放し、店の外へと勢いよく飛んで行ってしまった。
「―――えっ、リザ? おい! リザー!?」
「あらあら、怒らせちゃったみたいね坊や」
シンの呼びかけにも応じることなく、リザは皆のいる場から姿を消してしまった。
「ちょ、リザッ……ああもうっ! ビルナさんすみませんっ、リザを探してくるので後をお願いします!」
「はいはい。ちゃんと慰めてあげなきゃダメよ?」
シンはレイシア達の事をビルナに託すと、リザの後を追って急いで外に出た―――
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