19 / 23
19
しおりを挟む
◇
「じゃあ、魔法を使ってみよう。簡単な回復魔法をかけてもらおうかな」
早速次の日。今度は魔法の実践だ。
ついに俺も魔法を使ってみることが出来る。うまくいくかな、少し不安。
グレンが風魔術で左手の甲に傷を作った。
「え、痛い痛い」
当事者でもないのに、俺は代弁しながら慌てる。
「大丈夫。集中して、体に流れる魔力を感じて」
「魔力を感じる……?」
「血と共に巡ってるよ。脈を辿ってみるといいかな。それを手のひらに集めるイメージで」
「はい。やってみます」
グレンに言われるまま、血が流れる中に力がないか探ってみる。
巡る血の熱い部分が手に集まるイメージで集中してみたら、手に白い光が灯った。
「治ってと念じてみて」
「治って……」
目を閉じて、グレンの傷を光で包み込んだ。
「うん。よく出来ました」
「え、治ってる?」
「治ってるよ。ありがと、スバル」
「で、出来た! 俺にも使えた!」
「初めてにしては上出来だね」
グレンに頭を撫でられながらも、ガッツポーズをした。
「光が強かったし、魔力も豊富だし、精霊の助けも沢山ありそうだから、練習すれば魔法で深い傷でも治せるようになるかもね」
「本当ですか!? やった! 二人の役に立てる!」
「僕達の役に……? スバル、そんな事考えてたの? 抱き締めていい?」
グレンが目を見開いて、俺に手を伸ばしてきた。
イーサンは辺りの見回りに行ってるからこの場にいない。止めてくれる人がいないわけで。
俺は否を言う前に、グレンに抱きしめられてしまっていた。
「く、苦しい……離してー」
「ごめん、つい嬉しくて」
ぎゅうと抱きしめられて、力は緩んだけどまだ腕の中から開放してくれない。
「グレン、何をしている」
そんな時にタイミング悪くイーサンが戻ってくるわけで。
事情を説明したグレンと替わるようにイーサンにも抱きしめられてしまうのだった。
「じゃあ、魔法を使ってみよう。簡単な回復魔法をかけてもらおうかな」
早速次の日。今度は魔法の実践だ。
ついに俺も魔法を使ってみることが出来る。うまくいくかな、少し不安。
グレンが風魔術で左手の甲に傷を作った。
「え、痛い痛い」
当事者でもないのに、俺は代弁しながら慌てる。
「大丈夫。集中して、体に流れる魔力を感じて」
「魔力を感じる……?」
「血と共に巡ってるよ。脈を辿ってみるといいかな。それを手のひらに集めるイメージで」
「はい。やってみます」
グレンに言われるまま、血が流れる中に力がないか探ってみる。
巡る血の熱い部分が手に集まるイメージで集中してみたら、手に白い光が灯った。
「治ってと念じてみて」
「治って……」
目を閉じて、グレンの傷を光で包み込んだ。
「うん。よく出来ました」
「え、治ってる?」
「治ってるよ。ありがと、スバル」
「で、出来た! 俺にも使えた!」
「初めてにしては上出来だね」
グレンに頭を撫でられながらも、ガッツポーズをした。
「光が強かったし、魔力も豊富だし、精霊の助けも沢山ありそうだから、練習すれば魔法で深い傷でも治せるようになるかもね」
「本当ですか!? やった! 二人の役に立てる!」
「僕達の役に……? スバル、そんな事考えてたの? 抱き締めていい?」
グレンが目を見開いて、俺に手を伸ばしてきた。
イーサンは辺りの見回りに行ってるからこの場にいない。止めてくれる人がいないわけで。
俺は否を言う前に、グレンに抱きしめられてしまっていた。
「く、苦しい……離してー」
「ごめん、つい嬉しくて」
ぎゅうと抱きしめられて、力は緩んだけどまだ腕の中から開放してくれない。
「グレン、何をしている」
そんな時にタイミング悪くイーサンが戻ってくるわけで。
事情を説明したグレンと替わるようにイーサンにも抱きしめられてしまうのだった。
44
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる