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第14章 Sin fin

第425話 家族旅行7

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「じゃ、石像のお土産をパウリナに持って来てもらえばどうかしら?」
「流石は、お姉さま!!」
機嫌の良いロリがその場でエマスコするそうだ。

宗教問題は目途が付いたので、あとは担当者に任せる事となった。
そしてゲレミオの話だ。
これは昼食を取りながらの説明となった。

自国に無い調理法に食材や香辛料などイスラにとっては反対する者は居なかった。
何故なら目の前に結果が有るからだ。
それは事前に考案された宮廷料理の数々だ。
以前とは違い、見た目に味も激変し高官たちの評判はすこぶる良い。
それらを街中にも安価で提供する店を作りたいと提案しているからだ。

親衛隊たちのもう一つの任務がイスラの料理だ。
食材に味付けと物価に流通と、市場調査が主な任務だ。
これは次回の獣人達も同じだが、種族が違うので異なる国の人族の意見も参考にする為だ。
そんな訳で、街中の散策にでた。
家族と親衛隊は別行動だ。
家族には護衛と案内役が付く。

親衛隊は食べ歩きだ。
家族も似たようなモノだった。
そして予想していたよりも美味しくなかったらしいく、ロリ親子から早急な改善をフロル親子に求められた。
解っていたとは言え、あからさまに言われると悔しい思いをする二人だった。

その後は今までと同じ日程を過ごした。
親衛隊は教会の建設予定地を視察してから土着宗教に説明説得し、神官として迎え入れる事と、次回には守り神の石像を持って来る条件で譲歩したようだ。

そもそも年配者には神龍の信仰が芽生えていた所に前回の降臨で、国内外の若者にも恐れ尊ぶ存在と認知されたのだ。

あとは、ちょっと街角で功徳を説くだけで、釣ってくださいといくらでも”魚”が集まってくるのだから親衛隊はウハウハだったようだ。

全ての内容は本国に戻り大司教に報告されて、即座に建築部隊と活動部隊が編制される事となる。


「ボノス、我が国に更なる発展が訪れるのね」
「たしかに・・・親父殿の影響は想像を絶した物だ。そんな親父殿をよくぞ射止めたものだな、母上」
「えぇっ、ぐ、偶然よ・・・」
「偶然だろうが俺が存在し、今のイスラが有る。全て母上のおかげだ」
「そんな事無いわ。全部あの人のおかげだもの。私もこの国もあの人に救われたのよ」
「・・・」
「明日はパウリナ姉さんよ」
「解っている。ある意味俺たちにとって一番重要な家族だ」
「そうよ。居候だけど自由にさせてもらえる分、誰よりもお持て成ししなきゃダメよ」
「無論だ。龍の子供を分けてもらうしな」

二人は思惑を秘めつつ翌日の朝となる。



四度目の早朝は出迎える者達に緊張が走っていた。
それは事前にフロルとボノスから説明されていたからだ。

四人目の妻は大陸最強の聖戦士だと。
怒らせるとイスラ程度の島など即座に全滅させる力を持っていると言いふらしたのだ。
普通に聞けば嘘だと解る内容も、神龍の降臨や初代と魔剣王の若返りに絶世の美女を妻に持つ大魔法使いの黒龍王の妻であれば、嘘でないかもしれないとフロルとボノスも内心は思っていた。


そして例の部屋の扉が開いた。
出てきたのは銀色の髪が美しく、妖艶な女性だが動物の様な耳と尻尾が生えているのだ。
その子供たちも同様だった。
重臣や兵士に友好国の者達は固唾を呑んだ。

「フロルゥ、来たわよぉぉ」
「ようこそイスラへ、お待ちしてましたわ、お姉さま」
「遊びに来たぜ、ボノス」
「お世話になるわ、ボノスさん」

元々暑い国に住むパウリナ達はいつもと同じ衣服だ。
そして同行するのは、ガルガンダとグラナダだ。

ガルガンダとグラナダとくればフォーレだ。
この三人はリカルドとリリオにも相談して若返らせることにしたのだ。
グラナダとフォーレは夫婦だし、始まりの四人の二人だ。
友が先に逝くのも嫌だったし、必然的に功績のあるグラナダも一緒に若返らせた。
勿論、二つだけ条件を付けてだ。

「今後こいつの浮気に関しては、俺は一切責任を取らないからな。それだけ理解してくれグラナダ」
「解りました。ありがとうございます」
「・・・今後、浮気のてだ・・・きょうり・・・。コホンッ、お前の行動に関与しないからな。理解してくれ」
「ありがとう、友よ。これ以上何も求めないさ」
「最後に、子供たちや親族にはこの魔法は使わないぞ。これも理解してくれ」
「「承知しました」」」

ガルガンダはもっと簡単だ。
「勝手に死ぬ事は俺が許さん。若返ってもっと働いてくれ」
「俺を扱使いやがって・・・ちくしょうめ・・・」
そんなガルガンダの目には熱いしずくが流れていた。
そして全員の偽葬儀を行い現在に至る。

今の関係者は若かりし頃を知らないので、若いだけで他人と識別し名前が同じでも問題は無かったのだ。


街の住人もガルダも同様だが、獣人に興味津々の様だった。
そんな少年王と重臣たちには注意事項が伝えられていた。
それは尻尾に触れない事。
種族の特性なので、心を許した存在以外に尻尾や耳を触られると激怒すると言い伝えたのだ。
実際はそれほどでも無いが、余り良い気はしないのも事実だったので大げさに伝えだのだった。

重臣たちは魔剣王ボノスの説明を鵜呑みにして、一歩離れて対応していた。




獣人が闊歩する。
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