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イーサンがマントを脱いで、グレンに渡す。
グレンは無限収納にマントをしまい、準備は整ったようだった。
「行くか」
「うん」
「ついて行きます」
セーフティエリアから出て、通路に出ると、両開きの扉があった。
どうやらボス部屋らしい。
「入る前に防御魔術とかいくつか魔術をかけておこう」
「はい」
グレンが魔術を発動して、三人で光の粒子を浴びる。
「これでよし。いつでもいいよ」
「じゃ、開けるぞ」
イーサンが扉を押すと、中が見えた。
「でっかいヘビ……」
「バジリスクか」
「毒耐性はさっきつけたから、遠慮なくいけるよ」
三人で部屋の中に入ると、背後で扉が閉まった。
「でも一応毒が吐けないようにしよ」
グレンが水の塊を出して、バジリスクの顔周りを包んだ。
「一気に片付ける」
イーサンが息が出来なくて苦しんでるバジリスクの身体を炎を纏わせた剣でスパスパと切り離していく。
え、これってボス戦……だよね?
またあっという間に巨大な魔物が倒される様に言葉が出ず、俺は息をのんだ。
どしんどしんを音がして、焦げ臭い匂いが部屋の中に充満し、切り離されたバジリスクの身体はダンジョンに吸い込まれていく。
最後にピンクの巨大な魔石を残し、部屋の中には何も居なくなった。
「これをギルドに持っていけば、ダンジョン制覇だ」
「わー! 二人とも凄いです! やった!」
「スバルが喜んでくれるなら、もっとダンジョン攻略してもいいかな」
「ダンジョンってそんなに生成されてるものなんですか?」
「見つかってないダンジョンもあったりするからね」
「そっかあ。でも危険なのは嫌です」
「食料の問題さえなければ、ある程度の深さでも僕達は潜れるよ」
「ダンジョンだけが危険なわけでもないしな」
「竜くらいなら倒せるんだけどね」
「群れになると二人じゃ怪しいが」
「それは言わない約束」
そう言えば、俺が転移した時に会った竜の群れはほっといても大丈夫だったんだろうか?
俺を逃してくれたけど……。
「地上への帰還魔術陣だ。スバル、帰ろう」
「あ、はい」
イーサンとグレンの手を取り、俺は地面に光る魔術陣の上に立った。
グレンは無限収納にマントをしまい、準備は整ったようだった。
「行くか」
「うん」
「ついて行きます」
セーフティエリアから出て、通路に出ると、両開きの扉があった。
どうやらボス部屋らしい。
「入る前に防御魔術とかいくつか魔術をかけておこう」
「はい」
グレンが魔術を発動して、三人で光の粒子を浴びる。
「これでよし。いつでもいいよ」
「じゃ、開けるぞ」
イーサンが扉を押すと、中が見えた。
「でっかいヘビ……」
「バジリスクか」
「毒耐性はさっきつけたから、遠慮なくいけるよ」
三人で部屋の中に入ると、背後で扉が閉まった。
「でも一応毒が吐けないようにしよ」
グレンが水の塊を出して、バジリスクの顔周りを包んだ。
「一気に片付ける」
イーサンが息が出来なくて苦しんでるバジリスクの身体を炎を纏わせた剣でスパスパと切り離していく。
え、これってボス戦……だよね?
またあっという間に巨大な魔物が倒される様に言葉が出ず、俺は息をのんだ。
どしんどしんを音がして、焦げ臭い匂いが部屋の中に充満し、切り離されたバジリスクの身体はダンジョンに吸い込まれていく。
最後にピンクの巨大な魔石を残し、部屋の中には何も居なくなった。
「これをギルドに持っていけば、ダンジョン制覇だ」
「わー! 二人とも凄いです! やった!」
「スバルが喜んでくれるなら、もっとダンジョン攻略してもいいかな」
「ダンジョンってそんなに生成されてるものなんですか?」
「見つかってないダンジョンもあったりするからね」
「そっかあ。でも危険なのは嫌です」
「食料の問題さえなければ、ある程度の深さでも僕達は潜れるよ」
「ダンジョンだけが危険なわけでもないしな」
「竜くらいなら倒せるんだけどね」
「群れになると二人じゃ怪しいが」
「それは言わない約束」
そう言えば、俺が転移した時に会った竜の群れはほっといても大丈夫だったんだろうか?
俺を逃してくれたけど……。
「地上への帰還魔術陣だ。スバル、帰ろう」
「あ、はい」
イーサンとグレンの手を取り、俺は地面に光る魔術陣の上に立った。
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