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第1章
34.ペテン
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ラウフローラはさきほどまで監視用に使っていたピットを背嚢から取り出すと、皆によく見えるよう高く掲げていた。
酒場の二階でラウフローラが俺に対して提案してきた内容。
それは、ディララ村の住人全体をペテンに掛けるという大胆な作戦だった。
「キュプロークス?」
「ええ、そうよ。私たちの地方に伝わる魔物で、一つ目の巨人の名前なんだけど聞いたことは?」
「ダン、知っているか?」
「いや、初耳だな。そういうお前らは?」
「ダンが知らないのに俺なんかが知っていると思うか? 俺が一つ目の魔物といって思い浮かぶのは洞窟なんかに住むアーリマンぐらいだ」
「俺も聞いたことがないな。ただ、これがその何とかという魔物の瞳だとすれば、けっこうなデカさがあることだけは確かだが……」
そう言って顔を見合わせる冒険者連中。
ほかの村人たちも俺たちのやり取りを遠巻きにしながらそっとうかがっており、どういったことになるのか固唾を呑んで見守っている様子だった。
当然ながら、そんな魔物は存在しないはず。
が、仮に似たような魔物が存在したとしてもそれはそれで構わなかった。
あくまでその部分は聞きかじりの伝承ということで片付けるつもりだからだ。
「知らなくても無理はないわ。私たちだって実物を見たことがないもの。というか、私たちの住んでる地域でも、いにしえの時代に存在していたらしいと言われているだけで、それが真実かどうか誰にもわからないってのが実際のところよ」
「へええ。伝説上の魔物ってことか」
「そんな感じね。で、これは一応そのキュプロークスの瞳から作られた魔道具という話ね」
「それって貴重なものなのか?」
「まあね。兄さんの武器と同じく先祖代々伝わったもので、一応アーティファクト級の魔道具だと言われているわ」
「ふーん。それで、その魔道具がいったいどうしたっていうんだ? 記憶がどうこうとか言っていたような気がするが」
「いちから話すと長くなってしまうので要点だけ話すと、村の伝承では一つ目の巨人キュプロークスにはその瞳に、他者の記憶を覗く能力があったと言われているの。記憶を覗くなんて言っても、好き勝手に見れるわけではないらしいけど。その話が真実かどうかはさておき、この魔道具にも似たような能力があるってこと。本来の使い方としては、自分が見た情報を他者に伝達するときに捕捉として使われることが多いのだけどね」
この世界の武器に関して、エルパドールがあらかじめ情報を入手していたのと同じように、魔道具に関しても多少は情報を入手してある。
堂々とこんな嘘が吐けるのも、どうやら一部の魔道具が遺跡などから発掘されたアーティファクト――要はオーパーツ的な扱いをされているものだということがわかったからだ。
市井に出回っているような一般的な魔道具はその限りではないらしいが、アーティファクト級の魔道具に関しては、どのような目的があってどこで作られたのかわからないものが数多く存在するという。
それどころか大多数の人間は、そういうものがあるという程度の認識しかしておらず、実際のところそれが何なのかもよくわかっていないらしい。
となると、神のように超常的な存在が創ったことも考えられるが、ウーラは何らかの原因で、あるときを境に魔道具製造に関する技術が一部失われてしまったのではないかと推測しているようだ。
ともあれ、それらの情報からオーバーテクノロジーな技術でも魔道具ということで誤魔化せるだろうという目算がたったのが大きい。
そこまで世間一般に流通していないものなら、嘘だと見抜かれることもまずないはずだ。
それに、こんな辺境の村に魔道具に精通している人間が居るとは思えなかったってのもある。
「人の記憶を、か?」
「ええ、そうよ」
「それはあれなのか? もしかして死者の記憶も見れるってことか?」
「私自身は試したことがないけど、一応可能だと言われているわね」
「なるほどな。つまりはそいつでバームの記憶を覗いて、犯人が誰なのか確かめるってわけか」
「そういうこと。ただし、死者の記憶は時が経つにつれ、段々と薄れていってしまうらしいので、正直上手くいくかどうか自信がないのよね」
「けっ、いったい何を言い出すかと思やあ。よりにもよって死者の記憶を覗くだと? そんな話は見たことも聞いたこともねえ。そんなデタラメで煙に巻こうったってそうはいかねえからな」
俺たちの会話に横から割って入ってきたジルが、ケチを付け始める。
「あら。デタラメだと思うのなら試してみたらいかが? ジルさん」
「は?」
「この魔道具が偽物だと思うのなら、あなた自身で実際に試してみればすぐにわかるはずでしょ?」
「馬鹿を言うな! なんでこの俺が? そんな怪しげなもんを試そうなんざあ、相当な間抜けでもないかぎりしないだろうよ!」
とんでもないと言わんばかりに、ラウフローラから少しだけ距離を取って拒絶するジル。
信じているかどうかはわからないが、疚しいことが数多くありそうなジルにとって、他人に記憶を覗かれるなんてとんでもない話だろう。
まあ、これはジルだけにかぎらず、一般的な反応として記憶を覗かれることに拒絶反応を起こされるのは仕方ないと思っていたが。
「そう……残念。実験台には最適だと思ったんだけどね」
「おいっ! こいつ今、実験台とか言いやがったぞ!」
「やあねえ、ほんの冗談じゃない。それじゃあ、ダン。悪いけどあなたが試してくれない?」
「ん、俺がか?」
「ええ。たとえ、どのような結果が出ようとも、これがインチキだと言われてしまえば、こちらとしてはそれ以上証明する手立てがないの。ディララ村の住人からの信頼が厚いあなたが試してくれれば、このキュプロークスの瞳が確かなものだという証明ができるはずなんだけど」
「うーむ。話としてはわかるのだが……」
「ダン。こう言ってはなんだが、そこまで詳しく記憶がわかる万能な魔道具ってわけでもないんだ。特に直近に起きた出来事の中で、深く印象に残っている記憶が現れやすいというだけ。それすら失敗して、まったく何もわからないこともあるぐらいだからな。とはいえ、間違って私生活に関する部分を見られてしまう可能性があるのも事実だ。それが嫌だと言うのなら、断ってくれてもいい」
実際にそんなことには絶対にならないのに、わざわざマイナス要因までねじ込んで話をしたのは、ダンの性格ならまず断らないだろうという確信があればこその話だった。
それにダンにお願いしたのは、あくまでキュプロークスの瞳の信憑性を高めるため。
いわゆるデモンストレーターとしての役どころを担ってもらいたいだけだ。
最悪、ダンが拒否したとしても、バームにキュプロークスの瞳を使ったあと、俺とラウフローラも使ってみせるだけで、ある程度身の潔白を証明することは可能だろう。
それでもなお、ジル辺りは疑ってかかってくるような気はするが、それでディララ村の大部分の住人が俺たちがバ―ムを殺害していないと納得してくれるなら、俺としてはそれでも構わないという考えだった。
さきほどからずっとだんまりを決め込んでいるラカムのことも気になるが、これまでの態度を見るかぎりでは、これ以上揉め事を大きくしたくないと考えている様子。
ならば、こちらがある程度無実を証明できれば、無理やり俺たちのことを犯人として仕立て上げようとはしてこないはずだ。
「なあなあ。結局はそいつをバームに対して使うんだろ。ならダンの兄貴で試さなくてもいいんじゃないか?」
「いや、コルト。俺たちはこの魔道具が本当に他人の記憶を覗けるのかどうか確かめたことがないんだ。ほかの村人たちを納得させるためにも、バーム以外の誰かで一度試したほうがいいというローラの意見は充分頷けるものだと思うぞ」
「そりゃそうかも知れんが……」
「仕方がない、俺が試してみる。それでローラ、どうすればいいんだ?」
「やってくれるのね、ダンさん。そうね。このキュプロークスの瞳を手に持って、自分の額に押し当てるだけよ。そうすれば印象に残っている記憶があなたの目の前に投影されるはずだから」
「投影されるというのは映し出されるってことだろ? もしかして幻覚の魔法みたいなものか?」
「幻覚とはちょっと違うのだけどね。わかりやすくいえば、過去に見た光景がそのまま目に見えるような形でその場に現れるって感じかしら」
「魔力適正が低い人間が使用しても大丈夫なのか?」
「ええ、関係ないわ」
「うーむ。まあ、やってみればわかるだろう」
小首をかしげたダンだったが、素直にラウフローラの言葉に従いピットを受け取ると、自分の額へと押し当て始める。
「ずいぶんと軽いものなんだな。だが、これが魔道具という話に嘘偽りはなさそうだ。しっかりと【マナ】の乱れを感じるからな」
「確かにその魔道具の近くで【マナ】の揺らぎを感じるわね」
「あら。ダンさんやラァラさんはマナの動きがわかるのね」
「ええ、ローラちゃん。私は魔法を使えないけど、素養が多少あるみたいだから」
ウーラが半分予測していたことなのでそこまで驚きはなかったが、やはりそういうことかと独り納得する。
今のふたりの言葉からすると、魔力の源とされている【マナ】と、俺たちがエネルギー源としているマナ粒子は、同じ物質と見て間違いないだろう。
そうでなければ本当は魔道具でも何でもないピットに、ラァラたちが【マナ】の揺らぎを感じるはずがない。
しかも言語の響きまで一緒ときている。
そこに何かしらの因果関係を感じないではないが、それよりも興味深かったのが、その【マナ】をダンやラァラが感知していることだ。
やたらとピットの存在に勘付いていそうな人間が居るので、何かおかしいとは思っていたのだが。
ピットに内蔵された小型マナ動力炉の反応がバレていたのだとすれば、そのことにも合点がいく。
となると、魔法の素養がある人間は、たとえ視界に入っていなくてもピットの存在に気付く可能性があるってことになるが。
「うわっ! 魔道具が光り出したぞ」
「ジャック、そんなに慌てなくても大丈夫だ。この光はキュクロープスの瞳が正常に作動している証拠だ」
かがり火が焚かれているとはいえ、辺りは相当薄暗い。
周囲の明るさを調整するためにピットが放った光に驚いたジャックが、もう少しで尻もちをつきそうになっていた。
「ったく、何やってんだか。見ろよ、ジャック。何か見えてきたぞ」
コルトの言うとおり、ピットが少しずつある光景をその場に映し出していく。
それは昼間、俺たちと冒険者がA地点で別れる直前のものだった。
目の前に映っているのは、ぼんやりと映った俺とラウフローラの姿。そしてちょっと離れた場所にバームの姿も見える。
ジャックとコルトは死角に入っているらしく今のところ姿が見えていないが、ダンの隣かななめ後方辺りに立っているはずだ。
音声がないので何を言っているのかまではわからないが、どうやらダン自身と俺が何やら話し合っている様子。
俺の記憶では、このときはたしか今後どういう動きをするかで冒険者連中と話し合っていたはずだ。
むろん、これは本当にダンの記憶を抜きだしたわけではない。
アケイオスやピット、ラウフローラが記録した映像を元に、CGでその場面を作り上げた3Dホログラム映像に過ぎない。
といっても、この映像に関してはダン視点へと視点を変えただけで、実際に起きた出来事を忠実に再現したものだったが。
「すげえ。これがダンの記憶ってやつか」
「コルト、見ろよ。ちっさいディーディーとローラが居るぞ。それにバームの姿も見える」
「ああ、確かにこんな感じのことがあったような気がするな」
「俺も薄っすらとだが記憶にある。湿地帯でディーディーたちやバームと別れる直前のことだろ?」
映ったホログラム映像を見て、冒険者たちはそれが昼間起こったことだと気付いたようだ。
だが、そのホログラム映像は現れて数十秒もしないうちに消えてしまった。
「ん? 故障か? すぐに見えなくなってしまったぞ」
「いいえ、故障じゃないわ。途中で記憶が途切れるとこうなるのよ。ジャックさんだって、すべての記憶を1から10まではっきりと覚えているわけじゃないでしょ。人間の記憶というものは、どうしても断片的なものになってしまうらしいの」
「ふーん、そんなものか。おっ、今度は違う風景になったようだ」
「これはあれか? ディーディーがドレイクを誘導してくるのを、俺たち3人が崖の上で待っているときの記憶か?」
少しぐらい猜疑心ようなものを持たれてもおかしくないと思っていたが、意外にも冒険者連中はすんなりとホログラム映像を受け入れている様子だった。
もしかしたらダンの言っていた幻覚の魔法とやらに何かを映し出すような効果があり、冒険者連中はこれまでにその魔法を見た経験があるのかも知れない。
だが、魔法というものはそれほど一般的ではないのだろう。村人たちの反応は冒険者連中とはいささか異なるものだった。
あれほど静かだった広場がざわめき始め、今や騒然とした空気に包まれていた。
中には幽霊だと騒ぎ始める村人や、その場で腰を抜かす村人が居たほどだ。
いや、魔法以前の問題なのかも知れない。
比較的近くに居た村人たちには俺たちの会話が聞こえていただろうが、遠くのほうの村人は俺たちが何を言っているのか聞き取れていなかったに違いない。
そんな中、突然光った場所から怪しい人影が現れたように見えたはずだ。
バームの幽霊が現れたと勘違いしてもおかしくはない状況だった。
「みんな大丈夫だから落ち着いてくれ。おかしなものを見たかも知れんが、すべてこの魔道具の効果でそう見えているだけだ。何も問題は起きてない」
そんな状況を感じ取ったのか、キュプロークスの瞳を持ったままのダンが声を張りあげて、村人たちのことを宥め始める。
「っていうか、もう充分なんじゃねえか。キュプロークスの瞳だったか? この魔道具が本物だということは疑いようもないだろ。なあ、ダンの兄貴」
「ああ、そうだな。少なくともこれが俺の記憶だということに間違いはない。そのことはこの俺が保証する」
「これでもまだ疑う野郎が居るのってなら、逆にそいつのほうが怪しく見えてくるわな。なあ、ジル。お前はどう思うよ?」
「あ、いや……。べ、別に俺は……」
コルトに皮肉られたジルがようやく口から絞り出したのは、答えにもならない呟きでしかなかった。
ただそれは、ぐうの音も出なくなって返答に窮したわけではなく、ジルが目の前で起きたことを信じられず、単に放心状態だったせいだろう。
「それよりもバームの記憶のほうだ。この魔道具を使えば、バームを殺った野郎がわかるかも知れねえんだろ?」
「そうね。ただし、さっきも言ったと思うけど、死者の記憶はどんどん消えていくと言われているわ。上手くいくかどうか、私たちにもわからないのよ」
「ああ、その点は承知しているさ。だがな、だったらなおさら早いことバームに試したほうがいいんじゃねえのか?」
やたらとコルトが事を急かしているように見えるのは、バームの仇を知りたいという気持ちも、もちろんあるのだろうが、このままドレイクとの戦闘を見られてしまった場合、皆で一緒に戦ったという嘘がバレることを心配をしているからだろう。
当然、その点は配慮するつもりだったが、確かにデモンストレーションとしてはもう充分かも知れない。
「そうだな。これで皆にもキュプロークスの瞳がどんなものか理解してもらえたはずだ。今みたいにバームにも使ってみてくれ」
「俺にやらせてくれ」
「ディーディー、ジャックにやらせても構わないか?」
「ああ、その魔道具は誰にやらせても同じ結果が出るはずだ。ジャックがやっても問題ない」
俺が頷くのを確認したダンが、キュプロークスの瞳をジャックへと手渡す。
「これってバームの身体を起こしたほうがいいのか?」
「いいえ、そのままで大丈夫。真上に投影されるだけよ」
「わかった」
周囲に集まった村人たちが注目する中、ジャックが荷車の上のバームへと近付く。
そして、その額の上へキュプロークスの瞳をそっと置くと、さきほどと同じようにまばゆい光が輝き出していた。
と、無言のラウフローラが俺の前に一歩、歩み出る。
万が一、犯人が逆上して襲い掛かってきた場合に備えての行動だろう。
しばらくの間、誰ひとりとして言葉を発しようとしなかった。
離れた場所に居る村人などは、いまだに何が起きているのかよくわかっていないはず。俺にはこの場の雰囲気が、ここに居る村人全員に沈黙を求めているようにも思えた。
そんな沈黙に耐え切れなくなったのか――、
「駄目か……」
いまだ変化が見られないキュプロークスの瞳に対し、そんな失望の声を漏らすコルト。
が、そのとき。
「いや、待て。薄っすらとだが何か見えてきたぞ」
ダンの発する言葉によって、皆が一気にバームの真上辺りの空間を注視し始める。
「ああ。誰かが立っているみたいに見えるな」
「クソ、ぼんやりしていて顔がわからねえ。だが、姿形からすると亜人ではないな。人間であることに間違いはない。おそらく、こいつがバームを殺したやつだ」
まるで幻のように、その姿が浮かんでは霞んでいく。
だが、ピンぼけ写真のように全体が不明瞭なその映像が、一瞬だけはっきりと映ったとき、周りから息を呑むような音が聞こえてきた。
「こ、こいつは……」
「は……そんな、まさか! 嘘だろ!」
その顔がはっきりと映ったことで、驚きの声がそこかしこから上がり始める。
葦のような植物に囲まれた湿地帯特有の風景。
その場所に佇む男の姿は、村の住人ならおそらく誰もが知っているであろう人物だった。
「ゲイツさん……。これって何かの間違いよね」
酒場の二階でラウフローラが俺に対して提案してきた内容。
それは、ディララ村の住人全体をペテンに掛けるという大胆な作戦だった。
「キュプロークス?」
「ええ、そうよ。私たちの地方に伝わる魔物で、一つ目の巨人の名前なんだけど聞いたことは?」
「ダン、知っているか?」
「いや、初耳だな。そういうお前らは?」
「ダンが知らないのに俺なんかが知っていると思うか? 俺が一つ目の魔物といって思い浮かぶのは洞窟なんかに住むアーリマンぐらいだ」
「俺も聞いたことがないな。ただ、これがその何とかという魔物の瞳だとすれば、けっこうなデカさがあることだけは確かだが……」
そう言って顔を見合わせる冒険者連中。
ほかの村人たちも俺たちのやり取りを遠巻きにしながらそっとうかがっており、どういったことになるのか固唾を呑んで見守っている様子だった。
当然ながら、そんな魔物は存在しないはず。
が、仮に似たような魔物が存在したとしてもそれはそれで構わなかった。
あくまでその部分は聞きかじりの伝承ということで片付けるつもりだからだ。
「知らなくても無理はないわ。私たちだって実物を見たことがないもの。というか、私たちの住んでる地域でも、いにしえの時代に存在していたらしいと言われているだけで、それが真実かどうか誰にもわからないってのが実際のところよ」
「へええ。伝説上の魔物ってことか」
「そんな感じね。で、これは一応そのキュプロークスの瞳から作られた魔道具という話ね」
「それって貴重なものなのか?」
「まあね。兄さんの武器と同じく先祖代々伝わったもので、一応アーティファクト級の魔道具だと言われているわ」
「ふーん。それで、その魔道具がいったいどうしたっていうんだ? 記憶がどうこうとか言っていたような気がするが」
「いちから話すと長くなってしまうので要点だけ話すと、村の伝承では一つ目の巨人キュプロークスにはその瞳に、他者の記憶を覗く能力があったと言われているの。記憶を覗くなんて言っても、好き勝手に見れるわけではないらしいけど。その話が真実かどうかはさておき、この魔道具にも似たような能力があるってこと。本来の使い方としては、自分が見た情報を他者に伝達するときに捕捉として使われることが多いのだけどね」
この世界の武器に関して、エルパドールがあらかじめ情報を入手していたのと同じように、魔道具に関しても多少は情報を入手してある。
堂々とこんな嘘が吐けるのも、どうやら一部の魔道具が遺跡などから発掘されたアーティファクト――要はオーパーツ的な扱いをされているものだということがわかったからだ。
市井に出回っているような一般的な魔道具はその限りではないらしいが、アーティファクト級の魔道具に関しては、どのような目的があってどこで作られたのかわからないものが数多く存在するという。
それどころか大多数の人間は、そういうものがあるという程度の認識しかしておらず、実際のところそれが何なのかもよくわかっていないらしい。
となると、神のように超常的な存在が創ったことも考えられるが、ウーラは何らかの原因で、あるときを境に魔道具製造に関する技術が一部失われてしまったのではないかと推測しているようだ。
ともあれ、それらの情報からオーバーテクノロジーな技術でも魔道具ということで誤魔化せるだろうという目算がたったのが大きい。
そこまで世間一般に流通していないものなら、嘘だと見抜かれることもまずないはずだ。
それに、こんな辺境の村に魔道具に精通している人間が居るとは思えなかったってのもある。
「人の記憶を、か?」
「ええ、そうよ」
「それはあれなのか? もしかして死者の記憶も見れるってことか?」
「私自身は試したことがないけど、一応可能だと言われているわね」
「なるほどな。つまりはそいつでバームの記憶を覗いて、犯人が誰なのか確かめるってわけか」
「そういうこと。ただし、死者の記憶は時が経つにつれ、段々と薄れていってしまうらしいので、正直上手くいくかどうか自信がないのよね」
「けっ、いったい何を言い出すかと思やあ。よりにもよって死者の記憶を覗くだと? そんな話は見たことも聞いたこともねえ。そんなデタラメで煙に巻こうったってそうはいかねえからな」
俺たちの会話に横から割って入ってきたジルが、ケチを付け始める。
「あら。デタラメだと思うのなら試してみたらいかが? ジルさん」
「は?」
「この魔道具が偽物だと思うのなら、あなた自身で実際に試してみればすぐにわかるはずでしょ?」
「馬鹿を言うな! なんでこの俺が? そんな怪しげなもんを試そうなんざあ、相当な間抜けでもないかぎりしないだろうよ!」
とんでもないと言わんばかりに、ラウフローラから少しだけ距離を取って拒絶するジル。
信じているかどうかはわからないが、疚しいことが数多くありそうなジルにとって、他人に記憶を覗かれるなんてとんでもない話だろう。
まあ、これはジルだけにかぎらず、一般的な反応として記憶を覗かれることに拒絶反応を起こされるのは仕方ないと思っていたが。
「そう……残念。実験台には最適だと思ったんだけどね」
「おいっ! こいつ今、実験台とか言いやがったぞ!」
「やあねえ、ほんの冗談じゃない。それじゃあ、ダン。悪いけどあなたが試してくれない?」
「ん、俺がか?」
「ええ。たとえ、どのような結果が出ようとも、これがインチキだと言われてしまえば、こちらとしてはそれ以上証明する手立てがないの。ディララ村の住人からの信頼が厚いあなたが試してくれれば、このキュプロークスの瞳が確かなものだという証明ができるはずなんだけど」
「うーむ。話としてはわかるのだが……」
「ダン。こう言ってはなんだが、そこまで詳しく記憶がわかる万能な魔道具ってわけでもないんだ。特に直近に起きた出来事の中で、深く印象に残っている記憶が現れやすいというだけ。それすら失敗して、まったく何もわからないこともあるぐらいだからな。とはいえ、間違って私生活に関する部分を見られてしまう可能性があるのも事実だ。それが嫌だと言うのなら、断ってくれてもいい」
実際にそんなことには絶対にならないのに、わざわざマイナス要因までねじ込んで話をしたのは、ダンの性格ならまず断らないだろうという確信があればこその話だった。
それにダンにお願いしたのは、あくまでキュプロークスの瞳の信憑性を高めるため。
いわゆるデモンストレーターとしての役どころを担ってもらいたいだけだ。
最悪、ダンが拒否したとしても、バームにキュプロークスの瞳を使ったあと、俺とラウフローラも使ってみせるだけで、ある程度身の潔白を証明することは可能だろう。
それでもなお、ジル辺りは疑ってかかってくるような気はするが、それでディララ村の大部分の住人が俺たちがバ―ムを殺害していないと納得してくれるなら、俺としてはそれでも構わないという考えだった。
さきほどからずっとだんまりを決め込んでいるラカムのことも気になるが、これまでの態度を見るかぎりでは、これ以上揉め事を大きくしたくないと考えている様子。
ならば、こちらがある程度無実を証明できれば、無理やり俺たちのことを犯人として仕立て上げようとはしてこないはずだ。
「なあなあ。結局はそいつをバームに対して使うんだろ。ならダンの兄貴で試さなくてもいいんじゃないか?」
「いや、コルト。俺たちはこの魔道具が本当に他人の記憶を覗けるのかどうか確かめたことがないんだ。ほかの村人たちを納得させるためにも、バーム以外の誰かで一度試したほうがいいというローラの意見は充分頷けるものだと思うぞ」
「そりゃそうかも知れんが……」
「仕方がない、俺が試してみる。それでローラ、どうすればいいんだ?」
「やってくれるのね、ダンさん。そうね。このキュプロークスの瞳を手に持って、自分の額に押し当てるだけよ。そうすれば印象に残っている記憶があなたの目の前に投影されるはずだから」
「投影されるというのは映し出されるってことだろ? もしかして幻覚の魔法みたいなものか?」
「幻覚とはちょっと違うのだけどね。わかりやすくいえば、過去に見た光景がそのまま目に見えるような形でその場に現れるって感じかしら」
「魔力適正が低い人間が使用しても大丈夫なのか?」
「ええ、関係ないわ」
「うーむ。まあ、やってみればわかるだろう」
小首をかしげたダンだったが、素直にラウフローラの言葉に従いピットを受け取ると、自分の額へと押し当て始める。
「ずいぶんと軽いものなんだな。だが、これが魔道具という話に嘘偽りはなさそうだ。しっかりと【マナ】の乱れを感じるからな」
「確かにその魔道具の近くで【マナ】の揺らぎを感じるわね」
「あら。ダンさんやラァラさんはマナの動きがわかるのね」
「ええ、ローラちゃん。私は魔法を使えないけど、素養が多少あるみたいだから」
ウーラが半分予測していたことなのでそこまで驚きはなかったが、やはりそういうことかと独り納得する。
今のふたりの言葉からすると、魔力の源とされている【マナ】と、俺たちがエネルギー源としているマナ粒子は、同じ物質と見て間違いないだろう。
そうでなければ本当は魔道具でも何でもないピットに、ラァラたちが【マナ】の揺らぎを感じるはずがない。
しかも言語の響きまで一緒ときている。
そこに何かしらの因果関係を感じないではないが、それよりも興味深かったのが、その【マナ】をダンやラァラが感知していることだ。
やたらとピットの存在に勘付いていそうな人間が居るので、何かおかしいとは思っていたのだが。
ピットに内蔵された小型マナ動力炉の反応がバレていたのだとすれば、そのことにも合点がいく。
となると、魔法の素養がある人間は、たとえ視界に入っていなくてもピットの存在に気付く可能性があるってことになるが。
「うわっ! 魔道具が光り出したぞ」
「ジャック、そんなに慌てなくても大丈夫だ。この光はキュクロープスの瞳が正常に作動している証拠だ」
かがり火が焚かれているとはいえ、辺りは相当薄暗い。
周囲の明るさを調整するためにピットが放った光に驚いたジャックが、もう少しで尻もちをつきそうになっていた。
「ったく、何やってんだか。見ろよ、ジャック。何か見えてきたぞ」
コルトの言うとおり、ピットが少しずつある光景をその場に映し出していく。
それは昼間、俺たちと冒険者がA地点で別れる直前のものだった。
目の前に映っているのは、ぼんやりと映った俺とラウフローラの姿。そしてちょっと離れた場所にバームの姿も見える。
ジャックとコルトは死角に入っているらしく今のところ姿が見えていないが、ダンの隣かななめ後方辺りに立っているはずだ。
音声がないので何を言っているのかまではわからないが、どうやらダン自身と俺が何やら話し合っている様子。
俺の記憶では、このときはたしか今後どういう動きをするかで冒険者連中と話し合っていたはずだ。
むろん、これは本当にダンの記憶を抜きだしたわけではない。
アケイオスやピット、ラウフローラが記録した映像を元に、CGでその場面を作り上げた3Dホログラム映像に過ぎない。
といっても、この映像に関してはダン視点へと視点を変えただけで、実際に起きた出来事を忠実に再現したものだったが。
「すげえ。これがダンの記憶ってやつか」
「コルト、見ろよ。ちっさいディーディーとローラが居るぞ。それにバームの姿も見える」
「ああ、確かにこんな感じのことがあったような気がするな」
「俺も薄っすらとだが記憶にある。湿地帯でディーディーたちやバームと別れる直前のことだろ?」
映ったホログラム映像を見て、冒険者たちはそれが昼間起こったことだと気付いたようだ。
だが、そのホログラム映像は現れて数十秒もしないうちに消えてしまった。
「ん? 故障か? すぐに見えなくなってしまったぞ」
「いいえ、故障じゃないわ。途中で記憶が途切れるとこうなるのよ。ジャックさんだって、すべての記憶を1から10まではっきりと覚えているわけじゃないでしょ。人間の記憶というものは、どうしても断片的なものになってしまうらしいの」
「ふーん、そんなものか。おっ、今度は違う風景になったようだ」
「これはあれか? ディーディーがドレイクを誘導してくるのを、俺たち3人が崖の上で待っているときの記憶か?」
少しぐらい猜疑心ようなものを持たれてもおかしくないと思っていたが、意外にも冒険者連中はすんなりとホログラム映像を受け入れている様子だった。
もしかしたらダンの言っていた幻覚の魔法とやらに何かを映し出すような効果があり、冒険者連中はこれまでにその魔法を見た経験があるのかも知れない。
だが、魔法というものはそれほど一般的ではないのだろう。村人たちの反応は冒険者連中とはいささか異なるものだった。
あれほど静かだった広場がざわめき始め、今や騒然とした空気に包まれていた。
中には幽霊だと騒ぎ始める村人や、その場で腰を抜かす村人が居たほどだ。
いや、魔法以前の問題なのかも知れない。
比較的近くに居た村人たちには俺たちの会話が聞こえていただろうが、遠くのほうの村人は俺たちが何を言っているのか聞き取れていなかったに違いない。
そんな中、突然光った場所から怪しい人影が現れたように見えたはずだ。
バームの幽霊が現れたと勘違いしてもおかしくはない状況だった。
「みんな大丈夫だから落ち着いてくれ。おかしなものを見たかも知れんが、すべてこの魔道具の効果でそう見えているだけだ。何も問題は起きてない」
そんな状況を感じ取ったのか、キュプロークスの瞳を持ったままのダンが声を張りあげて、村人たちのことを宥め始める。
「っていうか、もう充分なんじゃねえか。キュプロークスの瞳だったか? この魔道具が本物だということは疑いようもないだろ。なあ、ダンの兄貴」
「ああ、そうだな。少なくともこれが俺の記憶だということに間違いはない。そのことはこの俺が保証する」
「これでもまだ疑う野郎が居るのってなら、逆にそいつのほうが怪しく見えてくるわな。なあ、ジル。お前はどう思うよ?」
「あ、いや……。べ、別に俺は……」
コルトに皮肉られたジルがようやく口から絞り出したのは、答えにもならない呟きでしかなかった。
ただそれは、ぐうの音も出なくなって返答に窮したわけではなく、ジルが目の前で起きたことを信じられず、単に放心状態だったせいだろう。
「それよりもバームの記憶のほうだ。この魔道具を使えば、バームを殺った野郎がわかるかも知れねえんだろ?」
「そうね。ただし、さっきも言ったと思うけど、死者の記憶はどんどん消えていくと言われているわ。上手くいくかどうか、私たちにもわからないのよ」
「ああ、その点は承知しているさ。だがな、だったらなおさら早いことバームに試したほうがいいんじゃねえのか?」
やたらとコルトが事を急かしているように見えるのは、バームの仇を知りたいという気持ちも、もちろんあるのだろうが、このままドレイクとの戦闘を見られてしまった場合、皆で一緒に戦ったという嘘がバレることを心配をしているからだろう。
当然、その点は配慮するつもりだったが、確かにデモンストレーションとしてはもう充分かも知れない。
「そうだな。これで皆にもキュプロークスの瞳がどんなものか理解してもらえたはずだ。今みたいにバームにも使ってみてくれ」
「俺にやらせてくれ」
「ディーディー、ジャックにやらせても構わないか?」
「ああ、その魔道具は誰にやらせても同じ結果が出るはずだ。ジャックがやっても問題ない」
俺が頷くのを確認したダンが、キュプロークスの瞳をジャックへと手渡す。
「これってバームの身体を起こしたほうがいいのか?」
「いいえ、そのままで大丈夫。真上に投影されるだけよ」
「わかった」
周囲に集まった村人たちが注目する中、ジャックが荷車の上のバームへと近付く。
そして、その額の上へキュプロークスの瞳をそっと置くと、さきほどと同じようにまばゆい光が輝き出していた。
と、無言のラウフローラが俺の前に一歩、歩み出る。
万が一、犯人が逆上して襲い掛かってきた場合に備えての行動だろう。
しばらくの間、誰ひとりとして言葉を発しようとしなかった。
離れた場所に居る村人などは、いまだに何が起きているのかよくわかっていないはず。俺にはこの場の雰囲気が、ここに居る村人全員に沈黙を求めているようにも思えた。
そんな沈黙に耐え切れなくなったのか――、
「駄目か……」
いまだ変化が見られないキュプロークスの瞳に対し、そんな失望の声を漏らすコルト。
が、そのとき。
「いや、待て。薄っすらとだが何か見えてきたぞ」
ダンの発する言葉によって、皆が一気にバームの真上辺りの空間を注視し始める。
「ああ。誰かが立っているみたいに見えるな」
「クソ、ぼんやりしていて顔がわからねえ。だが、姿形からすると亜人ではないな。人間であることに間違いはない。おそらく、こいつがバームを殺したやつだ」
まるで幻のように、その姿が浮かんでは霞んでいく。
だが、ピンぼけ写真のように全体が不明瞭なその映像が、一瞬だけはっきりと映ったとき、周りから息を呑むような音が聞こえてきた。
「こ、こいつは……」
「は……そんな、まさか! 嘘だろ!」
その顔がはっきりと映ったことで、驚きの声がそこかしこから上がり始める。
葦のような植物に囲まれた湿地帯特有の風景。
その場所に佇む男の姿は、村の住人ならおそらく誰もが知っているであろう人物だった。
「ゲイツさん……。これって何かの間違いよね」
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