君が好き。

hina

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いつもより早く店に着いた僕は同じく早く来ていたロビンに昨日あったことを話した。

「大変だったね。でも何事もなく……ないけど、無事で良かった。これを機にファイス様との仲が進展するといいね!」
「あー……あはは……」

カイルと仲良くなるのも、僕は遠慮……したかったはずなんだけど、なんだけど……。

「僕、カイルがいないと不安なんだ」
「昨日の事もあるもんね。大丈夫、店にいる時は僕もだけど、ファイス様の代わりにみんなでレイリアのこと守るから!」
「うん、ありがとう。僕ももっと鍛えなきゃな」
「鍛えてもファイス様みたいにはなれないかもなあ」
「それは……確かに」

ロビンと笑い合って、開店の準備を始めた。




「げ……」
店のドアが開き入ってきた男を見た僕は、慌ててお客さんからは見えない厨房近くの通路へ逃げ込んだ。

「ろ、ロビン!昨日の男が今入口に!」
「え、本当!? 取り敢えずレイリアはこっちにいて! ひとまず空いてる個室に案内して接客は僕が担当するから!」
「うん。ごめん」
「レイリアが悪いわけじゃないから謝らないの」
「ありがとう」
「行ってくる」
「ロビンも気をつけて」
「任せといて」

頼もしいロビンの背中を見送りながら、僕は長く息を吐いた。
この店に来たのは、偶然……なわけないよなあ。
僕を目当てに来たとみて間違いないだろう。
今は何とかなりそうだけど、カイルみたいに店の前で待たれたら……?
カイルの時みたく、うまくあしらえる自信がない。
それにあの男はカイルと違って僕に強引に触れてきて、人の話も全く聞かなかった。
力で敵わないのが凄く悔しかったんだ。

しばらくすると、ロビンが戻ってきた。

「あの人、ずっときょろきょろしてたけど、僕には普通だったよ。でもレイリアはくれぐれも気を抜かないようにね。あの人が帰るまでは要注意だよ!」
「うん。皆にはご迷惑をお掛けします」
「きっちりフォローするからな!」
「俺達は味方だからな」
「そうそう。心配いらないよ」
「う、有難う……」

僕の様子を心配してこちらに集まってきた皆の心強い励ましの言葉に、僕の胸はいっぱいになった。
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