BYOND A WORLD

四葉八朔

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第1章

45.一滴の救済

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 ◆

 ジェネットの町を囲っている城壁の外部。
 そこにはそびえ立つ城壁に沿うような形で、避難民たちが作った簡易的な寝床が並んでいた。

 そうはいってもその寝床のほとんどには屋根がなく、少しばかりの荷物がそのまま地べたの上に野ざらしになっているだけ。
 布きれや木材がまったくなかったわけでもない。
 亜人たちだってジェネットの町に避難するにあたって、まったくの手ぶらでやってくるわけもなく、最低限の生活道具や毛布ぐらいは持参してきたはずだ。それに木材が必要なら、少し遠出をして自分たちの手で集めれば済む話だろう。
 にもかかわらず、その場所にほとんど住居らしきものがなかったのは、城壁の外にしっかりとした住居を作ろうとするたびに、巡回している兵士たちの手によって壊されていたからだ。

 おそらく城壁の外に避難民に本格的に住み着かれては困るということなのだろうが。
 ただ、兵士たちも多少ならば見逃してくれるのか、町の入口から離れて裏に回った目立たない場所には、寄せ集めの倒木と布きれで造られたタープのような天幕がいくつか設置されている様子もあった。

 昨日大怪我を負った白狼族のマルカは、そのうちのひとつに運ばれ、現在身体を休めている様子。
 一口に亜人といっても、種族や住んでいた町が違えばそこまで横の繋がりがない。特に今は、皆が皆他人に構っていられるような状況ではないこともあった。
 中には白狼族や黄虎族のことを白い目で見ている亜人さえ居たほどだ。余計な騒ぎを起こした白狼族に対するほかの避難民たちの対応は少々冷たいものだった。
 そうはいっても、同じ亜人の仲間を見殺しにもできないのだろう。
 比較的人数が多く、ほかにも天幕を張っている様子の小角鬼族の長であるラプラールが、一時的に自分の棲み処をマルカたちへ貸し与えている様子だった。

「シリィさん、イオスさんが来られましたけど」

 その天幕の中、マルカの看病をしていたシリィの耳にレミの声が聞こえてくる。

「ん? 旦那かい。ああ、わかったよ。中に入ってもらっておくれ」

 シリィから了承の声があがると同時に、外部からの視界を遮っていた薄い布切れがまくれ上がり、その向こうから姿を現したのは屈強そうなひとりの亜人だった。
 その亜人は真新しくはなくともよく手入れされていそうな鎧を身に纏い、腰には大きな剣を佩いている様子。
 そんな恰好からすれば、おそらく避難民ではないのだろう。かといって、兵士のようにも見えなかったが。
 イオスと名乗ったその亜人は、どうやら仕事を探しに昨晩夜遅くこの町を訪れたばかりらしく、冒険者らしい装いからしてもシリィやレミたちとはどことなく違う雰囲気を身に纏っているように見える。
 狭い天幕の中、屈むようにしながらマルカの元まで近付いてきたイオスは、そばで看病しているシリィに話しかけていた。

「どうだ、マルカの様子は?」
「そうだね。昨晩は傷が痛むのか、なかなか寝付けない様子だったけど、今はこのとおりぐっすりといった感じさ。これも旦那にもらった薬のおかげだよ。今はだいぶ熱も下がってきているみたいだからね」
「そうか、それはよかった。熱が下がってきたのならばおそらくは大丈夫だろう。が、油断は禁物。念のために今の状態も診ておくか?」
「ああ、頼むよ」
「といっても、この俺も素人の手慰みでしかない。確実なことは何も言えないが」
「それでも私たちに比べれば、こういった斬り傷の処置に詳しいんだろ? だったら、私としては旦那の指示に従ったほうがいいと思うんだよね」

 シリィがそう言って頷くと、イオスと呼ばれた亜人がマルカへと近付き、傷跡の状態を調べ始める。
 イオスは少しだけマルカの包帯をずらして患部の状態を診たあと、脈の様子や額に手を当てて熱があるかどうかも調べていた。

「うむ。だいぶ容態が安定してきている。もう出血は止まっているし、すでに傷跡も塞がりかけているみたいだな。よほどこの塗り薬の効果が高いのだろうよ」
「そうなのかい? 人間から渡されたものらしいから、警戒して使うかどうか迷っていたんだけどね。旦那の言うとおり、ちゃんとした薬だったようだね」
「俺が所持している傷薬と似たような匂いがしたのでな。元は同じ薬草から作られている魔法薬の類いなのだろう。いかなる思惑があって、そんな高価なものを渡してきたのかはわからんが、効果は確かな様子。引き続き使用したほうがいいだろうな」
「ああ、わかったよ」
「それと、新しく包帯を変えるときには充分に気を付けたほうがいいぞ」
「ああ。何とか消毒というやつだっけ? 旦那に教えられたとおり、沸かした水で布を綺麗に洗ってから使うようにしているよ」
「ならいい。あとは完全に肉体が回復するまで無理をさせないことだな。できれば栄養を付けさせたほうがいいのだが」
「それなんだよね。今持っている食料も残り少なくなってきているし、この先どうすればいいのか……」
「少しでも戦闘が出来そうな白狼族や黄虎族の男は居ないのか?」
「戦闘をかい?」
「実を言うとさきほどラプラール殿から、狩りが出来そうな男を何人か集めて大断崖地帯のほうへ魔物狩りに行くので、この俺も協力して欲しいと頼まれてな。どうやらここに居るほかの連中は、その肉で何とかこの冬を乗り切るつもりらしい」
「そう言われても、村に居た血の気の多い連中はほとんど戦争に行っちまったからねえ。今、残っているのは女子供と老人が多いんだよね。頼みのマルカもご覧のような有様だし、あとは弱っちい野郎か、ゴルドンみたいに卑怯者のカス野郎さ」

 そんな言葉を返したシリィの顔に、急に苛立たしげな表情が浮かぶ。
 今回の一件でシリィがゴルドンに対して腹立たしい気持ちを抱えているのは、その表情を見れば明らかだった。

「ふむ。おおよその成り行きはレミたちから聞いたので、シリィがそう言いたくなる気持ちもわからなくはないが、今は仲間内で揉めている場合ではないだろ。白狼族や黄虎族が誰も魔物狩りに参加しないとなると、分け前をもらえなくなるのではないのか?」
「すまなかったよ、旦那にまで愚痴っちまってさ。そうだね、何とかやれそうな男に声を掛けてみるよ」
「ああ、そうしたほうがいい。俺も出来るかぎりはお前たちに協力するつもりでいるが、なるべく自分たちの力で生活出来るようにならねばな」
「いいのかい? イオスの旦那は仕事を探しにこの町に立ち寄っただけで、避難してきたわけじゃないんだ。事情を話せば町の中にだって入れるかも知れないし、それが駄目なら駄目で、別の町に行くことだってできるんじゃないのかい?」
「構わんさ。どうせ行く宛てのない放浪の身だからな。それに一度は乗りかかった船だ。いつまでとは言えぬが、お前たちが迷惑でなければしばらく行動を共にするつもりだ」
「迷惑なもんかい。そう言ってくれて正直助かるよ。旦那は物知りみたいだし、マルカがこんなことになっちまって、少しばかり心細かったところなんだよね」

 昨晩知り合ったばかりだというのに、シリィはイオスのことをずいぶんと信用している様子。
 むろん、イオスからもらった薬のおかげでマルカの容態がよくなってきていることも関係しているだろうが、今のような状況になってしまい、知らず知らずのうちにシリィが頼りがいのある相手を必要としていたのかも知れない。
 実際に戦っているところを見たわけではないが、思わずシリィが惹かれそうになるぐらい強いオス特有の雰囲気がイオスからは感じられた。

 と、そんな様子でふたりがマルカの傷の処置についての相談をしていると、ふいに遠くのほうで騒ぐ声が聞こえてくる。

「ん? 外が騒がしいけど何かあったのかねえ?」
「わからん。ちょっと様子を見てくるか」
「私も行くよ。レミ、近くに居るかい?」
「はい、何でしょうか? シリィさん」
「何かあったみたいだから、ちょっとだけ外の様子を見てくるよ。その間マルカのことを見ていてほしいんだ」
「わかりました。何かみんな門のほうに向かって歩いていってますけど」
「ふーん、何だろうね。昨日みたいなゴタゴタじゃなきゃいいんだけどさ」

 若干不安そうなシリィが天幕の外に出る。
 そのままイオスと一緒に町の入り口のほうに向かって歩いていくと、レミが言っていたとおり門近くに亜人が集まっている様子が目に入ってきた。
 確かにその場には数人の兵士の姿もあったが、揉め事が起きているような気配はない。数台の荷馬車の周りに亜人たちが集まり歓声を上げているだけだ。
 それに荷馬車の周りに人だかりが出来ているせいで、シリィには何が原因で歓声が上がっているのかもまるでわからなかった。

「旦那、何だと思う?」
「さあな。ここからでは見当も付かんな」

 そんな会話が聞こえたのか、通りすがりの亜人がふたりに話しかけてくる。

「なんだ、新入りか? あれはクリスティーナお嬢様がお出でになられたのさ」
「クリスティーナお嬢様って?」
「あんたらクリスティーナお嬢様を知らんのか? ここのご領主であらせられるアンドリュース伯爵様のご息女だ」
「へええ」
「クリスティーナお嬢様はな、ああやって城から持ち出した食料の備蓄を我ら避難民に分け与えてくださっているのさ。本当にお優しい方だよ」
「なんだって! その食料は私たちも分けてもらえるのかい?」
「ああ。避難してきた皆で公平に分配するよう、お嬢様からきつく言われているので心配すんな」
「ほっ……よかった」
「そうは言っても、ここには300人近くの避難民が居るんだ。皆で分けたら3日分にもならんぞ」
「3日分でも充分助かるよ。それに今の話だと以前も同じように食料を分け与えてくださったってことなんだろ。これからも定期的に食料をいただけるんじゃあ?」
「そんな都合のいい話があってたまるか。今だってクリスティーナお嬢様は、父君であるアンドリュース伯爵様の反対を押し切って、我らを助けてくださっているらしいんだ。それに噂では街中の物資のほうも段々と不足してきているっていう話だしな。次回もいただけるなんてふうに期待しないほうがいいぞ」
「そうなのかい……」

 一瞬、期待に満ちたシリィの眼光が、再び失意の中へと沈んでいく。

「なるほど。それで魔物狩りというわけか」
「そういうこった。というか、あんたのその恰好からすると冒険者か何かなんだろ。なあ、あんたって大断崖地帯に行って魔物と戦った経験があったりするのか?」
「ああ。大物は倒していないが、小さな獲物なら何度かな」
「ほう、そりゃすごいな。確かにあんた、見るからに強そうだもんなあ。それでどうだい? 経験者のあんたから見て、俺たちの力で魔物狩りが出来ると思うかい?」
「正直厳しいだろうな。大半は戦闘経験がない連中だと聞いている。しかも、武器になりそうなものをほとんど持っていないという話だ。いくら人数を集めたところで、そのうち犠牲者が出ることは目に見えているのでな。本来なら無謀過ぎるからやめておけと、止めていたところなのだが」
「俺たちだって、無謀なことぐらいわかっちゃいるさ。それでもこのまま腹が減って野垂れ死ぬよりかはマシだろうよ」
「まあ、狩りのやり方次第では随分と危険も減らせるだろう。そこら辺は何とかしてみるさ」
「おっ。頼もしいじゃねえか、兄さん。俺も魔物狩りに参加するつもりだから、そのときにはよろしく頼むわ。それじゃあな」

 言いたいことを言って満足したのか、それだけを言い終わると話しかけてきた亜人が人だかりのほうへと去っていく。
 その後ろ姿が見えなくなる前に、シリィとイオスは再びふたりで話し始めていた。

「イオスの旦那、本当に大丈夫なのかい? 聞けば、大断崖地帯に居る魔物は恐ろしく危険という話じゃないか」
「確かにドレイクのように危険な魔物も大断崖地帯には棲息しているがな。そういう危険な魔物をなるべく避けるようにしながら、比較的倒しやすい魔物を相手にするだけだ」
「そうやって話に聞くだけなら簡単そうなんだけどね」
「まあ、ほかの連中に無茶をさせるつもりはない。危険そうだったらすぐにも撤退させるつもりだ」
「そうかい。くれぐれも気を付けておくれよ」
「わかっている。それよりも食料を分けてもらえるのなら、早めに取りにいったほうがよさそうだぞ。公平に分けるという話だったが、現在はこんな状況だ。少ない食料を巡って争いになる可能性がまったくないわけじゃないからな」
「ああ、そうだね。そうしようか」

 そんなイオスの言葉にシリィが頷く。
 3日分といえど今は貴重な食料だ。皆、我先にと先を争って荷馬車のほうへと向かっている姿がそこにはあった。
 イオスとシリィのふたりも、人だかりの中へ消えた亜人の男を追いかけるように、荷馬車のあるほうへと先を急いだ。
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