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第1章
75.オドに隠された秘密
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◆
「ゼント、そっちのとうもろこしの感じはどうなんだ?」
「うむ。まだ芽が伸びてきた段階なので、どのような作物なのかもわからんな。ラングル様から聞いたお話ではどうも稲の仲間らしいが。だが、売ったり食べるというより、半分くらいは鶏の餌にするためらしいぞ」
そろそろ日が暮れ始めようとする頃、エルシオンを真っ二つに引き裂くように南北へ走っている中央大通りには、一緒に農作業から帰ってくる妖狐族のゼントと牙虎族のガウスが姿があった。
そんなふたりの両手や足元は泥だらけになっており、そんな姿からしても農作業がいかに大変なのかうかがわれたが、その顔に浮かんでいたのは今の仕事にやりがいを感じているとでも言いたげな晴れ晴れとした表情だった。
「あの透き通った馬鹿デカい天幕の中で、わざわざ鳥の餌にするために作物を育てているっていうのか?」
「ああ、そうだ。というか、どうやらハウスと言う名前らしいな。中に入ってみればわかるが、ハウスの中は今の季節にしては信じられないくらい暖かい状態でな。それに種を小さな器に植えて、光の出る魔導具に当てていたりと正直奇妙なことだらけだ。育て始める時期が遅かったせいで、それらの魔導具が必要ということらしいが」
「ふーん、よくわからねえがきっとそういうもんなんだろ。こっちのライ麦のほうはちょうど種まきの時期だったんでな。これからの成長が楽しみなんだ。それとな、驚くことに小麦も育てているんだぜ」
「そうなのか? 小麦はもっと南の地方でないと育たないようなことを以前聞いたんだが?」
「ラングル様のお話では、この辺の気候でも育つ種類なんだとさ。でも、本当に育ったらすごいじゃねえか。小麦はマガルムークじゃあ高かったからな」
「ああ。そのせいでカチカチのライ麦パンしか食べられなかったほどだからな。我々にも少しだけ小麦を分けていただければ有り難いのだが。いや、さすがにそれは贅沢を言い過ぎか」
ライ麦自体にはパンを柔らかくふっくらと仕上げるグルテンを形成するためのグルテニンという成分が含まれておらず、そのために小麦粉を混ぜることが多い。
ただし、小麦はおもにエルセリア南部やラーカンシア諸島連邦で生産されており、マガルムーク国内に入ってくるころにはだいぶ値が上がっていた。貧しい亜人たちが固いライ麦パンしか食べられなかったのも当然の話だろう。
「どうだろうな。それにしてもよお、見事な畑じゃねえか。水はけのための水路だってそこら中にあるしよ。この分ならイオス様のお言葉どおり、たくさんの収穫が見込めそうだな」
「ガウス。お前、まさかイオス様のお言葉を疑っていたのか?」
「そ、そんなことはねえよ。ただ、何ていうかあれだ……。ちょっとだけ不安だったというかな。おっと、マズイ。向こうのほうにジーナ様の姿が見えたんだが。どうする、逃げるか?」
「あ? お前、また何かやらかしたのか?」
「いや。俺というか牙虎族の子供たちのことで怒られそうなんだよ。ほら、ここではトイレという場所で用を足さなければ駄目だと教えられているだろ」
「ああ。何でも臭いと衛生的な問題で、その辺で用を足しては駄目だとか」
「そのことはたとえ子供であろうが、きちんと躾けなさいとジーナ様からキツく言われているんだが、どうしてもその辺の草っ原で致してしまう子供が居てな」
「子供のすることだから、仕方ないといえば仕方ないが。そうはいってもそこを躾けるのがお前の役目だ。ジーナ様には頭を下げるしかあるまい」
「わかってるさ。ただ、ジーナ様はお怒りになられると恐ろしいからなあ。こんなときにイオス様かラングル様でもおられれば、お説教の途中で多少は取りなしてもらえるんだが」
「さすがにそれは甘え過ぎだぞ。いくらイオス様やラングル様が気さくでお優しい方でも、我々は身の程をわきまえなければならん」
「すまん、そうだったな。で、そのイオス様とラングル様はまだご領主様をお迎えに行ったまま戻られていないのか?」
朝方、イオスとラングルは揃ってエルシオンから外へと出掛けていた。
どうやらご領主様がお忍びで視察にやって来るらしく、そのせいで亜人たちの間にも少なくない緊張感が走っているほどだ。
ラングルもイオスも、若様はお優しい方だと口を揃えて言うものの、亜人たちの人間の貴族に対する認識は癇癪を起こしても亜人のことを鞭打ちにしなかったら優しいというだけ。
亜人に対して寛容だと言われているマガルムークですらそういう認識なのだから、それ以外の国で貴族からまともな扱いを受けるなど誰も思っていなかった。
「一応ご領主様のほうは夜更け前までにはご到着の予定だと伺っているが。明日のお昼ごろ、各種族の主だった者だけがお目通り願えるらしいな」
「そうか。温厚なお方だといいが……。もちろん亜人の我々なんかにこんなにも素晴らしい楽園を分け与えてくださるお方だ。それだけでも充分に優しいお人柄だということは理解しているつもりだが」
「まあな。とはいえ、誰かがご不興を買って、ご領主様の勘気を被らないともかぎらないぞ」
「そりゃあそのとおりだが、どっちみち俺たちには無事平穏に済むのを願うことしか出来ねえだろ。よっしゃ。そろそろジーナ様に怒られに行くとするか」
一瞬、ガウスの顔に不安そうな表情が宿る。
が、その想いを振り払うかのようにガウスが声を張ったあと、ジーナの元へと向かい、ゆっくりと歩いていく後ろ姿があった。
◇
東へと向かっていた魔導船ヴィクトーリア号の船上から一転し、ひと気のない海岸から陸地へと再上陸した俺とラウフローラ。
その場でアケイオスやランガルと合流し、一度格納庫に立ち寄って姿を変えた俺たちは、その後隠れ里エルシオンへと無事到着していた。
ただ、エルシオンに到着したのは夜更け前のことで、亜人たちのほとんどは寝静まったあとらしく、俺たちのことを出迎えていたのは真っ暗な闇夜と静寂だけだった。
「それでジーナ。亜人たちの様子はどうだった?」
「そうね。従順そのものといった感じよ。もしかしたらラングルとジーナによる飴と鞭が上手いこと功を奏しているのかも知れないわね。こちらがある程度厳しい態度を取っても、一切不満を漏らすこともなく、ここでの生活に満足しきっている様子ね」
「そうか。まあ元々が賤民の集まりだからな。そのときの生活に比べれば天国みたいなもんなんだろうが。それと魔導具のほうは?」
「そっちもおおむねこちらの予測どおりだったと言えるかしら。様々な機械や施設、魔法の門《ゲート》に関しても、魔導具という形で素直に受け入れているみたい」
「少しも不審に思う様子がなかったと?」
「ええ。あれがこの世界における一般的な反応と言えるかどうかはわからないけれど、バイタルや表情の変化から判断すれば、こちらの作り話を疑っている様子は一切なかったわね」
「なるほど。そうなるとあとは貴族だったり魔導具に詳しい人間の場合、どう受け取るかだな。それがわかるまで完全に安心できるとは言えないか」
「そうは言っても、まったく使わないという選択肢がない以上、多少疑われたとしてもこちらの魔導具とは仕組みが違うだけだと言い張るしかないんじゃないの?」
エルシオンにある屋敷の中で自動機械であるジーナとも対面を果たした俺は、品質がよさそうなソファにゆったりと腰掛けながらウーラたちと話し合っていた。
といっても、ジーナやラングルはウーラが遠隔操作しているだけなので、どちらと話しているとも言えなかったし、アケイオスとラウフローラも今はウーラに俺の話相手を任せているらしく、大人しくそばで控えているだけだったが。
「まあな。というか、そっちのほうはもういい。再確認のためだからな。問題はもうひとつのほうだろ」
「オドのことね。ジータとランガの姿で色々と嗅ぎ回ったときの結果と、サリウティーヌに直接問いただした感じを合わせると、本当にオドというものを感じているみたいだったわ。生命力みたいなものを本当に奪ってしまうのかはさておき、当面の問題は個人が特定できるかどうかよね」
「ああ。もし個人まで特定できるということであれば、俺の正体がバレバレになってしまう可能性があるからな。マナやギフト以外にも気を付けなければならない点があるのなら早目に対処しておきたい」
「本気で今夜誰かを夜伽に呼んでみる? 向こうもそこまでの抵抗は感じていなかったようだし。顔合わせをする予定なので、メイドの半妖精族にはこの屋敷内で待機するように申し付けてあるけれど?」
「会うことには会うが、夜伽のほうは機会があればだな。今回はそこまでゆっくりしている暇がない。戦闘が始まる前にルメロに追いついておきたいんでな」
「そう、わかったわ。私としては生命力を奪うという話にも興味があったので、是非とも一度試してもらって、どのような変化があるのか観察したかったのだけど」
「おいおい。人工頭脳であるウーラが俺の身体の安全に配慮しないのは、いったいどういうわけなんだよ」
「大丈夫よ。本人やほかの亜人たちから話を聞いたかぎりでは単なる言いがかりとしか思えなかったし、もし少しでもバイタルに異常が見られた場合には、すぐにでも止めに入るつもりだったから」
「まあ、そういう俺も色んな意味で興味があるのは事実だがな。だが、今回は遠慮させてもらう。その半妖精族とやらを部屋に呼んで、反応だけ調べてくれ」
「わかったわ。ちょっとだけ待っていて。それと、あまり人が多くないほうが半妖精族も話しやすいと思うので、イオスとランガルは隣の部屋に待機させておくわね」
半妖精族を夜伽に呼ぶとなれば、思いっきり権力を濫用していることになるが、この世界ではありふれた出来事でしかなく、そのことで良心が咎めるほど俺は善人でもない。
さすがに嫌がっている相手を無理やりにという趣味はないが、そうでないのならこれぐらいは役得ってもんだろう。
そうはいってもウーラにも話したとおり、今夜すぐにでもという話ではない。
この後ラァラやグランベルとも会う予定で居るし、今回の旅の本来の目的はマガルムークの内乱の様子を調べることで、場合によってはルメロに手を貸すつもりでもいる。それなのに呑気にもメイドに手を出している場合ではないだろう。
そんなことを考えている間にも、一度部屋から出ていったジーナが半妖精族を引き連れて再び部屋の中へ戻ってくる。
映像で見たことがあるので知っていたが、半妖精族はかなりの美形揃いで、どことなく妖艶な雰囲気が感じられた。
そのためなのか、半妖精族が男を惑わすような姿形をしているのもオドを奪うためだという、あらぬ噂が立ってしまうのも仕方ない話であるように俺には思えた。
「こちらのお方があなたたちのご主人様であるディーディー様よ。で、その隣におられるのが妹君であるローラ様ね。あなたたち、ご挨拶なさい」
ジェネットの町に到着した直後、城壁前でひと悶着あったときには、直接この半妖精族とは出会っていない。ただし、騒ぎに気付いた亜人が周囲に集まっていたので、遠目ながら俺たちの姿を見ている可能性は否定できなかったが。
「は、はい。ジーナ様からメイド長を任されましたサリウティーヌと申す者にございます。ご主人様から過大なる情けをかけていただき、我々のような者を救っていただいたことについては感謝の念に堪えません。このご恩は一生かけて返していくつもりです。卑しき身分にはございますが、ここにおりますメイドなら、いかようにもお使いくださいませ」
「サリウティーヌと言ったか。そこまでかしこまらなくてもいい。堅苦しいのは嫌いなんでな。それに2日ほどここエルシオンに留まるだけだ。その間の世話は頼むことになるが」
「あ……、は、はい。しょ、承知致しました」
以前ジェネットの町で見掛けていて、俺のことに気付いたという感じではなさそう。
ただし、サリウティーヌの態度がどこか変で、少しだけ言葉を詰まらせていることにも俺は気付いた。
もちろん緊張もあるのだろうが、俺のそばに近付いて挨拶をした途端、頬を紅潮させ、少しだけ瞼が落ち込んだように見えたからだ。
しかもサリウティーヌだけではない。
サリウティーヌの後ろに控えていた半妖精族にも似たような反応が見られる。
もし、その反応が俺のオドを感じ取ったせいだというのなら、少しばかりマズいのかも知れない。
イオスやジーナ、ラングルと接しているときはこんな反応が現れなかったからだ。
そんな心配をしているうちにもさらに事態が悪化したらしく、後ろに控えていたうちのひとりがフラフラし始めたかと思えば、そのまま床の上に倒れ込んでいた。
「ミ、ミリシア!」
「大丈夫か?」
「も、申し訳ございません」
「サリー。挨拶はもういいから、一度ほかのメイドを下がらせなさい。サリーだけは尋ねたいことがあるのでこの場に残るように」
眉間にシワを寄せたジーナがサリウティーヌのことを叱責する。
と、すぐにほかのメイドがミリシアのことを隣から抱えるようにして立ち上がらせると、一緒に部屋から出ていく。
「本当に申し訳ございません。ご主人様の御前でミリシアがとんでもない粗相を働いてしまい」
「あの子の体調面には何も問題がなかったと思うけど?」
「は、はい」
「だったらあの程度の時間、立っていられないわけがないわよね。それにあなたの様子もどこかおかしかったし、何か問題でもあるのかしら?」
「いえ、けっしてそのようなことは……」
「ですが、貧血を起こしたようには見えなかったし、何かあるのでああなってしまったのでしょう?」
ジーナの強い詰問口調にサリウティーヌが口を閉ざす。
そんなサリウティーヌを安心させるように俺は優しく言葉を繋いでいた。
「俺もジーナも責めているわけではないので安心してくれ。そちらの事情がわからなければ、こちらとしても困るというだけだ。メイドの仕事に支障があるというなら配置換えをすれば済む話だからな」
「言いにくいことなのかも知れないけど、ご主人様に内緒にしたままで働くことのほうがよほど大問題よ。おおかたの予想は付いているけど、どういうことなのかあなたの口からきちんと説明してもらわないと」
「はい。そ、その……ご主人様のおそばに近付いた瞬間、自分の身体に異変が起きたことには気付きました。英雄と呼ばれるような方の強いオドにあてられると、私たち半妖精族は自然とこうなってしまいますので」
「ということは、ご主人様の強いオドに惹かれてしまったと?」
「す、すみません。まさかこんなにもオドが強いお方だったとは……。アグラ様の御前では皆こうなってしまうのも承知しておりましたが」
「アグラ様ね……。亜人たちの中にはイオスのことをアグランソルだと勘違いしている者が居るそうだが、イオス本人がきっぱりと否定したはずだ。当然、この俺もアグラ様なんかではないぞ」
今のサリウティーヌの口ぶりからすると、俺のことをアグラか何かだと勘違いしているようなフシが見受けられる。
もし、イオスがアグランソルその人であるのなら、その主人である俺がアグラなのかも知れないと亜人たちが考える構図もわからなくはない。
とはいえ、このままアグラだと勘違いさせておくのはマズい。アグラは遥か遠い昔に雲隠れしているはずだが、万が一にも本物が現れた場合に厄介なことになるだけだろう。
「ちょっといい? それってあなたたちがご主人様のことをアグラ様だと勘違いするぐらい特別なものなのかしら? イオス様からは何も感じなかったはずでしょう?」
「え、ええ。といっても、オドの強さだけでイオス様が英雄ではないと申し上げているわけでは……。王や英雄と呼ばれる方ほど強いオドをお持ちであることが多いらしいのですが、そうでない場合も普通にあるという話ですので。ただし、ご主人様のオドが非常にお強いことだけは間違いございません」
「なるほど。実を言うと半妖精族と間近に接するのはこれが初めてでな。色々と聞きたいことがあったのでちょうどいい。お前たち半妖精族の中に赤い瞳の持ち主が産まれることはあるか?」
「赤い瞳でしょうか? いえ。あまり聞いたことがございません」
アグラの強いオドに惹かれるという話を聞いて、俺は咄嗟にラァラのことを思い出していた。
だが、どうやら当てが外れたようで、アグラへの貢ぎ物にされるという赤い瞳の持ち主とは関係がないらしい。
「それじゃあどれくらいの距離まで近付けば、俺のオドに気付く? それと俺のオドと別の人間のオドに何か違いはあるのか?」
「そ、その……、違いがあるような、ないような」
「サリー。ご主人様からのご下問には事細かく答えるように心掛けなさい。それと正直に答えなければなりませんよ」
「も、申し訳ありません。私は強いオドをお持ちの方に会った経験があまりないものですから」
「ということは、あるにはあるってことなのよね?」
「は、はい。何度かは。といっても、さきほどのようにかなりおそばに近付かないかぎり気付くことはございません。今ぐらいの距離だと何も感じませんが、もう少しおそばに近寄らせていただいた場合にははっきりわかるという感じです。そのことに関しても個人差がありまして、特に私やミリシアなどは比較的オドに反応しやすい体質だと思います。ただし強さに関しても、強いか弱いかがぼんやりとわかるぐらいで、違いまではほとんどわからないのが普通だと思います」
「そうか、何となくだが理解した。そうだな、まだまだ尋ねたいことはあるが、またの機会にするか。というか、そのオドのせいでメイドの仕事が嫌だというなら、ほかの者と交代させてもいいが、サリーのほうはどうしたい?」
「いえ。あ、あの……、ご主人様がご不快でないのなら、出来ればおそばに控えることをお許しくださいませ。ミリシアにも二度とあんなふうにならないよう、強く言い聞かせておきますので」
とろんと目尻を下げたサリウティーヌがそう呟く。
それがオドのせいだったのかは不明だが、この部屋に入ってきたときにはおずおずとしていたはずのサリウティーヌの視線に、著しい変化があったことだけは間違いなかった。
「ゼント、そっちのとうもろこしの感じはどうなんだ?」
「うむ。まだ芽が伸びてきた段階なので、どのような作物なのかもわからんな。ラングル様から聞いたお話ではどうも稲の仲間らしいが。だが、売ったり食べるというより、半分くらいは鶏の餌にするためらしいぞ」
そろそろ日が暮れ始めようとする頃、エルシオンを真っ二つに引き裂くように南北へ走っている中央大通りには、一緒に農作業から帰ってくる妖狐族のゼントと牙虎族のガウスが姿があった。
そんなふたりの両手や足元は泥だらけになっており、そんな姿からしても農作業がいかに大変なのかうかがわれたが、その顔に浮かんでいたのは今の仕事にやりがいを感じているとでも言いたげな晴れ晴れとした表情だった。
「あの透き通った馬鹿デカい天幕の中で、わざわざ鳥の餌にするために作物を育てているっていうのか?」
「ああ、そうだ。というか、どうやらハウスと言う名前らしいな。中に入ってみればわかるが、ハウスの中は今の季節にしては信じられないくらい暖かい状態でな。それに種を小さな器に植えて、光の出る魔導具に当てていたりと正直奇妙なことだらけだ。育て始める時期が遅かったせいで、それらの魔導具が必要ということらしいが」
「ふーん、よくわからねえがきっとそういうもんなんだろ。こっちのライ麦のほうはちょうど種まきの時期だったんでな。これからの成長が楽しみなんだ。それとな、驚くことに小麦も育てているんだぜ」
「そうなのか? 小麦はもっと南の地方でないと育たないようなことを以前聞いたんだが?」
「ラングル様のお話では、この辺の気候でも育つ種類なんだとさ。でも、本当に育ったらすごいじゃねえか。小麦はマガルムークじゃあ高かったからな」
「ああ。そのせいでカチカチのライ麦パンしか食べられなかったほどだからな。我々にも少しだけ小麦を分けていただければ有り難いのだが。いや、さすがにそれは贅沢を言い過ぎか」
ライ麦自体にはパンを柔らかくふっくらと仕上げるグルテンを形成するためのグルテニンという成分が含まれておらず、そのために小麦粉を混ぜることが多い。
ただし、小麦はおもにエルセリア南部やラーカンシア諸島連邦で生産されており、マガルムーク国内に入ってくるころにはだいぶ値が上がっていた。貧しい亜人たちが固いライ麦パンしか食べられなかったのも当然の話だろう。
「どうだろうな。それにしてもよお、見事な畑じゃねえか。水はけのための水路だってそこら中にあるしよ。この分ならイオス様のお言葉どおり、たくさんの収穫が見込めそうだな」
「ガウス。お前、まさかイオス様のお言葉を疑っていたのか?」
「そ、そんなことはねえよ。ただ、何ていうかあれだ……。ちょっとだけ不安だったというかな。おっと、マズイ。向こうのほうにジーナ様の姿が見えたんだが。どうする、逃げるか?」
「あ? お前、また何かやらかしたのか?」
「いや。俺というか牙虎族の子供たちのことで怒られそうなんだよ。ほら、ここではトイレという場所で用を足さなければ駄目だと教えられているだろ」
「ああ。何でも臭いと衛生的な問題で、その辺で用を足しては駄目だとか」
「そのことはたとえ子供であろうが、きちんと躾けなさいとジーナ様からキツく言われているんだが、どうしてもその辺の草っ原で致してしまう子供が居てな」
「子供のすることだから、仕方ないといえば仕方ないが。そうはいってもそこを躾けるのがお前の役目だ。ジーナ様には頭を下げるしかあるまい」
「わかってるさ。ただ、ジーナ様はお怒りになられると恐ろしいからなあ。こんなときにイオス様かラングル様でもおられれば、お説教の途中で多少は取りなしてもらえるんだが」
「さすがにそれは甘え過ぎだぞ。いくらイオス様やラングル様が気さくでお優しい方でも、我々は身の程をわきまえなければならん」
「すまん、そうだったな。で、そのイオス様とラングル様はまだご領主様をお迎えに行ったまま戻られていないのか?」
朝方、イオスとラングルは揃ってエルシオンから外へと出掛けていた。
どうやらご領主様がお忍びで視察にやって来るらしく、そのせいで亜人たちの間にも少なくない緊張感が走っているほどだ。
ラングルもイオスも、若様はお優しい方だと口を揃えて言うものの、亜人たちの人間の貴族に対する認識は癇癪を起こしても亜人のことを鞭打ちにしなかったら優しいというだけ。
亜人に対して寛容だと言われているマガルムークですらそういう認識なのだから、それ以外の国で貴族からまともな扱いを受けるなど誰も思っていなかった。
「一応ご領主様のほうは夜更け前までにはご到着の予定だと伺っているが。明日のお昼ごろ、各種族の主だった者だけがお目通り願えるらしいな」
「そうか。温厚なお方だといいが……。もちろん亜人の我々なんかにこんなにも素晴らしい楽園を分け与えてくださるお方だ。それだけでも充分に優しいお人柄だということは理解しているつもりだが」
「まあな。とはいえ、誰かがご不興を買って、ご領主様の勘気を被らないともかぎらないぞ」
「そりゃあそのとおりだが、どっちみち俺たちには無事平穏に済むのを願うことしか出来ねえだろ。よっしゃ。そろそろジーナ様に怒られに行くとするか」
一瞬、ガウスの顔に不安そうな表情が宿る。
が、その想いを振り払うかのようにガウスが声を張ったあと、ジーナの元へと向かい、ゆっくりと歩いていく後ろ姿があった。
◇
東へと向かっていた魔導船ヴィクトーリア号の船上から一転し、ひと気のない海岸から陸地へと再上陸した俺とラウフローラ。
その場でアケイオスやランガルと合流し、一度格納庫に立ち寄って姿を変えた俺たちは、その後隠れ里エルシオンへと無事到着していた。
ただ、エルシオンに到着したのは夜更け前のことで、亜人たちのほとんどは寝静まったあとらしく、俺たちのことを出迎えていたのは真っ暗な闇夜と静寂だけだった。
「それでジーナ。亜人たちの様子はどうだった?」
「そうね。従順そのものといった感じよ。もしかしたらラングルとジーナによる飴と鞭が上手いこと功を奏しているのかも知れないわね。こちらがある程度厳しい態度を取っても、一切不満を漏らすこともなく、ここでの生活に満足しきっている様子ね」
「そうか。まあ元々が賤民の集まりだからな。そのときの生活に比べれば天国みたいなもんなんだろうが。それと魔導具のほうは?」
「そっちもおおむねこちらの予測どおりだったと言えるかしら。様々な機械や施設、魔法の門《ゲート》に関しても、魔導具という形で素直に受け入れているみたい」
「少しも不審に思う様子がなかったと?」
「ええ。あれがこの世界における一般的な反応と言えるかどうかはわからないけれど、バイタルや表情の変化から判断すれば、こちらの作り話を疑っている様子は一切なかったわね」
「なるほど。そうなるとあとは貴族だったり魔導具に詳しい人間の場合、どう受け取るかだな。それがわかるまで完全に安心できるとは言えないか」
「そうは言っても、まったく使わないという選択肢がない以上、多少疑われたとしてもこちらの魔導具とは仕組みが違うだけだと言い張るしかないんじゃないの?」
エルシオンにある屋敷の中で自動機械であるジーナとも対面を果たした俺は、品質がよさそうなソファにゆったりと腰掛けながらウーラたちと話し合っていた。
といっても、ジーナやラングルはウーラが遠隔操作しているだけなので、どちらと話しているとも言えなかったし、アケイオスとラウフローラも今はウーラに俺の話相手を任せているらしく、大人しくそばで控えているだけだったが。
「まあな。というか、そっちのほうはもういい。再確認のためだからな。問題はもうひとつのほうだろ」
「オドのことね。ジータとランガの姿で色々と嗅ぎ回ったときの結果と、サリウティーヌに直接問いただした感じを合わせると、本当にオドというものを感じているみたいだったわ。生命力みたいなものを本当に奪ってしまうのかはさておき、当面の問題は個人が特定できるかどうかよね」
「ああ。もし個人まで特定できるということであれば、俺の正体がバレバレになってしまう可能性があるからな。マナやギフト以外にも気を付けなければならない点があるのなら早目に対処しておきたい」
「本気で今夜誰かを夜伽に呼んでみる? 向こうもそこまでの抵抗は感じていなかったようだし。顔合わせをする予定なので、メイドの半妖精族にはこの屋敷内で待機するように申し付けてあるけれど?」
「会うことには会うが、夜伽のほうは機会があればだな。今回はそこまでゆっくりしている暇がない。戦闘が始まる前にルメロに追いついておきたいんでな」
「そう、わかったわ。私としては生命力を奪うという話にも興味があったので、是非とも一度試してもらって、どのような変化があるのか観察したかったのだけど」
「おいおい。人工頭脳であるウーラが俺の身体の安全に配慮しないのは、いったいどういうわけなんだよ」
「大丈夫よ。本人やほかの亜人たちから話を聞いたかぎりでは単なる言いがかりとしか思えなかったし、もし少しでもバイタルに異常が見られた場合には、すぐにでも止めに入るつもりだったから」
「まあ、そういう俺も色んな意味で興味があるのは事実だがな。だが、今回は遠慮させてもらう。その半妖精族とやらを部屋に呼んで、反応だけ調べてくれ」
「わかったわ。ちょっとだけ待っていて。それと、あまり人が多くないほうが半妖精族も話しやすいと思うので、イオスとランガルは隣の部屋に待機させておくわね」
半妖精族を夜伽に呼ぶとなれば、思いっきり権力を濫用していることになるが、この世界ではありふれた出来事でしかなく、そのことで良心が咎めるほど俺は善人でもない。
さすがに嫌がっている相手を無理やりにという趣味はないが、そうでないのならこれぐらいは役得ってもんだろう。
そうはいってもウーラにも話したとおり、今夜すぐにでもという話ではない。
この後ラァラやグランベルとも会う予定で居るし、今回の旅の本来の目的はマガルムークの内乱の様子を調べることで、場合によってはルメロに手を貸すつもりでもいる。それなのに呑気にもメイドに手を出している場合ではないだろう。
そんなことを考えている間にも、一度部屋から出ていったジーナが半妖精族を引き連れて再び部屋の中へ戻ってくる。
映像で見たことがあるので知っていたが、半妖精族はかなりの美形揃いで、どことなく妖艶な雰囲気が感じられた。
そのためなのか、半妖精族が男を惑わすような姿形をしているのもオドを奪うためだという、あらぬ噂が立ってしまうのも仕方ない話であるように俺には思えた。
「こちらのお方があなたたちのご主人様であるディーディー様よ。で、その隣におられるのが妹君であるローラ様ね。あなたたち、ご挨拶なさい」
ジェネットの町に到着した直後、城壁前でひと悶着あったときには、直接この半妖精族とは出会っていない。ただし、騒ぎに気付いた亜人が周囲に集まっていたので、遠目ながら俺たちの姿を見ている可能性は否定できなかったが。
「は、はい。ジーナ様からメイド長を任されましたサリウティーヌと申す者にございます。ご主人様から過大なる情けをかけていただき、我々のような者を救っていただいたことについては感謝の念に堪えません。このご恩は一生かけて返していくつもりです。卑しき身分にはございますが、ここにおりますメイドなら、いかようにもお使いくださいませ」
「サリウティーヌと言ったか。そこまでかしこまらなくてもいい。堅苦しいのは嫌いなんでな。それに2日ほどここエルシオンに留まるだけだ。その間の世話は頼むことになるが」
「あ……、は、はい。しょ、承知致しました」
以前ジェネットの町で見掛けていて、俺のことに気付いたという感じではなさそう。
ただし、サリウティーヌの態度がどこか変で、少しだけ言葉を詰まらせていることにも俺は気付いた。
もちろん緊張もあるのだろうが、俺のそばに近付いて挨拶をした途端、頬を紅潮させ、少しだけ瞼が落ち込んだように見えたからだ。
しかもサリウティーヌだけではない。
サリウティーヌの後ろに控えていた半妖精族にも似たような反応が見られる。
もし、その反応が俺のオドを感じ取ったせいだというのなら、少しばかりマズいのかも知れない。
イオスやジーナ、ラングルと接しているときはこんな反応が現れなかったからだ。
そんな心配をしているうちにもさらに事態が悪化したらしく、後ろに控えていたうちのひとりがフラフラし始めたかと思えば、そのまま床の上に倒れ込んでいた。
「ミ、ミリシア!」
「大丈夫か?」
「も、申し訳ございません」
「サリー。挨拶はもういいから、一度ほかのメイドを下がらせなさい。サリーだけは尋ねたいことがあるのでこの場に残るように」
眉間にシワを寄せたジーナがサリウティーヌのことを叱責する。
と、すぐにほかのメイドがミリシアのことを隣から抱えるようにして立ち上がらせると、一緒に部屋から出ていく。
「本当に申し訳ございません。ご主人様の御前でミリシアがとんでもない粗相を働いてしまい」
「あの子の体調面には何も問題がなかったと思うけど?」
「は、はい」
「だったらあの程度の時間、立っていられないわけがないわよね。それにあなたの様子もどこかおかしかったし、何か問題でもあるのかしら?」
「いえ、けっしてそのようなことは……」
「ですが、貧血を起こしたようには見えなかったし、何かあるのでああなってしまったのでしょう?」
ジーナの強い詰問口調にサリウティーヌが口を閉ざす。
そんなサリウティーヌを安心させるように俺は優しく言葉を繋いでいた。
「俺もジーナも責めているわけではないので安心してくれ。そちらの事情がわからなければ、こちらとしても困るというだけだ。メイドの仕事に支障があるというなら配置換えをすれば済む話だからな」
「言いにくいことなのかも知れないけど、ご主人様に内緒にしたままで働くことのほうがよほど大問題よ。おおかたの予想は付いているけど、どういうことなのかあなたの口からきちんと説明してもらわないと」
「はい。そ、その……ご主人様のおそばに近付いた瞬間、自分の身体に異変が起きたことには気付きました。英雄と呼ばれるような方の強いオドにあてられると、私たち半妖精族は自然とこうなってしまいますので」
「ということは、ご主人様の強いオドに惹かれてしまったと?」
「す、すみません。まさかこんなにもオドが強いお方だったとは……。アグラ様の御前では皆こうなってしまうのも承知しておりましたが」
「アグラ様ね……。亜人たちの中にはイオスのことをアグランソルだと勘違いしている者が居るそうだが、イオス本人がきっぱりと否定したはずだ。当然、この俺もアグラ様なんかではないぞ」
今のサリウティーヌの口ぶりからすると、俺のことをアグラか何かだと勘違いしているようなフシが見受けられる。
もし、イオスがアグランソルその人であるのなら、その主人である俺がアグラなのかも知れないと亜人たちが考える構図もわからなくはない。
とはいえ、このままアグラだと勘違いさせておくのはマズい。アグラは遥か遠い昔に雲隠れしているはずだが、万が一にも本物が現れた場合に厄介なことになるだけだろう。
「ちょっといい? それってあなたたちがご主人様のことをアグラ様だと勘違いするぐらい特別なものなのかしら? イオス様からは何も感じなかったはずでしょう?」
「え、ええ。といっても、オドの強さだけでイオス様が英雄ではないと申し上げているわけでは……。王や英雄と呼ばれる方ほど強いオドをお持ちであることが多いらしいのですが、そうでない場合も普通にあるという話ですので。ただし、ご主人様のオドが非常にお強いことだけは間違いございません」
「なるほど。実を言うと半妖精族と間近に接するのはこれが初めてでな。色々と聞きたいことがあったのでちょうどいい。お前たち半妖精族の中に赤い瞳の持ち主が産まれることはあるか?」
「赤い瞳でしょうか? いえ。あまり聞いたことがございません」
アグラの強いオドに惹かれるという話を聞いて、俺は咄嗟にラァラのことを思い出していた。
だが、どうやら当てが外れたようで、アグラへの貢ぎ物にされるという赤い瞳の持ち主とは関係がないらしい。
「それじゃあどれくらいの距離まで近付けば、俺のオドに気付く? それと俺のオドと別の人間のオドに何か違いはあるのか?」
「そ、その……、違いがあるような、ないような」
「サリー。ご主人様からのご下問には事細かく答えるように心掛けなさい。それと正直に答えなければなりませんよ」
「も、申し訳ありません。私は強いオドをお持ちの方に会った経験があまりないものですから」
「ということは、あるにはあるってことなのよね?」
「は、はい。何度かは。といっても、さきほどのようにかなりおそばに近付かないかぎり気付くことはございません。今ぐらいの距離だと何も感じませんが、もう少しおそばに近寄らせていただいた場合にははっきりわかるという感じです。そのことに関しても個人差がありまして、特に私やミリシアなどは比較的オドに反応しやすい体質だと思います。ただし強さに関しても、強いか弱いかがぼんやりとわかるぐらいで、違いまではほとんどわからないのが普通だと思います」
「そうか、何となくだが理解した。そうだな、まだまだ尋ねたいことはあるが、またの機会にするか。というか、そのオドのせいでメイドの仕事が嫌だというなら、ほかの者と交代させてもいいが、サリーのほうはどうしたい?」
「いえ。あ、あの……、ご主人様がご不快でないのなら、出来ればおそばに控えることをお許しくださいませ。ミリシアにも二度とあんなふうにならないよう、強く言い聞かせておきますので」
とろんと目尻を下げたサリウティーヌがそう呟く。
それがオドのせいだったのかは不明だが、この部屋に入ってきたときにはおずおずとしていたはずのサリウティーヌの視線に、著しい変化があったことだけは間違いなかった。
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