7 / 67
第七話 妖魔討伐
しおりを挟む
この試験はアリシアさんには少し荷が重いかもな。
孫龍信こと俺は、妖魔と闘っている金毛剣女――アリシアさんを遠巻きに見つめながら思った。
「ハアアアアアアア――ッ!」
そんなアリシアさんは腹の底から気合を発すると、妖魔に向かって大上段に構えた長剣を振り下ろす。
だが、妖魔にはアリシアさんの斬撃は当たらない。
妖魔はアリシアさんの斬撃を余裕で躱し、そのまま筋骨隆々とした肉体を最大限に活用した反撃を繰り出してくる。
左右の手を交互に振り回すような挟撃だ。
「くッ!」
アリシアさんは何とか紙一重で妖魔の挟撃を避け、一定の距離を保つために妖魔の脇をかいくぐって地面を転がった。
直後、アリシアさんは立ち上がって妖魔と対峙する。
先ほどからこんな攻防がずっと続いていた。
アリシアさんが攻撃して妖魔が避ける。
続いて妖魔が反撃してアリシアさんも避けるのだ。
一見すると互角のような闘いに見えるが、俺の目からはとても互角とは言い切れなかった。
九分九厘、アリシアさんのほうが不利だ。
相手が見た目よりもすばしっこいこともあったが、それ以上にこのまま闘いが長引けばアリシアさんの体力が持たない。
さて、どうなるかな。
俺は両腕を緩く組んでアリシアさんを見守る。
現在、俺たちは西京の街から離れた小さな村に来ていた。
もちろん、アリシアさんの道士の資格を得る条件の妖魔討伐をするためだ。
そして西京の街から道中で1泊だけ野宿してこの村に来た俺たちは、早速とばかりに最近になって村に出没するという妖魔を討伐するために動いた。
その妖魔が出没するというのが、村の外れにあった墓地であるこの場所だ。
妖魔の名前は野狗子。
野狗とは野良犬のことで、アリシアさんと闘っている野狗子は犬の顔と額から1本の角を生やし、7尺(約2メートル強)の人型の肉体を持った妖魔だった。
そんな野狗子は、死んだ人間の脳みそが好物だと言われている。
なので死体が多くある戦場や墓場などに現れると言われていたが、中には生きた人間の脳みそも好物な野狗子もいるという。
アリシアさんと闘っている野狗子がそうだ。
生きた人間も容赦なく襲うため、道家行に討伐依頼があったのだろう。
それにしても、と俺は思う。
前もって聞いてはいたが、道士の資格試験で討伐するような妖魔ではない。
もしかすると、最悪な場合もあり得るかもしれなかった。
すなわち、アリシアさんが逆に野狗子に殺されることだ。
まあ、そんなことは絶対にさせないんだが……。
本来、目付け役の道士の仕事は査定だ。
資格試験を受けた道士志望者が、たった1人でも凶悪な妖魔に立ち向かえる勇気と気概があるかどうか。
それを見極めるために目付け役としての仕事がある。
だが、目付け役には密かに道士志望者の援護をするという仕事もあった。
けれども、目付け役の道士が妖魔と闘ったりするのは駄目だ。
あくまでも道士志望者が妖魔と闘わないといけないため、目付け役は効率的な闘い方や妖魔の弱点を教えるなどして援護するのみ。
そんなことを考えていると、野狗子《やくし》は両目を血走らせて高らかに吼えた。
「ガアアアアアアアアアアアアア――――ッ!」
野狗子《やくし》は苛立ちが頂点に達したのか、肩で必死に息をしていたアリシアさんに怒涛のような猛撃を繰り出す。
先ほどよりも数倍は力強く速い攻撃だ。
俺は思わず身を乗り出した。
やられる!
と、俺がアリシアさんの最悪な状況を脳裏に思い浮かべたときだ。
アリシアさんはカッと目を見開くと、長剣を瞬時に逆手に持ち替えて全身を脱力させた。
攻撃よりも防御に専念する作戦に切り替えたのだろう。
アリシアさんは強風に逆らわない柳の葉のように身体を柔らかく使い、野狗子《やくし》の連打必倒の攻撃を次々と躱していく。
だが、全部の連撃を綺麗に躱せたわけではない。
何か所かは肉体に掠っていたものの、アリシアさんは顔色をまったく変えずに野狗子《やくし》の攻撃を躱すことに全神経を集中させている。
このとき、俺は奇妙な違和感を覚えた。
違和感の原因はアリシアさんだ。
アリシアさんが異国の剣士なのは見てよく分かる。
我流ではなく、きちんとした師の元で修練を積んできたのだろう。
だからこそ、俺はアリシアさんに違和感を覚えたのだ。
1つ1つの技には剣の理に基づいた色が見えるのに、肉体のほうがその技にまったく追いついていない。
普通ならばそんなことは絶対になかった。
武術というのは白打(拳術)や器械(武器術)に関係なく、技を身に付ける過程で自然と肉体も鍛えられるものだ。
しかし、アリシアさんは技が身に付いているのに肉体が鍛えられていない。
いや、鍛えられていないというのは語弊があった。
どちらかと言えば、肉体に何かしらの制限が掛かっているような感じがする。
なぜなら、今のアリシアさんが使っている体術は回避するだけの技ではない。
西方ではどんな名前なのかは知らないが、あの技は華秦国に伝わる体術の1つで柳葉と呼ばれている。
そして本来は相手の攻撃を躱してすぐに交差撃に転じる技なのだが、アリシアさんは交差撃に転じず回避行動に専念していた。
間違いなく、交差撃に移れないほど身体を使えないのだ。
だとすると、このままではアリシアさんの身が危うい。
とはいえ、直接手を出すのは目付け役としてご法度である。
だったら、手を出さずに手を出すしかないな。
などと俺がその時期を慎重に見計らっていたときであった。
バアンッ!
何かが破裂するような衝撃音が周囲に響き渡った。
野狗子《やくし》の一打がアリシアさんに的中したのだ。
アリシアさんは小さな悲鳴を上げて大きく吹き飛ばされる。
何度も地面を転がった末に、アリシアさんの身体はようやく止まった。
「くっ……まだまだよ」
致命傷だけは必死に避けたのだろう。
アリシアさんは長剣を杖代わりに立ち上がると、身体を小刻みに震わせながら長剣を中段に構える。
一方、余力が残っている野狗子《やくし》はニヤリと笑った。
弱った獲物を前にした、獰猛な野獣の笑みだ。
野狗子《やくし》は確信したに違いない。
次の一撃で目の前の獲物を仕留められる、と。
そして、それはアリシアさんにも分かったのだろう。
ゆえにアリシアさんは余計な小細工を捨て、捨て身の一撃に賭けることにしたらしい。
全身から凄まじい闘気を放出させたアリシアさんは、中段から下段に剣を構え直して疾駆する。
すると野狗子《やくし》も地面を蹴ってアリシアさんに襲い掛かっていく。
ここだ、と俺は先ほどから窺っていた時機を得た。
手を出さずに手を出す時機はここしかない。
俺は瞬時に下丹田に力と意識を集中させ、練り上げた精気を全身へと一気に巡らせる。
精気。
それは人間の体内に循環している不可視の生命力のことだ。
けれども、道士はこの不可視の精気を力として表に発揮できる。
直後、俺は野狗子《やくし》に向かって「動くな!」と精気の念を飛ばした。
ビクンッ!
次の瞬間、野狗子《やくし》は一瞬だけ金縛りにあったように動きを止める。
俺の精気の念を不意に受けて、あまりにも激しく動揺したのだ。
「セヤアアアアアアアアア――――ッ!」
その一瞬をアリシアさんは見逃さなかった。
アリシアさんは両手で握っていた長剣を、野狗子《やくし》の上半身目掛けて斜め下から斬り上げた。
それだけではない。
アリシアさんはすぐにぎこちない動きで脇腹も斬り裂き、野狗子《やくし》の反撃を食らわない場所まで走り抜ける。
そして――。
野狗子《やくし》は鼓膜を刺激するほど絶叫すると、傷口から大量の鮮血と臓腑をまき散らせながら地面に崩れた。
やがて闘いに何とか勝利したアリシアさんは、武人らしく残心を解かずに野狗子《やくし》を見据える。
そんなアリシアさんを見つめながら俺は思った。
今のままでは道士としてこの国で生きていくのは無理だ、と。
孫龍信こと俺は、妖魔と闘っている金毛剣女――アリシアさんを遠巻きに見つめながら思った。
「ハアアアアアアア――ッ!」
そんなアリシアさんは腹の底から気合を発すると、妖魔に向かって大上段に構えた長剣を振り下ろす。
だが、妖魔にはアリシアさんの斬撃は当たらない。
妖魔はアリシアさんの斬撃を余裕で躱し、そのまま筋骨隆々とした肉体を最大限に活用した反撃を繰り出してくる。
左右の手を交互に振り回すような挟撃だ。
「くッ!」
アリシアさんは何とか紙一重で妖魔の挟撃を避け、一定の距離を保つために妖魔の脇をかいくぐって地面を転がった。
直後、アリシアさんは立ち上がって妖魔と対峙する。
先ほどからこんな攻防がずっと続いていた。
アリシアさんが攻撃して妖魔が避ける。
続いて妖魔が反撃してアリシアさんも避けるのだ。
一見すると互角のような闘いに見えるが、俺の目からはとても互角とは言い切れなかった。
九分九厘、アリシアさんのほうが不利だ。
相手が見た目よりもすばしっこいこともあったが、それ以上にこのまま闘いが長引けばアリシアさんの体力が持たない。
さて、どうなるかな。
俺は両腕を緩く組んでアリシアさんを見守る。
現在、俺たちは西京の街から離れた小さな村に来ていた。
もちろん、アリシアさんの道士の資格を得る条件の妖魔討伐をするためだ。
そして西京の街から道中で1泊だけ野宿してこの村に来た俺たちは、早速とばかりに最近になって村に出没するという妖魔を討伐するために動いた。
その妖魔が出没するというのが、村の外れにあった墓地であるこの場所だ。
妖魔の名前は野狗子。
野狗とは野良犬のことで、アリシアさんと闘っている野狗子は犬の顔と額から1本の角を生やし、7尺(約2メートル強)の人型の肉体を持った妖魔だった。
そんな野狗子は、死んだ人間の脳みそが好物だと言われている。
なので死体が多くある戦場や墓場などに現れると言われていたが、中には生きた人間の脳みそも好物な野狗子もいるという。
アリシアさんと闘っている野狗子がそうだ。
生きた人間も容赦なく襲うため、道家行に討伐依頼があったのだろう。
それにしても、と俺は思う。
前もって聞いてはいたが、道士の資格試験で討伐するような妖魔ではない。
もしかすると、最悪な場合もあり得るかもしれなかった。
すなわち、アリシアさんが逆に野狗子に殺されることだ。
まあ、そんなことは絶対にさせないんだが……。
本来、目付け役の道士の仕事は査定だ。
資格試験を受けた道士志望者が、たった1人でも凶悪な妖魔に立ち向かえる勇気と気概があるかどうか。
それを見極めるために目付け役としての仕事がある。
だが、目付け役には密かに道士志望者の援護をするという仕事もあった。
けれども、目付け役の道士が妖魔と闘ったりするのは駄目だ。
あくまでも道士志望者が妖魔と闘わないといけないため、目付け役は効率的な闘い方や妖魔の弱点を教えるなどして援護するのみ。
そんなことを考えていると、野狗子《やくし》は両目を血走らせて高らかに吼えた。
「ガアアアアアアアアアアアアア――――ッ!」
野狗子《やくし》は苛立ちが頂点に達したのか、肩で必死に息をしていたアリシアさんに怒涛のような猛撃を繰り出す。
先ほどよりも数倍は力強く速い攻撃だ。
俺は思わず身を乗り出した。
やられる!
と、俺がアリシアさんの最悪な状況を脳裏に思い浮かべたときだ。
アリシアさんはカッと目を見開くと、長剣を瞬時に逆手に持ち替えて全身を脱力させた。
攻撃よりも防御に専念する作戦に切り替えたのだろう。
アリシアさんは強風に逆らわない柳の葉のように身体を柔らかく使い、野狗子《やくし》の連打必倒の攻撃を次々と躱していく。
だが、全部の連撃を綺麗に躱せたわけではない。
何か所かは肉体に掠っていたものの、アリシアさんは顔色をまったく変えずに野狗子《やくし》の攻撃を躱すことに全神経を集中させている。
このとき、俺は奇妙な違和感を覚えた。
違和感の原因はアリシアさんだ。
アリシアさんが異国の剣士なのは見てよく分かる。
我流ではなく、きちんとした師の元で修練を積んできたのだろう。
だからこそ、俺はアリシアさんに違和感を覚えたのだ。
1つ1つの技には剣の理に基づいた色が見えるのに、肉体のほうがその技にまったく追いついていない。
普通ならばそんなことは絶対になかった。
武術というのは白打(拳術)や器械(武器術)に関係なく、技を身に付ける過程で自然と肉体も鍛えられるものだ。
しかし、アリシアさんは技が身に付いているのに肉体が鍛えられていない。
いや、鍛えられていないというのは語弊があった。
どちらかと言えば、肉体に何かしらの制限が掛かっているような感じがする。
なぜなら、今のアリシアさんが使っている体術は回避するだけの技ではない。
西方ではどんな名前なのかは知らないが、あの技は華秦国に伝わる体術の1つで柳葉と呼ばれている。
そして本来は相手の攻撃を躱してすぐに交差撃に転じる技なのだが、アリシアさんは交差撃に転じず回避行動に専念していた。
間違いなく、交差撃に移れないほど身体を使えないのだ。
だとすると、このままではアリシアさんの身が危うい。
とはいえ、直接手を出すのは目付け役としてご法度である。
だったら、手を出さずに手を出すしかないな。
などと俺がその時期を慎重に見計らっていたときであった。
バアンッ!
何かが破裂するような衝撃音が周囲に響き渡った。
野狗子《やくし》の一打がアリシアさんに的中したのだ。
アリシアさんは小さな悲鳴を上げて大きく吹き飛ばされる。
何度も地面を転がった末に、アリシアさんの身体はようやく止まった。
「くっ……まだまだよ」
致命傷だけは必死に避けたのだろう。
アリシアさんは長剣を杖代わりに立ち上がると、身体を小刻みに震わせながら長剣を中段に構える。
一方、余力が残っている野狗子《やくし》はニヤリと笑った。
弱った獲物を前にした、獰猛な野獣の笑みだ。
野狗子《やくし》は確信したに違いない。
次の一撃で目の前の獲物を仕留められる、と。
そして、それはアリシアさんにも分かったのだろう。
ゆえにアリシアさんは余計な小細工を捨て、捨て身の一撃に賭けることにしたらしい。
全身から凄まじい闘気を放出させたアリシアさんは、中段から下段に剣を構え直して疾駆する。
すると野狗子《やくし》も地面を蹴ってアリシアさんに襲い掛かっていく。
ここだ、と俺は先ほどから窺っていた時機を得た。
手を出さずに手を出す時機はここしかない。
俺は瞬時に下丹田に力と意識を集中させ、練り上げた精気を全身へと一気に巡らせる。
精気。
それは人間の体内に循環している不可視の生命力のことだ。
けれども、道士はこの不可視の精気を力として表に発揮できる。
直後、俺は野狗子《やくし》に向かって「動くな!」と精気の念を飛ばした。
ビクンッ!
次の瞬間、野狗子《やくし》は一瞬だけ金縛りにあったように動きを止める。
俺の精気の念を不意に受けて、あまりにも激しく動揺したのだ。
「セヤアアアアアアアアア――――ッ!」
その一瞬をアリシアさんは見逃さなかった。
アリシアさんは両手で握っていた長剣を、野狗子《やくし》の上半身目掛けて斜め下から斬り上げた。
それだけではない。
アリシアさんはすぐにぎこちない動きで脇腹も斬り裂き、野狗子《やくし》の反撃を食らわない場所まで走り抜ける。
そして――。
野狗子《やくし》は鼓膜を刺激するほど絶叫すると、傷口から大量の鮮血と臓腑をまき散らせながら地面に崩れた。
やがて闘いに何とか勝利したアリシアさんは、武人らしく残心を解かずに野狗子《やくし》を見据える。
そんなアリシアさんを見つめながら俺は思った。
今のままでは道士としてこの国で生きていくのは無理だ、と。
0
お気に入りに追加
299
あなたにおすすめの小説

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる