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第八章 ~華やかで煌びやかな地下の世界・裏闘技場の闇試合編~
道場訓 七十五 死闘開始
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「あの小僧、面白いな……今まで色々な外からの参加者はいたが、ここまで観衆の前で大口を叩く奴は1人もいなかったぞ。いや~、愉快愉快!」
円形の闘技場を正面から見下ろせる特別な観客席において、豪華な椅子に座りながら高笑いをしている老人がいた。
年齢は70を軽く過ぎているだろう。
銀色のような白髪に、痩せこけた骸骨のような顔。
ヤマト国の富裕層が着る紋付き袴を羽織り、懐から取り出した『天下布武』と筆書きされた扇子で自分を扇ぎ始める。
老人の名前はカイエン・ハザマ。
ヤマトタウン最大の任侠団組織――〈鬼神会〉の頭領であり、同時に裏の闘技場を取り仕切る胴元でもあった。
「ですが、お父さま。外からの参加者など威勢だけではないですか。しょせんは闇試合を生業としている裏武人たちの足元にも及ばない。どうせ、あの者も1回戦で簡単に消えるでしょう」
カイエンの隣には、同じく豪華な椅子に座っている女がいた。
20代前半ほどの黒髪の美女だ。
170センチ以上の長身と、朱色を基調とした花柄の着物の上からでもプロポーションの良さが一際目立っている。
「そうは言うがワシの目に狂いがなければ、あの小僧は今までの外から来た参加者とは少しばかり毛色が違うようだ。何より、堂々と空手着で出てくるのが良い。闘いの最中に相手から掴まれる危険をあえて受けて入れておるようなところとかな……そうは思わんか? マコト」
「どうですかね。もしかすると、そこまで頭が回っていない2流の使い手なのかもしれませんよ」
マコト、と呼ばれた美女は艶めかしい剥き出しの足を組み替えた。
「それに規定に縛られた表の闘技祭ならばまだしも、1度の闘いが生死を分かつ闇試合において素手で出場するなんて……はっきり言って馬鹿として言いようがありません」
マコト・ハザマこと私は、右手に持っていた小型の遠眼鏡(望遠鏡)で外から来た参加志望者の姿を詳しく視認した。
すでに事前に入手したプロフィールには目を通してある。
ケンシン・オオガミ。
見た目と名前通りのヤマト人であり、戦闘スタイルは服装からでも分かるように空手家だという。
でも、身体付きはそう悪くないのよね。
それに私好みの男前と可愛さが混ざり合った絶妙な顔をしているわ。
あれで本当に強ければ申し分ないのだけれど……。
私は「はあ」と大きなため息を吐いた。
予選を勝ち抜いたのだから決して弱くはないだろうけど、やはりそれはあくまでも外の世界の強さだ。
私たち〈鬼神会〉を含めた、他の任侠団組織が抱えている裏武人たちには到底敵わないだろう。
しかも1回戦には主催者である〈鬼神会〉の裏武人の1人が出場するのが慣習になっている。
とはいえ、真の実力者である裏武人ではない。
あくまでも外の参加者の相手をする役目の裏武人だ。
それでも表の武人たちよりも実力は折り紙付きで、観客たちも外の参加者が1回戦を突破するとは露とも思っていない。
しかし、今回の闇試合は少し状況が異なっていた。
言わずもがな、外からの参加者――ケンシン・オオガミが観客たちに大見得を切ったことだ。
これには観客たちも大いに熱狂している。
威勢の良い参加者が見るも無残な負け方をしたときほど、この闇試合を見に来た観客たちが興奮することはない。
そういう意味においては、ケンシン・オオガミは満点だった。
観客たちの興奮と欲望を搔き立てる道化師として。
そんなことを私が考えていると、
『残念ながらオオガミ選手の申し出は叶えられません。しかし、その実力が本物ならばオオガミ選手が優勝した際には次回からの闇試合はトーナメント制ではなくなるかもしれませんね』
司会進行役の般若面の男が冗談交じりに言った。
続いて観客たちの間からどっと笑いが沸き起こる。
だが、当の本人であるケンシン・オオガミは微塵も笑っていない。
それどころか、その表情には何の感情も見えないのだ。
いや、無表情というわけではない。
これから散歩に向かうと思えるほどリラックスしている。
何なの、あの子?
お父さまが言ったように、あのケンシン・オオガミという空手家は今までの参加者たちとは少し違うかもしれない。
などと小型の遠眼鏡(望遠鏡)越しにケンシンの様子を見ていると、今まで姿を現さなかった2人の人間がリングへと上がってくる。
上半身には何も着ていない筋骨たくましい総髪の大男と、見すぼらしい外見をした細身の男だ。
『さあ、ここでもう一組の出場者の登場です。〈鬼神会〉の専属選手である、オンマ・タイニーマンとその生命の相方だ』
2人はまだ20代の若さだったが、私たち〈鬼神会〉の正式な裏武人である。
だが、2人ともではない。
身長2メートルの総髪の大男のほうが、実際に相手と闘う裏武人だった。
『長らくお待たせ致しました。ようやく1回戦の両者がリング上で出揃いました。見た目と体格はまるで違う同士ですが、ここは規定に縛られた表の闘技祭ではございません。魔法、スキル、武器を使っても許される闇試合なのです。さあ、今宵も1回戦からどんな闘いを繰り広げてくれるのか見物です』
さすがに年季の入った般若面の男だ。
観客たちを盛り上げる前口上も回を重ねるごとに磨きがかかっている。
『そして両者の生命の相方の準備が整い次第、試合を開始致します』
その後、すぐに両者の生命の相方たちが専用の檻へと移された。
専用の檻の下の穴には魔物たちが集められており、選手自身が試合中に命を落としたと同時に檻の床が開いて生命の相方が穴の中に落ちる仕組みになっている。
やがてリングの上にはオンマとケンシンの2人が対峙した。
「お父さま、この闘いの賭け率はどれぐらいですか?」
私はお父さまに尋ねる。
「くくくっ……驚け、マコト。先ほどの小僧の大口が効いているようでな、何と珍しく1回戦の賭け率は8対2だ」
確かに珍しかった。
いつもなら1回戦の賭け率は9対1が普通である。
もちろん、〝9〟が私たち〈鬼神会〉で〝1〟が外からきた参加者だ。
観客たちの本心は10対0だっただろうが、ここには金と暇を持て余した富裕層たちしかいない。
なので賭け金を文字通りドブに捨てる行為をする観客たちが一定数いる。
けれども、今回の1回戦の賭け率は8対2。
いつもより金をドブに捨てる観客の数が増えていた。
これはお父さまの言う通り、ケンシンの威勢の良さが効いているのだろう。
とはいえ、本当のところ誰もケンシンが勝利するなど思っていない。
あくまでも面白半分でケンシンに賭けているのだ。
その気持ちは私にも分かる。
オンマは頭が悪くともかなりの実力を誇る魔法拳士だ。
一方のケンシンは武器を持たない空手家。
これでは勝敗の行く末などほとんど目に見えている。
『――すべての準備が整った今、果たして勝利はどちらの手に転ぶのでしょう。これまで数々の外からの参加者を葬ってきたオンマ選手なのか、それとも今宵はついにその行為に終止符が打たれるのか』
般若面の男は饒舌に会場のボルテージを上げていく。
やがて般若面の男は、右手を大きく上げてすぐに振り下ろした。
『両者――始め!』
直後、観客たちから地鳴りのような歓声が轟いた。
そして試合が始まって間もなく、私はあまりの衝撃に小型の遠眼鏡(望遠鏡)を落としてしまった。
なぜなら――。
円形の闘技場を正面から見下ろせる特別な観客席において、豪華な椅子に座りながら高笑いをしている老人がいた。
年齢は70を軽く過ぎているだろう。
銀色のような白髪に、痩せこけた骸骨のような顔。
ヤマト国の富裕層が着る紋付き袴を羽織り、懐から取り出した『天下布武』と筆書きされた扇子で自分を扇ぎ始める。
老人の名前はカイエン・ハザマ。
ヤマトタウン最大の任侠団組織――〈鬼神会〉の頭領であり、同時に裏の闘技場を取り仕切る胴元でもあった。
「ですが、お父さま。外からの参加者など威勢だけではないですか。しょせんは闇試合を生業としている裏武人たちの足元にも及ばない。どうせ、あの者も1回戦で簡単に消えるでしょう」
カイエンの隣には、同じく豪華な椅子に座っている女がいた。
20代前半ほどの黒髪の美女だ。
170センチ以上の長身と、朱色を基調とした花柄の着物の上からでもプロポーションの良さが一際目立っている。
「そうは言うがワシの目に狂いがなければ、あの小僧は今までの外から来た参加者とは少しばかり毛色が違うようだ。何より、堂々と空手着で出てくるのが良い。闘いの最中に相手から掴まれる危険をあえて受けて入れておるようなところとかな……そうは思わんか? マコト」
「どうですかね。もしかすると、そこまで頭が回っていない2流の使い手なのかもしれませんよ」
マコト、と呼ばれた美女は艶めかしい剥き出しの足を組み替えた。
「それに規定に縛られた表の闘技祭ならばまだしも、1度の闘いが生死を分かつ闇試合において素手で出場するなんて……はっきり言って馬鹿として言いようがありません」
マコト・ハザマこと私は、右手に持っていた小型の遠眼鏡(望遠鏡)で外から来た参加志望者の姿を詳しく視認した。
すでに事前に入手したプロフィールには目を通してある。
ケンシン・オオガミ。
見た目と名前通りのヤマト人であり、戦闘スタイルは服装からでも分かるように空手家だという。
でも、身体付きはそう悪くないのよね。
それに私好みの男前と可愛さが混ざり合った絶妙な顔をしているわ。
あれで本当に強ければ申し分ないのだけれど……。
私は「はあ」と大きなため息を吐いた。
予選を勝ち抜いたのだから決して弱くはないだろうけど、やはりそれはあくまでも外の世界の強さだ。
私たち〈鬼神会〉を含めた、他の任侠団組織が抱えている裏武人たちには到底敵わないだろう。
しかも1回戦には主催者である〈鬼神会〉の裏武人の1人が出場するのが慣習になっている。
とはいえ、真の実力者である裏武人ではない。
あくまでも外の参加者の相手をする役目の裏武人だ。
それでも表の武人たちよりも実力は折り紙付きで、観客たちも外の参加者が1回戦を突破するとは露とも思っていない。
しかし、今回の闇試合は少し状況が異なっていた。
言わずもがな、外からの参加者――ケンシン・オオガミが観客たちに大見得を切ったことだ。
これには観客たちも大いに熱狂している。
威勢の良い参加者が見るも無残な負け方をしたときほど、この闇試合を見に来た観客たちが興奮することはない。
そういう意味においては、ケンシン・オオガミは満点だった。
観客たちの興奮と欲望を搔き立てる道化師として。
そんなことを私が考えていると、
『残念ながらオオガミ選手の申し出は叶えられません。しかし、その実力が本物ならばオオガミ選手が優勝した際には次回からの闇試合はトーナメント制ではなくなるかもしれませんね』
司会進行役の般若面の男が冗談交じりに言った。
続いて観客たちの間からどっと笑いが沸き起こる。
だが、当の本人であるケンシン・オオガミは微塵も笑っていない。
それどころか、その表情には何の感情も見えないのだ。
いや、無表情というわけではない。
これから散歩に向かうと思えるほどリラックスしている。
何なの、あの子?
お父さまが言ったように、あのケンシン・オオガミという空手家は今までの参加者たちとは少し違うかもしれない。
などと小型の遠眼鏡(望遠鏡)越しにケンシンの様子を見ていると、今まで姿を現さなかった2人の人間がリングへと上がってくる。
上半身には何も着ていない筋骨たくましい総髪の大男と、見すぼらしい外見をした細身の男だ。
『さあ、ここでもう一組の出場者の登場です。〈鬼神会〉の専属選手である、オンマ・タイニーマンとその生命の相方だ』
2人はまだ20代の若さだったが、私たち〈鬼神会〉の正式な裏武人である。
だが、2人ともではない。
身長2メートルの総髪の大男のほうが、実際に相手と闘う裏武人だった。
『長らくお待たせ致しました。ようやく1回戦の両者がリング上で出揃いました。見た目と体格はまるで違う同士ですが、ここは規定に縛られた表の闘技祭ではございません。魔法、スキル、武器を使っても許される闇試合なのです。さあ、今宵も1回戦からどんな闘いを繰り広げてくれるのか見物です』
さすがに年季の入った般若面の男だ。
観客たちを盛り上げる前口上も回を重ねるごとに磨きがかかっている。
『そして両者の生命の相方の準備が整い次第、試合を開始致します』
その後、すぐに両者の生命の相方たちが専用の檻へと移された。
専用の檻の下の穴には魔物たちが集められており、選手自身が試合中に命を落としたと同時に檻の床が開いて生命の相方が穴の中に落ちる仕組みになっている。
やがてリングの上にはオンマとケンシンの2人が対峙した。
「お父さま、この闘いの賭け率はどれぐらいですか?」
私はお父さまに尋ねる。
「くくくっ……驚け、マコト。先ほどの小僧の大口が効いているようでな、何と珍しく1回戦の賭け率は8対2だ」
確かに珍しかった。
いつもなら1回戦の賭け率は9対1が普通である。
もちろん、〝9〟が私たち〈鬼神会〉で〝1〟が外からきた参加者だ。
観客たちの本心は10対0だっただろうが、ここには金と暇を持て余した富裕層たちしかいない。
なので賭け金を文字通りドブに捨てる行為をする観客たちが一定数いる。
けれども、今回の1回戦の賭け率は8対2。
いつもより金をドブに捨てる観客の数が増えていた。
これはお父さまの言う通り、ケンシンの威勢の良さが効いているのだろう。
とはいえ、本当のところ誰もケンシンが勝利するなど思っていない。
あくまでも面白半分でケンシンに賭けているのだ。
その気持ちは私にも分かる。
オンマは頭が悪くともかなりの実力を誇る魔法拳士だ。
一方のケンシンは武器を持たない空手家。
これでは勝敗の行く末などほとんど目に見えている。
『――すべての準備が整った今、果たして勝利はどちらの手に転ぶのでしょう。これまで数々の外からの参加者を葬ってきたオンマ選手なのか、それとも今宵はついにその行為に終止符が打たれるのか』
般若面の男は饒舌に会場のボルテージを上げていく。
やがて般若面の男は、右手を大きく上げてすぐに振り下ろした。
『両者――始め!』
直後、観客たちから地鳴りのような歓声が轟いた。
そして試合が始まって間もなく、私はあまりの衝撃に小型の遠眼鏡(望遠鏡)を落としてしまった。
なぜなら――。
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