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第13章 建国
第374話 ファルソ再び3
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フォーレ、プリマベラ、リアム、リカルド、シオンがノタルム国での騒動を収拾させるべく内合わせをしていた。
国王の”説得”に応じて再度ノタルム国に出向くことになるフォーレだが、ファルソではなくて剣舞を教えた”夫”としてペロ族に変化して対処すると、国王の指示に従うと説明したのだった。
若干予定が変わってしまったプリマベラだ。
夫婦の計画ではリアムが師匠として乗り込むつもりでいたらしいのだ。
「ではフォーレ殿が先行し、リアム殿が剣舞の開祖として後から出向くのはどうですかな?」
「それだシオン殿!!」
「そうよ、その手があるわ!」
若干の修正だけでプリマベラの計画が進もうとしていた。
それはアルモニア式剣舞踊団の結成だ。
漠然と大勢で剣舞を舞う姿を妄想するだけのプリマベラだが、リアムも演者として又指導者としても未知の剣舞に思いを馳せていた。
「それであれば、あなた達の名前はどうするのですか?」
フォーレは自身とファルソとファルソの夫を演じなければならないからだ。
「念のためにリアム様も違う名前にされた方が良いと思いますが」
「ふむ、どんな名にしたものか・・・」
「私はドゥでお願いします」
「では私はガブだな」
2人とも自らの名前から抜粋したようだ。
「ではファルソの夫ドゥと、その師ガブ殿で進めさせて頂く」
するとフォーレが変化した。
ドゥとして認識してもらうためにグラナダと同じペロ族だ。
「では我も変化するか」
その変化したルブルム・ディアボリスにダメだしするプリマベラとリカルドだ。
どこかの魔物と同じような姿に怒るプリマベラに、髪の色だけを変えるよう説得するリカルドだ。
再度変化したのは赤髪から茶髪に変わっただけだが、別人のように見えたリアムだった。
後日、現地に向かうときは角を出す事になった。
計画ではファルソの夫ドゥが現地で選別した者に30日ほど基礎を教えた段階で、開祖のガブが多人数演舞を教えに乗り込む予定だ。
その為には、アルモニアで多人数演舞を作らなければならないが、それはプリマベラとリアム殿に任せる事となった。
全ての計画を聞いてフォーレに魅力防止の耳飾りを渡す。
「もしも娼館へ行くならクエルノ族に変化した方が良いぞ」
「あぁ、ありがとう友よ」
人族からペロ族の耳と尻尾を出すよりも、人族からクエルノ族に変化する方が角を出すだけなので簡単なのだ。
クエルノ族は角さえ有れば受け入れてくれるのだから。
ノタルム国の城下町に新設した大聖堂では、ファルソ目当てに集まって来た者をシオンが選別していた。
前回、剣舞や強さにあこがれを抱いた者たちの連絡先を聞いていたので集めさせたのだ。
その数20人。
女性16人で男性が4人だ。
圧倒的に女性の支持率が高い。
前回シオンが見た支持者の光景は男の方が多かったのだが、”違う目的”が多かったので事前にシオンが選別して連絡先を処分したのだ。
集められた者たちはシオンが一人一人面接を行い、剣舞に興味があり習得したい者だけを厳選した。
そしてファルソは”身重”のなので夫が剣舞を教えにやってくることが告げられた。
てっきりファルソから直々の手ほどきを期待していた一同だったが、シオンの言葉で考えが変わった。
「ファルソ殿の代わりに指導してもらう夫であるドゥ殿は、ファルソ殿に双剣の演舞を教えた人物だ」
「「「おおおおっ!!」」」
サキュバスの一人が声を上げた。
「それではファルソ殿よりも強いのか!?」
「それは解らんが、その可能性はあるだろう」
「「「おおおおっ!!」」」
別のサキュバスが聞いてきた。
「いつ来るのだドゥ殿は?」
「まぁ待て。ドゥ殿の目的はお前たちに剣舞の基礎を教えるために来られる。我が聞いている限りでは剣舞とは力や技ではなく、いかに優雅に流れるように舞うことが出来るかが一番大切らしいぞ」
「舞で本当に強くなれるのか?」
少数派の男からの質問だ。
「我の話を聞いてないな。そんな事ではファルソ殿の流派に入れぬぞ」
「「「流派!!」」」
「聞けぃ。優雅に流れるように舞う事だ。強さではない」
「しかし・・・」
「強さは結果である。そのようにファルソ殿が話していたぞ」
「「「おおおっ!!」」」
「前もって教えておくがドゥ殿は獣人だ。剣舞の強さはファルソ殿と同じか、それ以上だと思え。しかるにお前たちはクエルノ族で初の剣舞の演者となる訳だ。決して粗相のないようにな」
集まっていた者たちが話し合っている。
「お前たちの中から何人の者が開祖から流派に招かれるかわからんが精々励むことだな」
「「「開祖!!」」」
「あの舞の開祖が来るのか!!」
サキュバスが聞いてきた。
「ふむ。お前たちが基礎を習得出来たら呼ぶとドゥ殿から聞いておる」
「「「おおおっ!!」」」
☆
やる気が出たようだ。
国王の”説得”に応じて再度ノタルム国に出向くことになるフォーレだが、ファルソではなくて剣舞を教えた”夫”としてペロ族に変化して対処すると、国王の指示に従うと説明したのだった。
若干予定が変わってしまったプリマベラだ。
夫婦の計画ではリアムが師匠として乗り込むつもりでいたらしいのだ。
「ではフォーレ殿が先行し、リアム殿が剣舞の開祖として後から出向くのはどうですかな?」
「それだシオン殿!!」
「そうよ、その手があるわ!」
若干の修正だけでプリマベラの計画が進もうとしていた。
それはアルモニア式剣舞踊団の結成だ。
漠然と大勢で剣舞を舞う姿を妄想するだけのプリマベラだが、リアムも演者として又指導者としても未知の剣舞に思いを馳せていた。
「それであれば、あなた達の名前はどうするのですか?」
フォーレは自身とファルソとファルソの夫を演じなければならないからだ。
「念のためにリアム様も違う名前にされた方が良いと思いますが」
「ふむ、どんな名にしたものか・・・」
「私はドゥでお願いします」
「では私はガブだな」
2人とも自らの名前から抜粋したようだ。
「ではファルソの夫ドゥと、その師ガブ殿で進めさせて頂く」
するとフォーレが変化した。
ドゥとして認識してもらうためにグラナダと同じペロ族だ。
「では我も変化するか」
その変化したルブルム・ディアボリスにダメだしするプリマベラとリカルドだ。
どこかの魔物と同じような姿に怒るプリマベラに、髪の色だけを変えるよう説得するリカルドだ。
再度変化したのは赤髪から茶髪に変わっただけだが、別人のように見えたリアムだった。
後日、現地に向かうときは角を出す事になった。
計画ではファルソの夫ドゥが現地で選別した者に30日ほど基礎を教えた段階で、開祖のガブが多人数演舞を教えに乗り込む予定だ。
その為には、アルモニアで多人数演舞を作らなければならないが、それはプリマベラとリアム殿に任せる事となった。
全ての計画を聞いてフォーレに魅力防止の耳飾りを渡す。
「もしも娼館へ行くならクエルノ族に変化した方が良いぞ」
「あぁ、ありがとう友よ」
人族からペロ族の耳と尻尾を出すよりも、人族からクエルノ族に変化する方が角を出すだけなので簡単なのだ。
クエルノ族は角さえ有れば受け入れてくれるのだから。
ノタルム国の城下町に新設した大聖堂では、ファルソ目当てに集まって来た者をシオンが選別していた。
前回、剣舞や強さにあこがれを抱いた者たちの連絡先を聞いていたので集めさせたのだ。
その数20人。
女性16人で男性が4人だ。
圧倒的に女性の支持率が高い。
前回シオンが見た支持者の光景は男の方が多かったのだが、”違う目的”が多かったので事前にシオンが選別して連絡先を処分したのだ。
集められた者たちはシオンが一人一人面接を行い、剣舞に興味があり習得したい者だけを厳選した。
そしてファルソは”身重”のなので夫が剣舞を教えにやってくることが告げられた。
てっきりファルソから直々の手ほどきを期待していた一同だったが、シオンの言葉で考えが変わった。
「ファルソ殿の代わりに指導してもらう夫であるドゥ殿は、ファルソ殿に双剣の演舞を教えた人物だ」
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「それではファルソ殿よりも強いのか!?」
「それは解らんが、その可能性はあるだろう」
「「「おおおおっ!!」」」
別のサキュバスが聞いてきた。
「いつ来るのだドゥ殿は?」
「まぁ待て。ドゥ殿の目的はお前たちに剣舞の基礎を教えるために来られる。我が聞いている限りでは剣舞とは力や技ではなく、いかに優雅に流れるように舞うことが出来るかが一番大切らしいぞ」
「舞で本当に強くなれるのか?」
少数派の男からの質問だ。
「我の話を聞いてないな。そんな事ではファルソ殿の流派に入れぬぞ」
「「「流派!!」」」
「聞けぃ。優雅に流れるように舞う事だ。強さではない」
「しかし・・・」
「強さは結果である。そのようにファルソ殿が話していたぞ」
「「「おおおっ!!」」」
「前もって教えておくがドゥ殿は獣人だ。剣舞の強さはファルソ殿と同じか、それ以上だと思え。しかるにお前たちはクエルノ族で初の剣舞の演者となる訳だ。決して粗相のないようにな」
集まっていた者たちが話し合っている。
「お前たちの中から何人の者が開祖から流派に招かれるかわからんが精々励むことだな」
「「「開祖!!」」」
「あの舞の開祖が来るのか!!」
サキュバスが聞いてきた。
「ふむ。お前たちが基礎を習得出来たら呼ぶとドゥ殿から聞いておる」
「「「おおおっ!!」」」
☆
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