七曜学園高等部

hina

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ちなみに、魔法祭の順位は一位が生徒会長のクラス2-Dで二位が泰雅のクラスの1-G、僕のクラスは十二位だった。





一学期の期末テストが終わり、もうすぐ夏休み。
あ、期末テストの出来は順位もかなり上がってて、嬉しかった。秋山先輩のおかげだ。結果を伝えたら先輩も喜んでくれて、自分の復習にもなるからこれからも続けようねと言ってくれた。


夏休みも毎年泰雅が一緒に居たがるし、僕もこの間のことがあって、泰雅とあんまり離れるのは良くないことが分かってしまったから、一週間に一回は泰雅と過ごすことを了承してしまった。


「夏休み、どこかに行く? 瑠衣、行きたいところはある?」
泰雅に聞かれて、僕は首を傾げながら考える。

「うーん……。山岳リゾート行きたい。牧場があるとこ」
「分かった。魔法陣予約しておく」
「うん」

魔法界で離れたところに行く場合、転移の魔法陣で移動出来るので、今回もそれを利用するようだ。

転移魔法は難易度が高いので、使える人は限られるんだけど、転移の魔法陣は魔力を注ぎ込めば使えるので、一般に普及している。
ただ、距離に比例して使う魔力が増えるので、遠くに行きたい場合はそれなりの魔力がいる。
魔力が多い人が仕事として魔力を注ぐこともあったりする。

泰雅は心配いらないだろうけど……。

なんか憎らしくて、僕は泰雅の部屋のソファに腰掛けながら、いつものクッションをぼふぼふと叩いた。

「なんだよ、どうした? 瑠衣」
「泰雅に出来ないことって何?」
「そうだな……瑠衣へのキス」
「ソウダネ……」
「瑠衣、俺と付き合わない?」
「……」
「というか、すでに付き合ってるようなものだと思わない?」
「……」

それはちょっと思うけど、認めたら泰雅は僕への愛情表現が際限なくなりそうで、やっぱり、うん。とは言えない。

「瑠衣は素直じゃないな」
「泰雅が悪い」
「俺のせいなのか」

クスクス笑う泰雅は、僕の思ってることを分かってないだろうけど、僕もどう伝えたらいいのか分からない。

僕はクッションをぎゅっと握ってそのモヤモヤをやり過ごした。
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