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第28話 正体
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数人の話し声が聞こえてくる。
最初、その声は幻聴かと思ったがそうではない。
重く閉ざされた目蓋を上げ、何度か瞬きをして視界を良好にする。
ぼやけていた視界が鮮明になるにつれ、視覚以外の機能も正常に戻ってきた。
身体に伝わる冷たい感触。むせるような埃臭さ。耳障りな下卑た笑い声。
「お? どうやらお姫様が目覚めたようだぜ」
次に感じたのは肌を粟立てるほどの不快感である。
また鋭敏に冴え渡っていた皮膚感覚により、羽美は数人の視線が一気に自分の身体に向けられたことを感じた。
同時に自分の両手が後ろ手で縛られ、板張りの床の上に無造作に寝かされていたことも。
「ここはどこ? それにあんたたちは……」
感覚機能とは違って意識を司る脳は上手く働いていないらしい。
羽美は前方にへらへらと酷薄した笑みを浮かべている男たちを注視する。
やがて羽美の脳は正常な活動を始めた。
男たちが着用している服は鷺乃宮学園指定のブレザーであり、一般生徒とは違って髪の色を様々に染めている。
これにより男たちが一般生徒ではないと分かった。
〈ギャング〉の連中だ。
仲間の証であるという銀のブレスレットも手首に嵌めている。
(そうだ。あたしは連中に――)
〈ギャング〉たちの存在を認識した途端、ここ数時間の出来事が怒涛の如く蘇ってきた。
自分が千鶴とともに旧校舎へ足を運ぶと、そこには秋山剛樹を筆頭に〈ギャング〉たちが待ち伏せをしていたこと。また意識が途切れる寸前、味方だと思っていた千鶴の正体が判明し、あろうことかその千鶴により自分が旧校舎へ誘い込まれたこと。
記憶と意識が完全に戻ったとき、ようやく羽美は事の重大さに驚愕した。
自分は〈ギャング〉たちに拉致されたのだ。
それに目線を動かして周囲を見渡すと、板張りの床や壁の老朽化が激しいことも窺い知れた。
気を失った場所から察するに、間違いなくここは旧校舎の中だろう。
あいにくと旧校舎の中には電気が引かれていなかったが、それでも教室と思われる部屋の間取りが視認できた。
自分が気絶していた間に曇天だった空が晴れたのだろう。
窓ガラスを通して満月の燐光が教室内を明るく照らしている。
だからこそ羽美には判別できた。
自分以外に教室内にいた〈ギャング〉たちの姿を。
やがて1人の男が身動きの取れない羽美に近づいてきた。
目の前までくると、その男は手に持っていた仮面をおもむろに顔に貼りつける。
「よう、あのときは世話になったな」
男が顔面に貼りつけたのはホラー映画でお馴染みのスクリームの仮面であった。
「まさか、あんたは?」
スクリームの仮面を見た瞬間、羽美の背筋が凍りついた。
いや、スクリームの仮面を見る前にも何となく嫌な予感はあった。
なぜならスクリームの仮面を顔面に貼りつけた男は、鼻全体を覆うほどの大きなガーゼを当てていたからだ。
またガチガチに施されたテーピング処置により、鼻を中心に怪我を負っていることは一目瞭然だった。
「おい岡田よ。あんまり悪趣味なことすんな」
「そうだぜ。副生徒会長が目ん玉飛び出るほど驚いているじゃねえか」
窓際に固まっていた数人から狂喜を含んだ野次が飛ぶ。
スクリームの仮面を顔面に貼りつけた男――岡田は腹の底から快活に笑い、顔面に貼りつけただけのスクリームの仮面を再び外した。
「そうだな。もうこんな仮面を被る必要はねえ」
口の端を吊り上げながら見下ろしてくる岡田に対して、羽美は精一杯上目遣いで岡田を睨みつける。
羽美の疑問は今や確信に変わっていた。
目の前の岡田と呼ばれた男こそ、数日前に赤松公園で襲撃をかけてきた3人組の1人だということを。
「あんたは赤松公園で私に襲いかかってきた三人組の一人ね……一体どういうつもり? 副生徒会長の私にこんな真似をしてただで済むと思ってんの! これは歴とした生徒会に対する反発だわ!」
絶望的な状況にもかかわらず、羽美は必死に己を奮い立たせて声を出した。
そんな羽美に岡田を始め他の〈ギャング〉たちも目を見張ったが、それも一瞬だけですぐに教室内は高笑の渦に包まれる。
何がそんなにおかしいのだろう。
〈ギャング〉たちの笑い声を聞きながら羽美は頭に疑問符を浮かべると、目の前に立っていた岡田が両膝を曲げて顔を近づかせてきた。
「生徒会への反発? 笑わかすんじゃねよ。お前らこそ学園の蛆虫じゃねえか」
岡田の中傷に羽美は猛反発する。
「生徒会が学園の蛆虫ですって? そんなわけないでしょう」
などと凄んでみるも岡田はまったく表情を変えない。
それどころか鼻で笑う始末。
「実際そうなんだよ。生徒会長は〈L・M〉の喫煙者。副生徒会長は自分を絶対の正義と信じる熱血馬鹿。会計は俺たち〈ギャング〉のリーダーの女。それに書記がな……」
「書記……秋兵のこと! まさか、あんたたち秋兵にも私と同じ真似を?」
そうとしか考えられない。
〈ギャング〉の連中ならば学校を休んでいる生徒を拉致するなど朝飯前だろう。
事実、こうして自分が拉致されているのだから。
すると、再び教室内に甲高い笑い声が響き渡る。
「こりゃあ傑作だ! まさか知らなかったとはな!」
岡田は他の〈ギャング〉たちに尋ねる。
「なあ、こんな傑作なことはねえよな? あいつが例の売人だったなんてよ」
他の〈ギャング〉たちは一様に頷いた。
「ああ、あれには俺も度肝を抜かれたぜ」
「まさに灯台元暮らしってやつ? 今ごろ上の階で剛樹君と交渉している頃だろうな」
〈ギャング〉たちの会話に一人だけついていけない人物がいた。
もちろん、身体を拘束されていた羽美である。
(こいつらは何を言ってるの?)
〈L・M〉? 売人? 初耳な単語に羽美は眉間に皺を寄せた。
「まあ知らないなら知らないでいいかもな」
岡田は手に持っていたスクリームの仮面を羽美の背中に落とした。
「どちらにせよ生徒会はもう終わりだ」
呟いた直後、岡田は体重を乗せた右足で羽美の背中を踏みつけた。
無防備だった背中に重苦しい衝撃が走る。
羽美は叫ばずにくぐもった呻き声を漏らした。
岡田は背中に踏みつけたまま右足を退かさなかったため、背部を圧迫された羽美は呻き声しか発せなかったのだ。
岡田は苦悶の表情を浮かべる羽美に凄んで見せる。
「現生徒会全員が手中に収まった今、残る標的はあの沖縄野郎だ。あいつこそぶちのめせば俺の復讐は終了する」
沖縄野郎という台詞を聞いて、すぐに脳裏に浮かぶ顔は武琉しかいなかった。
まさに武琉は沖縄から転校してきたからだ。
だが腑に落ちない点もある。
なぜ、ここで武琉の名前が出てくるのだ。
武琉は転校してきたばかりで学園との接点は薄い。
〈ギャング〉に恨みを買う謂れはおろか、生徒会の活動も満足に行っていないのに。
ましてや復讐とは……
疑問と苦痛に悩まされる羽美。
色々と分からないことが立て続けに起こる中、とにかく今は何とかして現状を打破しようと頭を働かせた。
先ほどから女の直感が告げている。
このままでは取り返しのならない事態に陥ると。
まさにそう思った直後であった。
「おい、廊下に誰かいないか?」
ふと、そんな声が聞こえた。声を発した持ち主は〈ギャング〉の一人らしい。
「は? 誰もいるわけねえだろ。こんな時間に旧校舎へくる人間なんて先公でも――」
と、もう1人の男が真っ向から否定したときである。
教室内にいた全員が魂を吸い取られたように唖然となった。
全員の視線が薄暗い廊下に向けられたからだ。
羽美も思わず閉口した。
教室と廊下を隔てている壁の窓ガラスは半分以上割れていた。
そのため廊下に人がいると判断するには少々分かり難い面がある。
ましてやここは数十年も使われてない旧校舎なのだ。
とっくに夜の帳が下りている今の時間帯に誰がやってくるというのだろう。
しかし――。
「グッドイブニング。学園のスモールフライたち」
確かに廊下から教室内を覗く人間の顔があった。
しかも1つではなく2つである。
「て、てめえらは!」
教室内にいた〈ギャング〉たちは誰もが驚愕した。
二階堂晴矢。
堀田花蓮。
〈ギャング〉よりも危険な2人組みの登場である。
最初、その声は幻聴かと思ったがそうではない。
重く閉ざされた目蓋を上げ、何度か瞬きをして視界を良好にする。
ぼやけていた視界が鮮明になるにつれ、視覚以外の機能も正常に戻ってきた。
身体に伝わる冷たい感触。むせるような埃臭さ。耳障りな下卑た笑い声。
「お? どうやらお姫様が目覚めたようだぜ」
次に感じたのは肌を粟立てるほどの不快感である。
また鋭敏に冴え渡っていた皮膚感覚により、羽美は数人の視線が一気に自分の身体に向けられたことを感じた。
同時に自分の両手が後ろ手で縛られ、板張りの床の上に無造作に寝かされていたことも。
「ここはどこ? それにあんたたちは……」
感覚機能とは違って意識を司る脳は上手く働いていないらしい。
羽美は前方にへらへらと酷薄した笑みを浮かべている男たちを注視する。
やがて羽美の脳は正常な活動を始めた。
男たちが着用している服は鷺乃宮学園指定のブレザーであり、一般生徒とは違って髪の色を様々に染めている。
これにより男たちが一般生徒ではないと分かった。
〈ギャング〉の連中だ。
仲間の証であるという銀のブレスレットも手首に嵌めている。
(そうだ。あたしは連中に――)
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自分が千鶴とともに旧校舎へ足を運ぶと、そこには秋山剛樹を筆頭に〈ギャング〉たちが待ち伏せをしていたこと。また意識が途切れる寸前、味方だと思っていた千鶴の正体が判明し、あろうことかその千鶴により自分が旧校舎へ誘い込まれたこと。
記憶と意識が完全に戻ったとき、ようやく羽美は事の重大さに驚愕した。
自分は〈ギャング〉たちに拉致されたのだ。
それに目線を動かして周囲を見渡すと、板張りの床や壁の老朽化が激しいことも窺い知れた。
気を失った場所から察するに、間違いなくここは旧校舎の中だろう。
あいにくと旧校舎の中には電気が引かれていなかったが、それでも教室と思われる部屋の間取りが視認できた。
自分が気絶していた間に曇天だった空が晴れたのだろう。
窓ガラスを通して満月の燐光が教室内を明るく照らしている。
だからこそ羽美には判別できた。
自分以外に教室内にいた〈ギャング〉たちの姿を。
やがて1人の男が身動きの取れない羽美に近づいてきた。
目の前までくると、その男は手に持っていた仮面をおもむろに顔に貼りつける。
「よう、あのときは世話になったな」
男が顔面に貼りつけたのはホラー映画でお馴染みのスクリームの仮面であった。
「まさか、あんたは?」
スクリームの仮面を見た瞬間、羽美の背筋が凍りついた。
いや、スクリームの仮面を見る前にも何となく嫌な予感はあった。
なぜならスクリームの仮面を顔面に貼りつけた男は、鼻全体を覆うほどの大きなガーゼを当てていたからだ。
またガチガチに施されたテーピング処置により、鼻を中心に怪我を負っていることは一目瞭然だった。
「おい岡田よ。あんまり悪趣味なことすんな」
「そうだぜ。副生徒会長が目ん玉飛び出るほど驚いているじゃねえか」
窓際に固まっていた数人から狂喜を含んだ野次が飛ぶ。
スクリームの仮面を顔面に貼りつけた男――岡田は腹の底から快活に笑い、顔面に貼りつけただけのスクリームの仮面を再び外した。
「そうだな。もうこんな仮面を被る必要はねえ」
口の端を吊り上げながら見下ろしてくる岡田に対して、羽美は精一杯上目遣いで岡田を睨みつける。
羽美の疑問は今や確信に変わっていた。
目の前の岡田と呼ばれた男こそ、数日前に赤松公園で襲撃をかけてきた3人組の1人だということを。
「あんたは赤松公園で私に襲いかかってきた三人組の一人ね……一体どういうつもり? 副生徒会長の私にこんな真似をしてただで済むと思ってんの! これは歴とした生徒会に対する反発だわ!」
絶望的な状況にもかかわらず、羽美は必死に己を奮い立たせて声を出した。
そんな羽美に岡田を始め他の〈ギャング〉たちも目を見張ったが、それも一瞬だけですぐに教室内は高笑の渦に包まれる。
何がそんなにおかしいのだろう。
〈ギャング〉たちの笑い声を聞きながら羽美は頭に疑問符を浮かべると、目の前に立っていた岡田が両膝を曲げて顔を近づかせてきた。
「生徒会への反発? 笑わかすんじゃねよ。お前らこそ学園の蛆虫じゃねえか」
岡田の中傷に羽美は猛反発する。
「生徒会が学園の蛆虫ですって? そんなわけないでしょう」
などと凄んでみるも岡田はまったく表情を変えない。
それどころか鼻で笑う始末。
「実際そうなんだよ。生徒会長は〈L・M〉の喫煙者。副生徒会長は自分を絶対の正義と信じる熱血馬鹿。会計は俺たち〈ギャング〉のリーダーの女。それに書記がな……」
「書記……秋兵のこと! まさか、あんたたち秋兵にも私と同じ真似を?」
そうとしか考えられない。
〈ギャング〉の連中ならば学校を休んでいる生徒を拉致するなど朝飯前だろう。
事実、こうして自分が拉致されているのだから。
すると、再び教室内に甲高い笑い声が響き渡る。
「こりゃあ傑作だ! まさか知らなかったとはな!」
岡田は他の〈ギャング〉たちに尋ねる。
「なあ、こんな傑作なことはねえよな? あいつが例の売人だったなんてよ」
他の〈ギャング〉たちは一様に頷いた。
「ああ、あれには俺も度肝を抜かれたぜ」
「まさに灯台元暮らしってやつ? 今ごろ上の階で剛樹君と交渉している頃だろうな」
〈ギャング〉たちの会話に一人だけついていけない人物がいた。
もちろん、身体を拘束されていた羽美である。
(こいつらは何を言ってるの?)
〈L・M〉? 売人? 初耳な単語に羽美は眉間に皺を寄せた。
「まあ知らないなら知らないでいいかもな」
岡田は手に持っていたスクリームの仮面を羽美の背中に落とした。
「どちらにせよ生徒会はもう終わりだ」
呟いた直後、岡田は体重を乗せた右足で羽美の背中を踏みつけた。
無防備だった背中に重苦しい衝撃が走る。
羽美は叫ばずにくぐもった呻き声を漏らした。
岡田は背中に踏みつけたまま右足を退かさなかったため、背部を圧迫された羽美は呻き声しか発せなかったのだ。
岡田は苦悶の表情を浮かべる羽美に凄んで見せる。
「現生徒会全員が手中に収まった今、残る標的はあの沖縄野郎だ。あいつこそぶちのめせば俺の復讐は終了する」
沖縄野郎という台詞を聞いて、すぐに脳裏に浮かぶ顔は武琉しかいなかった。
まさに武琉は沖縄から転校してきたからだ。
だが腑に落ちない点もある。
なぜ、ここで武琉の名前が出てくるのだ。
武琉は転校してきたばかりで学園との接点は薄い。
〈ギャング〉に恨みを買う謂れはおろか、生徒会の活動も満足に行っていないのに。
ましてや復讐とは……
疑問と苦痛に悩まされる羽美。
色々と分からないことが立て続けに起こる中、とにかく今は何とかして現状を打破しようと頭を働かせた。
先ほどから女の直感が告げている。
このままでは取り返しのならない事態に陥ると。
まさにそう思った直後であった。
「おい、廊下に誰かいないか?」
ふと、そんな声が聞こえた。声を発した持ち主は〈ギャング〉の一人らしい。
「は? 誰もいるわけねえだろ。こんな時間に旧校舎へくる人間なんて先公でも――」
と、もう1人の男が真っ向から否定したときである。
教室内にいた全員が魂を吸い取られたように唖然となった。
全員の視線が薄暗い廊下に向けられたからだ。
羽美も思わず閉口した。
教室と廊下を隔てている壁の窓ガラスは半分以上割れていた。
そのため廊下に人がいると判断するには少々分かり難い面がある。
ましてやここは数十年も使われてない旧校舎なのだ。
とっくに夜の帳が下りている今の時間帯に誰がやってくるというのだろう。
しかし――。
「グッドイブニング。学園のスモールフライたち」
確かに廊下から教室内を覗く人間の顔があった。
しかも1つではなく2つである。
「て、てめえらは!」
教室内にいた〈ギャング〉たちは誰もが驚愕した。
二階堂晴矢。
堀田花蓮。
〈ギャング〉よりも危険な2人組みの登場である。
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