46 / 115
新たなる脅威篇
1 勃興-1-
しおりを挟む
敏感な者はわずかなミストの流れをすら感じ取ることができるという。
グランにそう教えられたシェイドは静かに目を閉じ、感覚を研ぎ澄ませた。
余計なことは考えてはならない。
ミストや魔法に関する知識の基礎は学んだが、最終的にそれを使う人間に求められるのは経験と感覚だという。
(感じる? ミストを……? 目に見えないのに…………?)
このあたりが彼にはまだよく分からない。
これまであまりに狭い世界で生きてきたから、彼にとっての存在とは目に映るもの、手に触れることのできるものだけだった。
空気は理解できても、そこに漂うミストの性質など分かったつもりになることさえできない。
「どんな些細な変化でもかまいません。何か感じることはありませんか?」
険しい表情の彼を見てグランが言う。
この少年はまだ自分にまつわる多くのことを理解していない。
類まれな魔法の才能、体内に宿る厖大な量のミスト、そして――。
最も知っておかなければならない、世の理だ。
「なんとなく掌が温かくなってきたような気がします」
シェイドは嘘を吐いた。
この数日、重鎮は付きっきりで魔法を教えてくれている。
なかなか基礎レベルから抜け出せない所為でかなりの時間を割かせてしまっている。
(グランさんたちには政務っていうのがあるんだから上達したフリをしないと……!)
かつて母は悪意のある嘘を禁じた。
これは裏を返せばその人を想っての嘘は許される、ということだ。
実際、彼は今日までにそうした嘘を何度も吐いてきた。
そうすることで周囲が上手く回ると思っていたからだ。
「私に気を遣わないでください。習得の早い遅いは人それぞれです」
グランは微苦笑した。
この程度の心理なら簡単に読める。
暴君ペルガモンを討ち、その地位を簒奪したにしてはあまりにも小心で滑稽なほど周囲に気を遣う新帝のことだ。
ミストの流れを感じ取れるグランは彼が偽りを述べていることをすぐに見抜いた。
「あ、ごめんなさい……」
彼はすぐに謝る癖がついていた。
「今日はここまでにしましょう。心配いりません。すぐに使いこなせるようになりましょう」
前方に並んだ無傷の的を見ながらグランが言う。
「すみません、いつも忙しい時にお願いしているのに……」
「皇帝の望みを叶えるのが私たちの務めです。それにあなたが魔法を使いこなせるようになれば、それが私たちの喜びなのです」
彼は恭しく頭を垂れた。
「前にも言いましたけど、その、改まったようなお話しの仕方はやっぱり元に戻せないんですか?」
即位式のあと、重鎮はシェイドに対する振る舞いを皇帝へのそれに改めた。
最高幹部が畏れ慎むさまはかつての暴君を彷彿させるとして、宮殿内でも否定的な声がある。
だが彼らにはそうしなければならない理由があった。
先の叛乱はシェイドの存在があればこそ成し遂げられたことだが、彼を知らない世間の大半はそうは見ていない。
重鎮と軍が手を組んだから成功した、と見る向きが強く、そこにくっ付いてきたシェイドは過小に評価されている。
つまり中枢でさえこの少年を皇帝と認めていない者がまだまだ多いのだ。
こんな世間知らずの子どもに仕えるために役人をやっているのではない、という不満の声もあちこちで囁かれている。
そうした空気を感じ取った2人は率先してシェイドの前に膝を屈した。
この国の新たな皇帝は誰なのか。
それを知らしめるのに最も簡単でかつ効果的な方法だったのだ。
「申し訳ありませんが皇帝のお望みでもこればかりは改めるワケにはいきません。今しばらくご辛抱ください」
窮屈だな、とシェイドは思った。
跪かれてもまったく良い気分がしない。
たいていの人間は優越感や征服感を覚えるものだが、根が臆病な彼はかえって後ろめたさを感じてしまう。
(もう少し堂々と振る舞ってほしいが――)
皇帝としての威厳を示さなければ下はついてこない。
そう思うグランだが口にはできない。
彼を無理やり担ぎ上げ、君主を押し付けたのは誰あろう重鎮だ。
「では私はこれで失礼します」
「あ、はい、ありがとうございました」
政務があるからとグランは従者を率いて離着陸スペースへ消えた。
宮殿裏に作られた急ごしらえの教練場にひとり残ったシェイドは、掌にほのかに残る感触を確かめた。
なぜ魔法の訓練が思うように進まないのか。
その理由は漠然とだが理解している。
他人に見られていると思うように力を発揮できないのだ。
タークジェイの艦を破壊した時もペルガモンを葬り去った時も、昂ぶった感情に我を忘れて人の目を気にしていなかった。
だが意識して魔法を用いようとすると、なぜか上手くいかない。
「ダメだな、僕……ちゃんとやらないと……」
拗ねたように呟き、指先にミストを集めてみる。
周囲の空気を巻き込みながら凝集したミストに火が点き、たちまち拳大ほどの炎ができあがる。
的を指差し、少し力を込めると炎はいびつな螺旋を描いて中空を翔けた。
狙いは逸れて的の外縁を破壊するに留まった。
「………………」
やはりあの時のようにはいかない。
重鎮は変換効率がずいぶん良くなったと進捗を褒めてくれるが、それは所詮は道程に過ぎない。
十数メートル先の的にさえ当てられないのなら何もできないのと同じだ。
(そういえば判子を押さなきゃならないんだったっけ…………)
背伸びをして執務室に向かう。
皇帝としての仕事は無限にあるハズだが、周囲の大人が彼にやらせるのは書類への捺印だけである。
全国に叛乱の傷が深く刻まれており、今はその復興に当たらなければならない重要な時期だ。
必要な物資や労働力が滞りなく現地に届くよう手配するには彼の決裁が欠かせない。
重大な仕事だと分かっているが、もっと国のためになっていることを身近に感じられるようなことがしたいと彼は思っていた。
シェイド政権発足から2週間。
エルディラントは混乱の極みにあった。
各地では今も暴動が相次いでいる。
ペルガモンが倒れ、報復の恐れがなくなったために騒ぎを起こしている者たちがいる。
罹災者を保護する施設の急造、苛烈な税制や法の見直し等、政府が取り組まなければらない事案は山積みだ。
またこの混乱に乗じて近隣諸国による侵攻が相次いだ。
国境の島嶼が武力占拠され、その方面への対応にも追われている。
暴君の死は恐怖政治の終わりを告げるものであった。
だが同時に新たな混迷の萌芽でもあった。
世界はまだこの少年――シェイド・D・ルーヴェライズを必要としていたのだ。
グランにそう教えられたシェイドは静かに目を閉じ、感覚を研ぎ澄ませた。
余計なことは考えてはならない。
ミストや魔法に関する知識の基礎は学んだが、最終的にそれを使う人間に求められるのは経験と感覚だという。
(感じる? ミストを……? 目に見えないのに…………?)
このあたりが彼にはまだよく分からない。
これまであまりに狭い世界で生きてきたから、彼にとっての存在とは目に映るもの、手に触れることのできるものだけだった。
空気は理解できても、そこに漂うミストの性質など分かったつもりになることさえできない。
「どんな些細な変化でもかまいません。何か感じることはありませんか?」
険しい表情の彼を見てグランが言う。
この少年はまだ自分にまつわる多くのことを理解していない。
類まれな魔法の才能、体内に宿る厖大な量のミスト、そして――。
最も知っておかなければならない、世の理だ。
「なんとなく掌が温かくなってきたような気がします」
シェイドは嘘を吐いた。
この数日、重鎮は付きっきりで魔法を教えてくれている。
なかなか基礎レベルから抜け出せない所為でかなりの時間を割かせてしまっている。
(グランさんたちには政務っていうのがあるんだから上達したフリをしないと……!)
かつて母は悪意のある嘘を禁じた。
これは裏を返せばその人を想っての嘘は許される、ということだ。
実際、彼は今日までにそうした嘘を何度も吐いてきた。
そうすることで周囲が上手く回ると思っていたからだ。
「私に気を遣わないでください。習得の早い遅いは人それぞれです」
グランは微苦笑した。
この程度の心理なら簡単に読める。
暴君ペルガモンを討ち、その地位を簒奪したにしてはあまりにも小心で滑稽なほど周囲に気を遣う新帝のことだ。
ミストの流れを感じ取れるグランは彼が偽りを述べていることをすぐに見抜いた。
「あ、ごめんなさい……」
彼はすぐに謝る癖がついていた。
「今日はここまでにしましょう。心配いりません。すぐに使いこなせるようになりましょう」
前方に並んだ無傷の的を見ながらグランが言う。
「すみません、いつも忙しい時にお願いしているのに……」
「皇帝の望みを叶えるのが私たちの務めです。それにあなたが魔法を使いこなせるようになれば、それが私たちの喜びなのです」
彼は恭しく頭を垂れた。
「前にも言いましたけど、その、改まったようなお話しの仕方はやっぱり元に戻せないんですか?」
即位式のあと、重鎮はシェイドに対する振る舞いを皇帝へのそれに改めた。
最高幹部が畏れ慎むさまはかつての暴君を彷彿させるとして、宮殿内でも否定的な声がある。
だが彼らにはそうしなければならない理由があった。
先の叛乱はシェイドの存在があればこそ成し遂げられたことだが、彼を知らない世間の大半はそうは見ていない。
重鎮と軍が手を組んだから成功した、と見る向きが強く、そこにくっ付いてきたシェイドは過小に評価されている。
つまり中枢でさえこの少年を皇帝と認めていない者がまだまだ多いのだ。
こんな世間知らずの子どもに仕えるために役人をやっているのではない、という不満の声もあちこちで囁かれている。
そうした空気を感じ取った2人は率先してシェイドの前に膝を屈した。
この国の新たな皇帝は誰なのか。
それを知らしめるのに最も簡単でかつ効果的な方法だったのだ。
「申し訳ありませんが皇帝のお望みでもこればかりは改めるワケにはいきません。今しばらくご辛抱ください」
窮屈だな、とシェイドは思った。
跪かれてもまったく良い気分がしない。
たいていの人間は優越感や征服感を覚えるものだが、根が臆病な彼はかえって後ろめたさを感じてしまう。
(もう少し堂々と振る舞ってほしいが――)
皇帝としての威厳を示さなければ下はついてこない。
そう思うグランだが口にはできない。
彼を無理やり担ぎ上げ、君主を押し付けたのは誰あろう重鎮だ。
「では私はこれで失礼します」
「あ、はい、ありがとうございました」
政務があるからとグランは従者を率いて離着陸スペースへ消えた。
宮殿裏に作られた急ごしらえの教練場にひとり残ったシェイドは、掌にほのかに残る感触を確かめた。
なぜ魔法の訓練が思うように進まないのか。
その理由は漠然とだが理解している。
他人に見られていると思うように力を発揮できないのだ。
タークジェイの艦を破壊した時もペルガモンを葬り去った時も、昂ぶった感情に我を忘れて人の目を気にしていなかった。
だが意識して魔法を用いようとすると、なぜか上手くいかない。
「ダメだな、僕……ちゃんとやらないと……」
拗ねたように呟き、指先にミストを集めてみる。
周囲の空気を巻き込みながら凝集したミストに火が点き、たちまち拳大ほどの炎ができあがる。
的を指差し、少し力を込めると炎はいびつな螺旋を描いて中空を翔けた。
狙いは逸れて的の外縁を破壊するに留まった。
「………………」
やはりあの時のようにはいかない。
重鎮は変換効率がずいぶん良くなったと進捗を褒めてくれるが、それは所詮は道程に過ぎない。
十数メートル先の的にさえ当てられないのなら何もできないのと同じだ。
(そういえば判子を押さなきゃならないんだったっけ…………)
背伸びをして執務室に向かう。
皇帝としての仕事は無限にあるハズだが、周囲の大人が彼にやらせるのは書類への捺印だけである。
全国に叛乱の傷が深く刻まれており、今はその復興に当たらなければならない重要な時期だ。
必要な物資や労働力が滞りなく現地に届くよう手配するには彼の決裁が欠かせない。
重大な仕事だと分かっているが、もっと国のためになっていることを身近に感じられるようなことがしたいと彼は思っていた。
シェイド政権発足から2週間。
エルディラントは混乱の極みにあった。
各地では今も暴動が相次いでいる。
ペルガモンが倒れ、報復の恐れがなくなったために騒ぎを起こしている者たちがいる。
罹災者を保護する施設の急造、苛烈な税制や法の見直し等、政府が取り組まなければらない事案は山積みだ。
またこの混乱に乗じて近隣諸国による侵攻が相次いだ。
国境の島嶼が武力占拠され、その方面への対応にも追われている。
暴君の死は恐怖政治の終わりを告げるものであった。
だが同時に新たな混迷の萌芽でもあった。
世界はまだこの少年――シェイド・D・ルーヴェライズを必要としていたのだ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
誰にも愛されずに死んだ侯爵令嬢は一度だけ時間を遡る
月
ファンタジー
癒しの能力を持つコンフォート侯爵家の娘であるシアは、何年経っても能力の発現がなかった。
能力が発現しないせいで辛い思いをして過ごしていたが、ある日突然、フレイアという女性とその娘であるソフィアが侯爵家へとやって来た。
しかも、ソフィアは侯爵家の直系にしか使えないはずの能力を突然発現させた。
——それも、多くの使用人が見ている中で。
シアは侯爵家での肩身がますます狭くなっていった。
そして十八歳のある日、身に覚えのない罪で監獄に幽閉されてしまう。
父も、兄も、誰も会いに来てくれない。
生きる希望をなくしてしまったシアはフレイアから渡された毒を飲んで死んでしまう。
意識がなくなる前、会いたいと願った父と兄の姿が。
そして死んだはずなのに、十年前に時間が遡っていた。
一度目の人生も、二度目の人生も懸命に生きたシア。
自分の力を取り戻すため、家族に愛してもらうため、同じ過ちを繰り返さないようにまた"シアとして"生きていくと決意する。

月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

料理をしていたらいつの間にか歩くマジックアイテムになっていた
藤岡 フジオ
ファンタジー
遥か未来の地球。地球型惑星の植民地化が進む中、地球外知的生命体が見つかるには至らなかった。
しかしある日突然、一人の科学者が知的生命体の住む惑星を見つけて地球に衝撃が走る。
惑星は発見した科学者の名をとって惑星ヒジリと名付けられた。知的生命体の文明レベルは低く、剣や魔法のファンタジー世界。
未知の食材を見つけたい料理人の卵、道 帯雄(ミチ オビオ)は運良く(運悪く?)惑星ヒジリへと飛ばされ、相棒のポンコツ女騎士と共に戦いと料理の旅が始まる。
超克の艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
「合衆国海軍ハ 六〇〇〇〇トン級戦艦ノ建造ヲ計画セリ」
米国駐在武官からもたらされた一報は帝国海軍に激震をもたらす。
新型戦艦の質的アドバンテージを失ったと判断した帝国海軍上層部はその設計を大幅に変更することを決意。
六四〇〇〇トンで建造されるはずだった「大和」は、しかしさらなる巨艦として誕生する。
だがしかし、米海軍の六〇〇〇〇トン級戦艦は誤報だったことが後に判明。
情報におけるミスが組織に致命的な結果をもたらすことを悟った帝国海軍はこれまでの態度を一変、貪欲に情報を収集・分析するようになる。
そして、その情報重視への転換は、帝国海軍の戦備ならびに戦術に大いなる変化をもたらす。
◆闇騎士◆(ナイトメシア)~兎王子と人形姫の不思議な鏡迷宮~
卯月美羽(うさぎ・みゅう)
ファンタジー
戦災孤児の病弱少女ミュウは、元はうさぎのぬいぐるみナイト&メアリと、夢のような国ネオ・ネヴァーランドで楽しく暮らしていた。
だが死神ファントムの出現により、終わりを視るまで止めることのできない死のゲーム、ナイトメア・メイズに強制的に参加させられることになってしまう。
四方に張り巡らされている、けして出てはいけないと云われていた巨大な壁の向こう側に、3人は放り出されてしまう……。
その先で3人が見た世界とは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる