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第1話 南の島からやってきた転校生
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「ハジメティヤーサイ! ワンネーウチナーカラチャービタン。名護武琉ヤイビーン。ユタシクウニゲーサビラ」
教壇に立っていた少年が満面の笑みで挨拶をした直後、教室内にいた生徒たち全員が唖然とした。
それは教壇の横に控えていた担任――柴崎稔も同じであった。
「あの、名護君。申しわけないけど皆が分かるように喋ってくれないかな?」
今年で32歳になる古典担当教師の柴崎は、乾いた笑みを浮かべながら黒板の前に佇んでいる少年に言う。
「あ、やっぱり今のはまずかったですかね? ヤマトの転校生は最初のインパクトが肝心だと教わったもので」
一方、柴崎に注意された少年はこめかみを掻きながら気まずそうに苦笑する。
身長170センチほどで体重は60キロほどだろうか。
短めにカットした髪に細く尖ったシャープな顎。
鼻筋はすっきりと伸び、見ようによっては美男子に見えなくもない。
ただ肌の色は南海の荒波で育った猟師を想起させる赤銅色であり、また着用していた純白のブレザーとチェック柄の黒ズボンが少年の印象を曖昧なものにさせていた。
黙っていればよい男、しかし口を開けば快活奔放な野生児。
それが季節外れの転校生に抱いたクラス全員の共通な評価だった。
そして全員の注目を一心に浴びた少年――名護武琉は颯爽と振り返り、手にしたチョークで自分の名前を大きく板書する。
「苗字はウチナーの中でも北のほうにある名護市の名護。武琉の武は武術の武で琉は琉球の琉と覚えればいいさぁ」
真夏の太陽を思わせる快活な笑みとともに、武琉は縦に握った拳から親指を一本だけ突き立てた見せた。
よろしく、という意味らしい。
(はあ~、憂鬱だな)
そんな己の存在を大々的にアピールする転校生を睥睨しつつ、最前列であり一番窓際の席に座っていた鷺乃宮羽美は机に頬杖をつきながら溜息を漏らした。
名護武琉。
苗字も珍しければ名前も珍しい。
だが、それよりも珍しいのは彼の口から飛び出る方言であった。
はっきり言って完全に内容が分からないのだ。
聞きようによっては完全に外国の言葉に聞こえる。
やがて羽美の思考を読み取ったのかは不明だが、武琉は郷里の方言ではなく全員が理解できる標準語で再度自己紹介を始めた。
「では改めてもう一度自己紹介します。皆さん始めまして、沖縄からきた名護武琉です。これからどうぞよろしく」
次の瞬間、教室全体から「おお~」という感嘆の声が上がった。
時期外れの転校生というだけでも物珍しいのに、その相手が外国語と変わらない特殊な方言を操ると分かれば興味が沸かないはずがない。
だからこそ武琉が標準語も操れると分かった途端、生徒たちは武琉に対して矢継ぎ早に質問の矢を飛ばしていった。
「待った待った。名護君に聞きたいことは山ほどあるだろうが、このままではホームルームが始まるまでに終わらないだろ。個人的な質問は休み時間にしてくれ」
そう言うと柴崎は、盛り上がりを見せる他の生徒たちと別に一人だけ沈黙を保っていた生徒に顔を向けた。
「鷺乃宮君。鷺乃宮羽美君」
担任に名前をフルネームで呼ばれた羽美は、面倒臭そうに柴崎に顔を向ける。
「何でしょうか?」
「うん……実は彼の席を君の隣にしようと思うんだがどうかな?」
「は? 何でですか? 余ってる席は他にもあるでしょう」
羽美はぐるりと教室内を見回した。
全25人で構成されているはずの二年B組であったが、実際には虫食い穴のように空白の席が幾つも目立っていた。
これは授業をサボっている生徒とは別に、病気のために長期療養している生徒や問題を起こして停学中の生徒たちがいるためだ。
そして、その空白の一つは羽美の右隣の席にもあった。
「馬鹿な喧嘩沙汰を起こして停学になった高良君はいざ知らず、長期療養中の前島さんや俺は修行のために北海道で野生の熊と戦ってくると授業をボイコットしている仲邑君の席ならば使っても問題はないでしょう? なぜ、わざわざ私の隣に彼を据えるんですか?」
柴崎は少し困ったように鼻先を掻いた。
「いやね、やっぱり彼も転校してきたばかりで何かと不安だと思うんだよ。しかも彼の身元引受人は理事長――君のお祖母さんである朱音さんだというじゃないか。ならば君の隣に据えるのが妥当だと思ったんだ。それに君は副生徒会長という立場でもある。そういうわけで快く承諾してくれるかな?」
妙に歯切れの悪い声で喋る柴崎に羽美は苛ついた。
いくら自分が理事長の孫とはいえもう少し一生徒として接して欲しい。
などと思った羽美だったが、ここでそんなことを言っても始まらない。
羽美は小動物のように目を左右に泳がせている柴崎に頷いて見せた。
「分かりました。先生がそう仰るのならばどうぞ好きになさってください」
諦めた表情を浮かべた羽美に対して、柴崎は霧が晴れたように顔をほころばせた。
「そうか。君がそう言ってくれると嬉しいよ。では名護君、君は今日から鷺乃宮君の隣になってもらう。彼女はね――」
柴崎は簡単な羽美のプロフィールを紹介するつもりだったのだろう。
が、そんな柴崎の考えを無視して武琉は首を左右に振る。
「教えて貰わなくても知ってるさぁ。羽美は俺のヨミだからな」
担任の柴崎を筆頭に生徒たちの頭上には「?」マークが浮かんだ。
ところが羽美だけは違う。
血相を変えて席から立ち上がり、満面の笑みを浮かべている武琉に「絶対にその言葉の意味を言うな!」と無言の圧力を与えた。
それでも当の本人である武琉は羽美の圧力などどこ吹く風だ。
そうこうしている間に、1人の女子生徒が武琉に「ヨミ」という言葉の意味を尋ねる。
羽美はその質問に答えさせまいとしたものの、残念なことにその努力は報われなかった。
武琉は羽美を指差しながら声高々に答える。
「ヤマトグチ――ここ内地の言葉だと羽美は〝俺の嫁〟という意味になるさぁ」
突如、教室全体が割れんばかりの嬌声に包まれた。
女子生徒たちは有名人を間近で見たような黄色い声を上げ、男子生徒はどういうことだといわんばかりに身体を震わせた。
鷺乃宮羽美は、名護武琉の嫁?
そんなフレーズが二年B組に在籍する生徒たちの脳裏にインプットされたとき、渦中の人物の1人である羽美はすでに窓際の席から移動していた。
武琉の元へ疾風の如き速度で走る。
そして――。
「誰があんたなんかの嫁になるもんですか!」
羽美は渾身の横蹴りを武琉の胴体目掛けて蹴り放った。
踏み込み、腰の捻転、体重の乗せ具合が見事に合致した蹴りが胴体に突き刺さると、武琉の身体はくの字に折れ曲がり、正面入り口の扉もろとも廊下まで吹っ飛んでいった。
「先生!」
武琉を文字通り一蹴した羽美は、怒声とともに殺意を込めた眼差しで柴崎を見た。
「な、な、な、な、何でしょう?」
「先ほどの言葉は訂正させていただきます。彼の席は私の右隣以外にしてください。よろしいですね?」
柴崎は壊れた人形のように何度も首を縦に振った。
全身から殺意を放出した羽美に威圧されてしまったのだろう。
微妙に腰が引けている。
やがて計ったようにチャイムが鳴り、にわかに廊下から騒がしい声が響いてくる。
おそらく教室の扉に潰されていた武琉を目撃したに違いない。
それでも羽美は、完全に武琉を無視して自分の席に戻っていく。
季節は7月。
1週間の始まりである月曜日。
じめじめとした梅雨の時期も終わり、開け放たれた窓を通して本格的な夏を予感させる乾いた空気が室内に入ってくる今日この頃。
まさしく日本の南国である沖縄県から1人の転校生がやってきた。
名前は名護武琉。
人懐っこい柔和な顔を引っさげ、転校早々クラスメイトの女子に対して〝俺の嫁〟と言い張ったのには確固たる理由があった。
それは……。
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そして全員の注目を一心に浴びた少年――名護武琉は颯爽と振り返り、手にしたチョークで自分の名前を大きく板書する。
「苗字はウチナーの中でも北のほうにある名護市の名護。武琉の武は武術の武で琉は琉球の琉と覚えればいいさぁ」
真夏の太陽を思わせる快活な笑みとともに、武琉は縦に握った拳から親指を一本だけ突き立てた見せた。
よろしく、という意味らしい。
(はあ~、憂鬱だな)
そんな己の存在を大々的にアピールする転校生を睥睨しつつ、最前列であり一番窓際の席に座っていた鷺乃宮羽美は机に頬杖をつきながら溜息を漏らした。
名護武琉。
苗字も珍しければ名前も珍しい。
だが、それよりも珍しいのは彼の口から飛び出る方言であった。
はっきり言って完全に内容が分からないのだ。
聞きようによっては完全に外国の言葉に聞こえる。
やがて羽美の思考を読み取ったのかは不明だが、武琉は郷里の方言ではなく全員が理解できる標準語で再度自己紹介を始めた。
「では改めてもう一度自己紹介します。皆さん始めまして、沖縄からきた名護武琉です。これからどうぞよろしく」
次の瞬間、教室全体から「おお~」という感嘆の声が上がった。
時期外れの転校生というだけでも物珍しいのに、その相手が外国語と変わらない特殊な方言を操ると分かれば興味が沸かないはずがない。
だからこそ武琉が標準語も操れると分かった途端、生徒たちは武琉に対して矢継ぎ早に質問の矢を飛ばしていった。
「待った待った。名護君に聞きたいことは山ほどあるだろうが、このままではホームルームが始まるまでに終わらないだろ。個人的な質問は休み時間にしてくれ」
そう言うと柴崎は、盛り上がりを見せる他の生徒たちと別に一人だけ沈黙を保っていた生徒に顔を向けた。
「鷺乃宮君。鷺乃宮羽美君」
担任に名前をフルネームで呼ばれた羽美は、面倒臭そうに柴崎に顔を向ける。
「何でしょうか?」
「うん……実は彼の席を君の隣にしようと思うんだがどうかな?」
「は? 何でですか? 余ってる席は他にもあるでしょう」
羽美はぐるりと教室内を見回した。
全25人で構成されているはずの二年B組であったが、実際には虫食い穴のように空白の席が幾つも目立っていた。
これは授業をサボっている生徒とは別に、病気のために長期療養している生徒や問題を起こして停学中の生徒たちがいるためだ。
そして、その空白の一つは羽美の右隣の席にもあった。
「馬鹿な喧嘩沙汰を起こして停学になった高良君はいざ知らず、長期療養中の前島さんや俺は修行のために北海道で野生の熊と戦ってくると授業をボイコットしている仲邑君の席ならば使っても問題はないでしょう? なぜ、わざわざ私の隣に彼を据えるんですか?」
柴崎は少し困ったように鼻先を掻いた。
「いやね、やっぱり彼も転校してきたばかりで何かと不安だと思うんだよ。しかも彼の身元引受人は理事長――君のお祖母さんである朱音さんだというじゃないか。ならば君の隣に据えるのが妥当だと思ったんだ。それに君は副生徒会長という立場でもある。そういうわけで快く承諾してくれるかな?」
妙に歯切れの悪い声で喋る柴崎に羽美は苛ついた。
いくら自分が理事長の孫とはいえもう少し一生徒として接して欲しい。
などと思った羽美だったが、ここでそんなことを言っても始まらない。
羽美は小動物のように目を左右に泳がせている柴崎に頷いて見せた。
「分かりました。先生がそう仰るのならばどうぞ好きになさってください」
諦めた表情を浮かべた羽美に対して、柴崎は霧が晴れたように顔をほころばせた。
「そうか。君がそう言ってくれると嬉しいよ。では名護君、君は今日から鷺乃宮君の隣になってもらう。彼女はね――」
柴崎は簡単な羽美のプロフィールを紹介するつもりだったのだろう。
が、そんな柴崎の考えを無視して武琉は首を左右に振る。
「教えて貰わなくても知ってるさぁ。羽美は俺のヨミだからな」
担任の柴崎を筆頭に生徒たちの頭上には「?」マークが浮かんだ。
ところが羽美だけは違う。
血相を変えて席から立ち上がり、満面の笑みを浮かべている武琉に「絶対にその言葉の意味を言うな!」と無言の圧力を与えた。
それでも当の本人である武琉は羽美の圧力などどこ吹く風だ。
そうこうしている間に、1人の女子生徒が武琉に「ヨミ」という言葉の意味を尋ねる。
羽美はその質問に答えさせまいとしたものの、残念なことにその努力は報われなかった。
武琉は羽美を指差しながら声高々に答える。
「ヤマトグチ――ここ内地の言葉だと羽美は〝俺の嫁〟という意味になるさぁ」
突如、教室全体が割れんばかりの嬌声に包まれた。
女子生徒たちは有名人を間近で見たような黄色い声を上げ、男子生徒はどういうことだといわんばかりに身体を震わせた。
鷺乃宮羽美は、名護武琉の嫁?
そんなフレーズが二年B組に在籍する生徒たちの脳裏にインプットされたとき、渦中の人物の1人である羽美はすでに窓際の席から移動していた。
武琉の元へ疾風の如き速度で走る。
そして――。
「誰があんたなんかの嫁になるもんですか!」
羽美は渾身の横蹴りを武琉の胴体目掛けて蹴り放った。
踏み込み、腰の捻転、体重の乗せ具合が見事に合致した蹴りが胴体に突き刺さると、武琉の身体はくの字に折れ曲がり、正面入り口の扉もろとも廊下まで吹っ飛んでいった。
「先生!」
武琉を文字通り一蹴した羽美は、怒声とともに殺意を込めた眼差しで柴崎を見た。
「な、な、な、な、何でしょう?」
「先ほどの言葉は訂正させていただきます。彼の席は私の右隣以外にしてください。よろしいですね?」
柴崎は壊れた人形のように何度も首を縦に振った。
全身から殺意を放出した羽美に威圧されてしまったのだろう。
微妙に腰が引けている。
やがて計ったようにチャイムが鳴り、にわかに廊下から騒がしい声が響いてくる。
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それでも羽美は、完全に武琉を無視して自分の席に戻っていく。
季節は7月。
1週間の始まりである月曜日。
じめじめとした梅雨の時期も終わり、開け放たれた窓を通して本格的な夏を予感させる乾いた空気が室内に入ってくる今日この頃。
まさしく日本の南国である沖縄県から1人の転校生がやってきた。
名前は名護武琉。
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