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第二十六話 妖魔の正体
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「へえ~、凄いな。薬屋の中は実際にこうなっているのか。普段は見れないから面白いものだ」
春花に通された部屋に入るなり、俺は好奇な目で部屋全体を見回した。
清潔感のある部屋の中央には長卓が置かれ、その上には調薬に必要な薬研やすり鉢などの道具類が並べられている。
それだけではない。
三方の壁の前に置かれた薬棚には、どこに何が入っているか一目で判別できるように、1つ1つの引き出しに薬材の名前が筆書きされていたのだ。
正直なところよく分からない名前なども多く書かれていて、どんな薬材なのか気になると言えば気になる。
だが、それよりも気になることがあった。
やがて、そのことを口にしたのはアリシアだ。
「私も龍信と同じ気持ちなんだけど……この匂いは慣れていない人間からすると少しキツイわね」
確かにそうかもしれないな。
この部屋には複雑に入り混じった、独特な匂いが充満していた。
乾果物に香辛料、煎った穀物や薬草などの匂いが鼻腔の奥を刺激してくる。
匂いの発生源は、何百とある薬棚の引き出しからだ。
アリシアが言ったように、嗅ぎ慣れていない人間からするとあまり耐えられる匂いではないだろう。
しかし、俺はこれらの匂いを嗅いでもほとんど平気だった。
いや、むしろ懐かしい感じさえ覚えたほどだ。
ふと俺は神仙界に住んでいた頃のことを思い出す。
四季折々の花が一年中あらゆる場所で咲き乱れていた神仙界では、独自の生態系を持つ人間界では珍しい植物も多く生えていた。
そのため、山中に少し入るだけでも独特な匂いが漂っていたものだ。
この部屋に充満している匂いは、そんな神仙界の匂いによく似ている。
そして神仙界には人間界にもいる動物もいたが、それとは別に仙獣と呼ばれる人間界には生息しない獣も生息していた。
そう言えば、仙獣はこんな匂いも好きだったな。
人間界にいる動物と違って何も食べなくても生きられる仙獣には、自分の好きな匂いを発している場所を見つけるとしばらく留まるという習性があった。
それこそ本当に好きな匂いの場合は、10~20年は留まっていたはずだ。
だがそれ以上を過ぎると、新たな匂いを求めて違う場所に移動するのも仙獣の習性の1つだと記憶している。
…………待てよ。
神仙界《しんせんかい》の思い出に耽っていたとき、俺はこの薬屋の敷地内にいるという例の妖魔について何となく気づいてしまった。
この薬屋の敷地内にいるのは、もしかすると妖魔ではないのかもしれない。
正直なところ、こうして敷地内に足を踏み入れても妖魔が発する妖気はまったく感じられなかった。
それはアリシアも薄々感じていたらしい。
ここには魔王と呼ばれる妖魔と闘ったときのような、全身の震えが止まらなくなるほどの圧迫感や恐怖感が全然ないのだと耳打ちしてくれた。
しかし、春花に尋ねると例の妖魔はこの敷地内に今もいると言う。
ということは、だ。
知らない人間からすれば妖魔と見分けがつかなかっただけで、この敷地内にいるというのは妖魔ではなく神仙界《しんせんかい》に生息している……。
そこまで考えたとき、春花は「とりあえず、妖魔のことについては飲みながら話そうか」と俺とアリシアにお茶を出してくれた。
やはり、口では妖魔と言っていても恐怖を感じている節がほとんどない。
俺の予想は当たっているとみて間違いないだろう。
などと判断すると、アリシアはお茶を一口すすって話を切り出した。
「それで、肝心の妖魔はどこにいるの? え~と……春花ちゃんだったっけ?」
春花の片眉がぴくりと動く。
「……あんたら年はなんぼや?」
アリシアは小首を傾げた。
「な、なんぼ? なんぼってどういうこと?」
「何や分からへんのか? 年はいくつやって訊いてるんや」
本当に聞けば聞くほど独特な言葉使いだ。
北方民族の衣服である胡服を着ていることもあり、春花の両親はこのような言葉使いをする地方の出身なのだろうか。
まあ、それはさておき。
俺とアリシアは互いに顔を見合わせると、隠すことも誤魔化すことも必要ないので素直に答えた。
「俺は18だ」
「私も18歳よ」
それを聞いた春花は「何や、同年代やないか」と言った。
「うちもあんたらと同じ18やで」
俺とアリシアは心の底から驚いた。
どう見ても春花は13、4歳ぐらいにしか見えないからだ。
「そういうわけやから、うちのことを『ちゃん』づけするのはやめてえな」
ほんで、と春花は俺に顔を向けて話を戻してくる。
「兄さんはどうして第5級の道士なのに仙丹果が採れるほど強いんや?」
続いて春花はアリシアに視線を移した。
「それに、そっちの姉さんも一体何者やねん? 異国人が流暢な華秦語を話すのはええとして、女でしかも正式な道士やなんて聞いたことがないで」
春花が不思議がるのも当然だった。
傍から見れば、俺とアリシアはかなり浮いた存在に見えるだろう。
同時に、なぜこんな2人が一緒にいるのか気になるはずだ。
今の春花がまさにそれだった。
「分かった。俺が話そう」
俺はちょうど良い時機だと察すると、どうして俺たちがここにいるのか春花にも分かるようにかいつまんで説明した。
そして――。
春花に通された部屋に入るなり、俺は好奇な目で部屋全体を見回した。
清潔感のある部屋の中央には長卓が置かれ、その上には調薬に必要な薬研やすり鉢などの道具類が並べられている。
それだけではない。
三方の壁の前に置かれた薬棚には、どこに何が入っているか一目で判別できるように、1つ1つの引き出しに薬材の名前が筆書きされていたのだ。
正直なところよく分からない名前なども多く書かれていて、どんな薬材なのか気になると言えば気になる。
だが、それよりも気になることがあった。
やがて、そのことを口にしたのはアリシアだ。
「私も龍信と同じ気持ちなんだけど……この匂いは慣れていない人間からすると少しキツイわね」
確かにそうかもしれないな。
この部屋には複雑に入り混じった、独特な匂いが充満していた。
乾果物に香辛料、煎った穀物や薬草などの匂いが鼻腔の奥を刺激してくる。
匂いの発生源は、何百とある薬棚の引き出しからだ。
アリシアが言ったように、嗅ぎ慣れていない人間からするとあまり耐えられる匂いではないだろう。
しかし、俺はこれらの匂いを嗅いでもほとんど平気だった。
いや、むしろ懐かしい感じさえ覚えたほどだ。
ふと俺は神仙界に住んでいた頃のことを思い出す。
四季折々の花が一年中あらゆる場所で咲き乱れていた神仙界では、独自の生態系を持つ人間界では珍しい植物も多く生えていた。
そのため、山中に少し入るだけでも独特な匂いが漂っていたものだ。
この部屋に充満している匂いは、そんな神仙界の匂いによく似ている。
そして神仙界には人間界にもいる動物もいたが、それとは別に仙獣と呼ばれる人間界には生息しない獣も生息していた。
そう言えば、仙獣はこんな匂いも好きだったな。
人間界にいる動物と違って何も食べなくても生きられる仙獣には、自分の好きな匂いを発している場所を見つけるとしばらく留まるという習性があった。
それこそ本当に好きな匂いの場合は、10~20年は留まっていたはずだ。
だがそれ以上を過ぎると、新たな匂いを求めて違う場所に移動するのも仙獣の習性の1つだと記憶している。
…………待てよ。
神仙界《しんせんかい》の思い出に耽っていたとき、俺はこの薬屋の敷地内にいるという例の妖魔について何となく気づいてしまった。
この薬屋の敷地内にいるのは、もしかすると妖魔ではないのかもしれない。
正直なところ、こうして敷地内に足を踏み入れても妖魔が発する妖気はまったく感じられなかった。
それはアリシアも薄々感じていたらしい。
ここには魔王と呼ばれる妖魔と闘ったときのような、全身の震えが止まらなくなるほどの圧迫感や恐怖感が全然ないのだと耳打ちしてくれた。
しかし、春花に尋ねると例の妖魔はこの敷地内に今もいると言う。
ということは、だ。
知らない人間からすれば妖魔と見分けがつかなかっただけで、この敷地内にいるというのは妖魔ではなく神仙界《しんせんかい》に生息している……。
そこまで考えたとき、春花は「とりあえず、妖魔のことについては飲みながら話そうか」と俺とアリシアにお茶を出してくれた。
やはり、口では妖魔と言っていても恐怖を感じている節がほとんどない。
俺の予想は当たっているとみて間違いないだろう。
などと判断すると、アリシアはお茶を一口すすって話を切り出した。
「それで、肝心の妖魔はどこにいるの? え~と……春花ちゃんだったっけ?」
春花の片眉がぴくりと動く。
「……あんたら年はなんぼや?」
アリシアは小首を傾げた。
「な、なんぼ? なんぼってどういうこと?」
「何や分からへんのか? 年はいくつやって訊いてるんや」
本当に聞けば聞くほど独特な言葉使いだ。
北方民族の衣服である胡服を着ていることもあり、春花の両親はこのような言葉使いをする地方の出身なのだろうか。
まあ、それはさておき。
俺とアリシアは互いに顔を見合わせると、隠すことも誤魔化すことも必要ないので素直に答えた。
「俺は18だ」
「私も18歳よ」
それを聞いた春花は「何や、同年代やないか」と言った。
「うちもあんたらと同じ18やで」
俺とアリシアは心の底から驚いた。
どう見ても春花は13、4歳ぐらいにしか見えないからだ。
「そういうわけやから、うちのことを『ちゃん』づけするのはやめてえな」
ほんで、と春花は俺に顔を向けて話を戻してくる。
「兄さんはどうして第5級の道士なのに仙丹果が採れるほど強いんや?」
続いて春花はアリシアに視線を移した。
「それに、そっちの姉さんも一体何者やねん? 異国人が流暢な華秦語を話すのはええとして、女でしかも正式な道士やなんて聞いたことがないで」
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傍から見れば、俺とアリシアはかなり浮いた存在に見えるだろう。
同時に、なぜこんな2人が一緒にいるのか気になるはずだ。
今の春花がまさにそれだった。
「分かった。俺が話そう」
俺はちょうど良い時機だと察すると、どうして俺たちがここにいるのか春花にも分かるようにかいつまんで説明した。
そして――。
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