【R18】弱小剣士が降魔術師になって人生やり直し~淫魔に毎日搾られて最強に~

広東封建

文字の大きさ
上 下
23 / 83
第一章【レイシア編】

過去

しおりを挟む
 
 ~~~~~~~~~~

 シンが剣士だった頃、冒険者ギルドではジェラルド一派がCランクの中堅冒険者パーティとして幅を利かせていた。
 とは言ってもシンが冒険者になった頃はジェラルド達もDランクで、その後もCランクより上に上がることは無かった為、ジェラルド達はよく高ランク冒険者達を妬んでいた。
 その鬱憤を晴らすかのように、ジェラルド達は万年Fランクのシンを馬鹿にしていた。


「おい万年Fランク! そろそろオークは倒せるようになったか!?」

「お前がゴブリンばかり狩るせいで、森からゴブリンが居なくなっちまう! ギャハハハ!」

「おいおい、新米の訓練用までお前が倒しちまったら若い奴らが可哀想だろ?
 つってもこのギルドで未だにゴブリンで稼いでる奴なんざこいつ位なもんか! ヒャハハハ!」

 柄の悪い男達がシンをからかっては笑い転げる。

「おいお前ら辞めねーか。奴ら弱小冒険者にも役割があんだ」

 その途中でジェラルドが彼等の嘲りを静止する。

「道中の雑魚を片付けてくれるっていう、掃除屋としての役割がな!」

「確かにそいつは違えねえ! ギャハハハ!」

 結局ジェラルドも追い討ちをかけただけで、取り巻きと一緒になってシンを嘲け笑う。
 そんなジェラルド一派の様子を気に止める者は誰一人居ない。
 始めのうちは正義感溢れるレイシアが注意してくれた事もあった。
 だがいつまで経ってもシンのランクは上がる事なく毎日繰り返される光景に、最早レイシアも口を挟む事無くチラリと目をやるだけに止まった。

 シンは沸き上がる怒りと惨めさを堪えながら、無言でクエスト募集の貼り紙を見つめる。
 こんなやり取りにももう慣れてしまったが、毎日ジェラルド達にからかわれる状況とそれに甘んじる自分自身に、シンはいい加減嫌気が差していた。

 そしてシンは勢いに任せて、思わずEランククエストの貼り紙を破り取ってしまった。

「おっ……? どうしたFランクゥ!? それはEランクの貼り紙だぜぇ!?」

「しかもオークの討伐クエストじゃねーか! お前にはまだ早いんじゃねーのかぁ!? ヒャハハハ!」

 ついムキになってしまったシンをジェラルド一派が煽り立てる。

(しまった……! 思わずEランクの募集に手を掛けてしまった!)

 シンははぐれオークと出くわした時に何とか自分一人で倒した事はあったものの、群れを相手にしたことはなく焦りの表情を浮かべる。

「まぁそう言ってやるなよ。奴も男を上げる時が来たんだ。盛大に見送ってやろうじゃないか」

「いよっ! 頑張れよ万年Fランク!」

「オークにビビってションベンチビらすんじゃねーぞ!? ハッハッハ!」

 ジェラルドの言葉を受け、男達が下品に場を盛り上げる。
 遂に引き下がれなくなったシンは震える手で貼り紙をカウンターに持っていく。

(だ、大丈夫だ……俺だって長年冒険者として頑張ってきたんだ……!
 オークの群れなんてどうって事はない!)

 不安な気持ちを隠すようにクエストの受付を行うシンを、レイシアは遠くから心配そうに見つめていた。


 そのクエストでシンは命を落とす事となったーー

 ~~~~~~~~~~

(ーーあの時、あいつ等の挑発に乗ったせいで俺は……!)

 当時より若干の若さが残るジェラルド達の姿を見て、シンは血がにじむ程に拳を握り締めていた。

 今となっては降魔術師として生まれ変わった事を、シンは喜んでいる
 だが長年弱小剣士と罵られ、あまつさえ自分が命を落とすきっかけになった相手を許せる程に過去を払拭出来る筈もなかった。

 そんな憎しみの目を向けるシンに気付く事もなく、ジェラルドはレイシアに迫っている。

「レディー、俺の誘いを断っておきながらそこの新入りとパーティを組む約束をしたんだって? 酷いじゃないか!
 そんなにそのルーキーの事が気に入ったのか?」

 ジェラルドは胸に手を当てながら、大袈裟に悲しみを露にした。
 その後ろでは仲間達が「そうだそうだ」と合いの手を入れている。

「才能豊かな冒険者の事をよく知りたいと思うのは普通の事だろう?
 君達には関係のない話だよ」

 まるで君達には才能がないと言わんばかりに、レイシアが冷たく言い放つ。
 その言葉にジェラルド達は、顔を真っ赤にして怒りを露にした。

「な、なんだとこの女!? ちょっとランクが上だからっていい気になりやがって!」

「お前みたいな女、ジェラルドさんが少し本気を出せばすぐ追い越せるんだよ!」

 男達がレイシアに食って掛かる。
 どうやらジェラルド達は、つい先程レイシアがBランクに昇格した事をまだ知らないらしい。

「い、言ってくれるじゃないか。なら是非とも俺達とパーティを組んで、レイシアが冒険者のいろはを教えてくれよ!」

 ジェラルドが乱暴にレイシアの肩を掴む。するとーー

「や、やめて!」

 突然レイシアが悲鳴を上げ、両腕を抱えて震えながらその場にしゃがみこむ。
 いつも冷静かつ若手の中では一番の出世株と称されるレイシアとは思えない反応に、シンを含む全員が驚き固まった。

「ーーふっ、はは! なんだそのザマは!? あの若手最強と謳われるレイシア様が、男に肩を掴まれただけで縮こまりやがった!」

 その意外な光景にジェラルド達は強気になる。
 レイシアはジェラルドの煽りに対し、震えながら弱々しい表情を浮かべている。

「どうしたレイシア!? そんなんじゃ自分の足で狩場にもいけないだろう!?
 親切な俺達がお前を担いで運んでいってやろうか!」

「そりゃあいい! 運び役は俺がやりますよ!」

「何言ってんだ俺がやる!」

 男達が我先にとレイシアの周りを囲い、その体に手を伸ばしたその時ーー


「やめろ」


 シンが小さく静止し、男達の腕を掴んだ。

 その表情は悪鬼の如く怒りに満ちていたーー
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

処理中です...