欲しいのはただ君一人

hina

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「え、え!? み、湊ー!?」
「凄い驚きようだなあ。うん、湊です」
部屋に入り、月白様が帽子とマスクを外したら、そこに居たのは湊だった。

「僕、僕……湊さんの動画見てる時に初めての発情期が来て……今も発情してるけど……」
「運命だからかな。それが自然な反応なのかもしれないですね」
「そうでしょうか……あ、僕は律です。敬語はいらないです。でもこれからするとしても湊さんは大切な人がいるんじゃ……」
「律くん。……あー。あはは。行方不明で見つからないんだ。俺の完全な一方通行だよ」
「僕と身体を重ねられますか?」
「うん。本能は反応してる。だけど、心は複雑かな」
「そうですよね……どうしたらいいんだろう」
「それでもツラいだろう? 俺もだ」
確かにそうなんだけど……。
でも湊さんは傷付いていて、本心は迷ってるみたいだった。
僕を部屋のベッドに横たえてから近付いてこない。

忘れられない人がいるのに、運命の番と会ってしまうなんて。

運命の番同士が出逢って発情してしまったら、身体を重ねない限りその熱は解消されないとされている。

運命は複雑で理解し難いものだった。
僕だって本音を言うなら運命には何の憂いもなく出会いたかった。

「僕に触ってくれますか?」
「むしろ運命とは言え身体を重ねるのがこんな俺でいいの?」
「発情した状態で運命には逆らえません」
「俺もギリギリだけど……本格的にラットになったらごめん」
「アルファとオメガの本能ですから」

湊さんの目がぎらりと光った。

「んっ……あ」
突然のキスに、フェロモンに酔った身体が痺れる。
「あっ、湊さん……」
服を剥ぎ取られ、湊さんは乱暴に服を脱ぎ、お互い生まれたままの姿になる。
「あっ! そんなとこ……!」
すでに先走りを垂らす陰茎の先が湊さんの口の中におさまってしまう。
「んーー! やだぁ、じゅぽじゅぽしないでぇ」

気持ち良くて、僕が気持ち良いところを的確に攻められて、思わず腰を動かしてしまう。

「あーっ!」
勢いよく出した精液を湊さんがごくんと飲み下した。

「え、飲んで……」
「甘かったよ」

呆然とする僕の体の向きを湊さんが入れかえる。

「濡れてるな」
低く呟く湊さんは、僕の後孔に指を一本ぷつりと挿れた。

「あっ!?」

卑猥な水音がして、カッカッと熱い身体が更に熱を増す。

「あん、んっ! だめ、だめです! おかしくなりそう……」
「なって、律くん。俺となろう。このままどこまでも一緒に落ちよう……!」
ゴリゴリに硬い湊さんを押し付けられて、僕は息をのんだ。

「あまり弄らなくても挿れられそうだ」
「あっ、あっん!」
指を二本も増やされても、僕の後孔は柔軟にそれを受け止めた。


「ああ!? そこだめ!」
ばらばらに動いていた湊さんの指がそこに触れた時、電流が流れたように身体が跳ねた。

「ここか……覚えておこう」

「や、だめですって! やだぁ!」
「気持ち良くない?」
「き、気持ちいいから……!」
「なら良いじゃないか」

湊さんも艶っぽい声で僕に囁きかける。
「さあ、そろそろいいかな……」

指が抜かれ、後孔に熱いものがピタリと宛てられた。

「んっ! う、うんっ!?」
少しずつ圧迫感が増していく熱いナカは、挿入ってきた硬いものを誘い込むように蠢いている。

「あっ! あんん!」
「はっ、はぁ、はー……」
額に汗を浮かべ、湊さんが腰を進める。

「挿入ったよ……」
楔を埋め込まれ、僕はお腹を摩りながらうっとりとした心地で微笑んだ。
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