七曜学園高等部

hina

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「遅れました! 1-Bの才葉です! すみません!」
「早く座って下さい」
「はい……」

図書委員になったけど、ホームルームが長引いて初顔合わせに遅れてしまった。
三年の先輩にきつい口調で言われて、居た堪れなくて小さくなっていても、粛々と時間は過ぎていく。

すると向かいに座っていた先輩がにこっと笑いかけてくれて、ドキっとする。

「2-Cの秋山秀(あきやましゅう)です。よろしくお願いします」

その先輩が自己紹介をする。すっきりとした面立ちの和風美人で、バッチは月曜寮のものだった。
この人も選ばれた人かあ……。


そんな事を考えていたらすっかり気分が晴れたので、姿勢を正した。

みんな一言二言だったけど、全員が言い終えたので、今日は解散になるらしい。

いつ当番に入るかは先生が決めてくれるらしい。
活動するのはそれからということで。


僕も帰る人の波にのり、図書室を後にする。

なんとか乗り切れて良かった。







「じゃあ瑠衣くんも魔法界出身なんだね」
「はい。そうです」
「だとすると雨野くんと幼馴染だという噂も事実なのかな」
「あ、はい。家が近くで」
「そうなんだ。ちなみに東都の都心?」
「良くご存知で」
「いや、雨野家はそうだろうなあと思っただけで」
「僕は引き継がなかったけど、僕の父は凄く有能なんですよね……だから都心に住むことが出来て」
「瑠衣くんもこれから開花するのかもしれないよ?」
「だったらいいんですけど……」

そんな話をするのは、図書委員の初顔合わせの時に笑いかけてくれた秋山先輩で。
当番が一緒になって様々な話をした。

秋山先輩もご両親が魔法界に住む魔法師だということや、月曜寮にいることで大変な目にあったこととか、秋山先輩にも親衛隊がいることだとか……。
聞ける話は新鮮で、泰雅にも通じるものがある気がして、僕は夢中で聞いていた。
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