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2.計画実行と兄妹登場
2-072
しおりを挟む「マリューズ殿、一つよろしいでしょうか。」
不意に、ナギがジークさんに話し掛ける。
今まで、ナギがジークさんに話し掛けるところを一度も見たり、聞いたりしたことがないから、ナギがジークさんのことを「マリューズ殿」って呼んだことに、かなり驚いている。
「どうされましたか?ジョニアス卿。」
きょう?
きょうって、あの卿?
卿って、確か官職に就いている人に対する敬称じゃなかったけ?
【マスターの前世の世界に記憶されているものとしては、その認識で合っています。ですがおそらく、ベイルマートでは、長い年月の中で正しい意味を継承し続けることが出来ず、中途半端な知識を代々継承し続けたことにより、大元の意味合いが変異した、と推測されます。ベイルマートでは、貴族家の当主が、他の貴族家の当主、特に自身より高位の爵位を持つ者や高位の役職に就いている者を呼ぶときの敬称として使われているようです。】
なるほどぉ。
まぁ、そういうこともあるよね。
でも、あれっ?
ナギたちよりは、ジークさんの役職の方が高いんじゃないのかな?
“王家の家宰” っていう役職の立ち位置って、どの辺りになるんだろう?
下の方ではないよね?
たぶん高い方のはず。
「マリューズ殿、自分はまだ、爵位を継承していない身ですので、『卿』と称す必要性はないかと。そして、自分の方がマリューズ殿よりも階級が低いので、ナギ、とお呼びください。」
あっ、そうか。
ナギは、次期男爵でジークさんは准男爵。
将来的には、ナギの方が爵位が高くなるのか。
でも、ナギはまだ、爵位を継承していないんだから、ジークさんの方が今は高いはずだよね?
それとも、エルフにとっては、数年の差なんて関係ない、みたいな感じなのかな?
「承知しました。ですが、ナギ様はハイ・エルフで、私は、エルフ。どうか、この違いだけは、覚えておいてください。」
「え、あ、あぁ。分かりました。」
あぁ、そっかぁ。
リーナさんがハイ・エルフなら、その姪にあたるナギもハイ・エルフになるのかぁ。
それで、エルフにとってのハイ・エルフは・・・・・・・・・
【種族全体の王族的な立ち位置になります。】
だよねぇ。
そういうことかぁ。
「それで、マリューズ殿に」
「ジークとお呼びください。」
「・・・・・・・・・分かりました。自分とウルクで話し合いましたことで、一つジーク殿に提案があるのですが、聞いていただいてもよろしいでしょうか?」
えっ、待って。
僕、そんなの聞いてないけど。
なになに?なんのこと?
「えぇ、構いません。」
「ありがとうございます。自分たちの提案は、フィルシールド殿下に対し、正式に魔法師の家庭教師を付ける、といったものです。」
えっ!?
「成程。確かについ先日、アンリエッタ様が、フィルシールド殿下が魔法を発動されたという話をしていらっしゃいましたが・・・・・・・・・。分かりました。一度持ち帰り、話をしておきましょう。殿下が意図せず魔法を行使され、怪我をされては困りますから。」
【そんなことは、起こしません!】
ウィーシュ、落ち着いて。
ジークさんやナギたちは、ウィーシュのことを知らないんだから、仕方がないでしょ。
それよりも、いろんな魔法を早く知る機会ができそうなんだから、ねっ。
【納得はできかねますが、仕方がありません。いい人材が来ることを期待しましょう。】
そうだねぇ。
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