七曜学園高等部

hina

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金曜日の放課後。

学園の中の鍛錬場に泰雅と共にやってきていた。

「魔力操作は実はそんなに難しくない。まずは徐々に出力を大きくして操作する感覚を掴もう」
「わかった。水龍!」

最初は小さく魔法を出して、水の勢いと量を少しずつ増やしていく。鍛錬場の端に陣取っているので、周りは気にしなくてもいい。

大きな魔法は操作が大変だ。

「集中力を切らすなよ」
「分かってる!」

巨大な水の龍が空中でとぐろを巻く。今のところうまくいっている。

「じゃあ、龍を柔らかい雨に変えて」
「う、うん」

急な注文にちょっと狼狽えながら、細かい霧雨に変えて無害化する。

「じゃ、他にも試してみようか」
「りょ、了解」

いきなりやる事が高度だし、手加減もないみたいだし、前途は多難かもしれない。





「は、はぁはあ……」
もうそろそろ限界が近そうだ。
立ってるのがツラくて、座り込んでしまう。
近くにいる泰雅の漏れ出てる魔力が……キツい。

「今日はここまでにしよう。よく頑張ったな、瑠衣」
「うん、もうふらふらだよ。歩けるかな」
「抱きかかえてやろうか」
「冗談!」
「休憩してから帰ろう。少し待ってて」
「うん」

泰雅が待機室の方へ向かう。
少しして、持ってきていた水が入ったステンレスボトルを片手に泰雅が戻ってきた。

「ありがとう」
「ああ」
ぐいっと水をがぶ飲みして、大きくため息を吐いた。

「魔力、増えてるかな……」
「増えていなかったらこんなことはやめよう」
「増えてたらまた付き合って」
「俺が監督しないと何が起こるかわからないからな……仕方ない」
「僕だって、わざわざ命に関わるような鍛錬はしないよ!」
「どうだかな」
「僕を何だと思っているのかな」
「瑠衣は瑠衣だ。無謀なところがあるから目が離せない」

泰雅の魔力がキツくてちょっと離れると、その分泰雅が近寄ってくる。

「なんで逃げる」
「逃げてない」
「俺から離れるな」
「少し距離を置きたい時もある」
「瑠衣」
「ちょっと疲れてるから、正直泰雅の魔力がキツいんだ。ごめん」

泰雅が僕の言葉にハッとしたように下を向いた。でもすぐ顔を上げる。

「そうか……。次があるとしたら、俺の魔力に影響されない程度にしよう。心配だ」
「それで魔力は増えるのかな」
「試してみなければわからないだろ」
「そりゃ、そうだけど……」
「なによりも、今日はゆっくり休んでくれ。俺の魔力はキツいんだろうけど、でも距離をとって寮までは見守るし送っていくから」
「うん。お願いします」

その後、もう少し休憩してから僕達は帰路についた。
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