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◇
幻獣園から帰ってきたけど、転移で着いた先は僕の家ではなく泰雅の家だった。
泰雅の家は東都の都心にある大きな洋館の一軒家だ。その迫力にいつ来ても圧倒される。
「入って。少し話そう」
「でも……」
「いいから。誰もいないし」
「……お邪魔します……」
泰雅の家に入り靴を脱ぐために泰雅と繋いでいた手が離されたけど、スリッパを履いたらすぐに腕を引かれた。
僕は逃げないのに、泰雅が真顔で怖い。
二階にある泰雅の部屋に入ると、泰雅は飲み物を用意するために部屋を出ていった。
寮の部屋とは違う黒い革張りのソファーは重厚感があって、質の良いものなのが分かる。
いつものクッションはないので、膝の上で手を組みながら泰雅を待つ。
何を言われるのか想像出来なくて緊張する。
幻獣園では殆どだんまりだったのに、どういうつもりだろう。
ドキドキしていると、泰雅が戻ってきた。
「寮で淹れてるココアとは違うけど」
「十分だよ、ありがとう」
冷たいココアを受け取って、口をつける。
甘さが優しく広がって美味しかった。
「瑠衣、俺は瑠衣を愛してる」
僕のすぐ隣に腰掛け、手を取った泰雅は真剣な眼差しで僕に告げた。
「何度も聞いてる」
「愛してるから、瑠衣の心も身体も全部が欲しい」
「全部……」
「我慢してるのは、身体の方だけどな……。発散しなければ溜まるのは確かだけど、でも身体だけが欲しいわけじゃないからそこは分かってほしい」
「うん……」
「瑠衣、ちゃんと付き合おう。どうか拒まないでくれ。好きだ」
泰雅の切なげな表情が胸にくる。
「ぼ、僕も……泰雅の気持ちに応えたいとは思ってる……。だけど」
「だけど?」
「その……身体を重ねるのはまだ……怖い……」
「徐々に、順にしていこう? いやか?」
「……いや、じゃない……かな」
「ああ、瑠衣。良かった。嬉しいよ」
泰雅に抱きしめられて、僕もそっと抱きしめ返した。
もう僕も覚悟を決めなければ。
泰雅の愛情表現が激しくても、きっと僕を追い詰めるようなことはしないはず。
それに僕も泰雅に気持ちを返していきたい。
だから、泰雅と付き合うんだ。
幻獣園から帰ってきたけど、転移で着いた先は僕の家ではなく泰雅の家だった。
泰雅の家は東都の都心にある大きな洋館の一軒家だ。その迫力にいつ来ても圧倒される。
「入って。少し話そう」
「でも……」
「いいから。誰もいないし」
「……お邪魔します……」
泰雅の家に入り靴を脱ぐために泰雅と繋いでいた手が離されたけど、スリッパを履いたらすぐに腕を引かれた。
僕は逃げないのに、泰雅が真顔で怖い。
二階にある泰雅の部屋に入ると、泰雅は飲み物を用意するために部屋を出ていった。
寮の部屋とは違う黒い革張りのソファーは重厚感があって、質の良いものなのが分かる。
いつものクッションはないので、膝の上で手を組みながら泰雅を待つ。
何を言われるのか想像出来なくて緊張する。
幻獣園では殆どだんまりだったのに、どういうつもりだろう。
ドキドキしていると、泰雅が戻ってきた。
「寮で淹れてるココアとは違うけど」
「十分だよ、ありがとう」
冷たいココアを受け取って、口をつける。
甘さが優しく広がって美味しかった。
「瑠衣、俺は瑠衣を愛してる」
僕のすぐ隣に腰掛け、手を取った泰雅は真剣な眼差しで僕に告げた。
「何度も聞いてる」
「愛してるから、瑠衣の心も身体も全部が欲しい」
「全部……」
「我慢してるのは、身体の方だけどな……。発散しなければ溜まるのは確かだけど、でも身体だけが欲しいわけじゃないからそこは分かってほしい」
「うん……」
「瑠衣、ちゃんと付き合おう。どうか拒まないでくれ。好きだ」
泰雅の切なげな表情が胸にくる。
「ぼ、僕も……泰雅の気持ちに応えたいとは思ってる……。だけど」
「だけど?」
「その……身体を重ねるのはまだ……怖い……」
「徐々に、順にしていこう? いやか?」
「……いや、じゃない……かな」
「ああ、瑠衣。良かった。嬉しいよ」
泰雅に抱きしめられて、僕もそっと抱きしめ返した。
もう僕も覚悟を決めなければ。
泰雅の愛情表現が激しくても、きっと僕を追い詰めるようなことはしないはず。
それに僕も泰雅に気持ちを返していきたい。
だから、泰雅と付き合うんだ。
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