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第13章 建国

第373話 ファルソ再び2

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前王妃のプリマベラと国王の従者のシオンに国王の親衛隊長のリカルドが密室で極秘の話し合いをしていた。

そしてプリマベラからエマスコが送られた。
“〇▽の応接室に居るから直ぐに来て”
受け取った者は内容を確認すると、ため息をついて”今までの仕事を終わらせて”から身支度して、”駆け足で”向かうのだった。

扉の前で呼吸を整えるリアム。
コンコンッ
「どーぞ」
扉を叩くと声がした。
部屋に入るなり、一同を見て直感したリアムだった。
(これはノタルム国で何か有ったな)
理由はシオンが居たからだ。

それから三人の説明で、次第にリアムの頬が緩み口元がほころんでいった。

「それで、私に技を伝授しろと?」
「おお、それではリアム殿がファルソの師匠だったのですか!?」
「まぁ、そう言うことになるかなぁ」
「それは御見それしました」
座ったまま”こうべを垂れる”シオンに、ご満悦のリアム。

「それではプリマベラ様、今後はどのような計画で?」
「目標は舞踊団を作り、かの国で人気を得る事よ。できれば自国でも作りたいけど、やりたい者が居た方が覚えるのも早そうだしねぇ」
「では修業はどこで行いましょうか?」
「やっぱりバリアンテかしら・・・」
「ペンタガラマは避けたいなぁ」
「じゃぁ古都アレグリアするぅ?」
「そうだなぁ、向こうならば”奴”にもバレる事はないだろう」
「決まりね」
「ふむ、では手配は任せるぞリカルド」
「はぁぁっ!私がですかぁ!?」
「貴方しか居ないでしょう?」
「国王とサンクタ・フェミナ様へのご説明はお二方からして頂けるのですよね?」
「仕方ないわねぇ」
「ではフォーレの説明は頼むぞ」
「・・・善処します」


プリマベラの発想はこうだ。
最近王都では劇場が流行っているらしい。
吟遊詩人の歌が物語になって寸劇になったものだ。
大小の劇場が作られて大勢の人で賑わっているし、プリマベラも観に行ったことがある。
個人的には寸劇よりも、夫の剣舞の方が見ごたえがあるし、”あれ”をもっと物語に仕立てて踊った方が良いと考えていたのだ。

アルモニア式剣舞物語として5人から10人の多人数剣舞を行う。
もしくは5対5の疑似対戦剣舞だ。
その事を愛する夫に説明すると。

「素晴らしい、誰も考えつかなかったぞ、流石が愛しのプリマベラは美貌だけではなく英知に長けた女神だ!」
夫からのベタ褒め満更でもない様子だった。
一番重要なのはフォーレの説得だが、夫婦には同じ考えがあった。
それは愛娘のロリを落とせば、自動的にエルヴィーノが妥協してフォーレも協力してくれると言う、勝手な妄想だった。

だがしかし、本来はそのようなことは有ってはならないのだか、現実に起こりえるのがアルモニアの王族なのだった。


「何で俺がフォーレを説得しなきゃいけないんだよぉ・・・」

ブツブツと文句を言いながらフォーレに会いに向かうエルヴィーノだ。
プリマベラとリアム夫婦の計画では、ロリを抱き込みエルヴィーノを承諾させる事は成功したものの、リカルドからのフォーレの説明が良くなかったらしく拒絶されたそうだ。
結局のところエルヴィーノにフォーレと交渉する役が回ってきて歩いて向かっている所だった。

リカルドはありのままを説明し拒絶されたそうだ。
(本当に、こう言う交渉事はあいつリカルドには駄目だよなぁ・・・フォーレだったら・・・)

「よぉフォーレ、チョットいいか?」
多少怪訝な顔で迎えてくれたフォーレだ。
直ぐに理解したのだろう。
リカルドが話した件だと。

応接室で二人きりになる。
「それで今日は何の用だ?」
最初から警戒しているようだ。
「落ち着けフォーレ、まずは俺の要望通りに変化してくれ」

警戒していた内容と違ったので話を聞くフォーレ。
それは人族の耳を隠してペロ族の耳と尻尾を出す変化だ。
更に具体的に説明するとグラナダと同じ耳と尻尾だ。

“何で?どうして?”と聞くが”まぁまぁ”となだめて変化させる。
ファルソに比べると簡単なので即座に対応するフォーレだ。

「流石だ。これならば言う事無しだな」
「この格好で何をさせたいんだ?」
にやりと悪者の微笑で話し出すエルヴィーノ。

「フォーレよ、この街の娼館は良く行くんだろ?」
「よくは行かないさ、時々だよ」
「なるほど時々か。ではペンタガラマの娼館はどうだ?」
「まぁ、たまぁにかな」
「そうだよな、嫁さんが居るもんな」
笑ってごまかすフォーレだ。
「じゃぁエルフの娼館は?」
「まぁそれなりに・・・」
エルヴィーノの目は誤魔化せなかったフォーレ。
(やっぱり人族はエルフが好きなんだなぁ・・・)
その事を再確認してしまった。

「一応確認だが、ノタルム国の娼館は行ったのか?」
「あそこはまだだ」
間髪入れずに答えたフォーレ。
どうやら本当らしい。
エルヴィーノの口元が歪んだ。

「フォーレよ、とっておき情報があるが聞きたいか?」
「・・・向こうの話か?」
「勿論だ」
「聞こう!!」
先ほどとは顔と態度が異なり真剣な表情になった。

「その前にリカルドが話をした件について俺の考えを話そうか」
再度嫌な顔をするフォーレだ。

「一応確認するが、どうして嫌なんだ?」
「女の俺が活躍しても男の俺に利点が無いからさ」
「まぁな、そうだと思ったよ。だからこそ、その獣人に変化するんだ」
「意味が解らん」
「よく聞け、今やファルソはクエルノ族に絶大な指示を得ている。しかも女性が多い」
フォーレの目が輝いたように見えた。

「そしてファルソに求婚したいとピラタを断る時に愛する人が居るからと説明しただろ?それが獣人のお前だよ」
「だから?」
「まだ解んねぇのか?憧れのファルソに愛されて子供も作った男だぜ、クエルノ族の女たちが一目置くに決まってるだろ!!」
「それで・・・」
「勿論獣人だから普段は一般的な剣を使って、魔素が少ないから魔石を使っていることにして魔法剣を使うのさ。フォーレがファルソに教えたことにすれば良いんじゃねぇ?」
「・・・」
「一応シオンに聞いたが、サキュバスも居るらしいぞ」
「なにぃ!」
ここでフォーレが初めて反応した。

「確かにサキュバスの魅力効果は危険だが、あいつらすっげぇ色っぽいよなぁ」
「・・・」
黙っているが頬が赤くなったフォーレだ。

「俺はその魅力効果を打ち消す魔導具を持ってる」
「友よぉぉぉぉ!!」
フォーレが落ちた瞬間だった。

「落ち着け、更にクエルノ族は人族を蔑視する傾向がある。ファルソは別格だが獣人はそんな風には見てない感じだ」
「うんうん」
先ほどまでとは明らかに態度が違うフォーレ。

「結婚したばかりのファルソの夫として対応するならば、奴らも評価して接してくれると思うぜ」
「・・・」
腕組みして思案中の獣人フォーレだ。

ここで止めを刺すことにした。
「分かった。クエルノ族の女の性癖を教えてやる」
「友よ、感謝する!!」
真剣な顔だ。
「ただし、リカルドの依頼を受けてくれるよな」
「・・・」
「向こうの娼館で暴れられるぞぉ・・・」
「良いだろう。教えてくれ」
にやりと笑い、性癖を教えた。

「ただし、注意しろよ。形、太さ、色は個人差で好みが変わるらしい」
目の前で早速獣人のままで角を出すフォーレだ。

「あー俺の知る限り黒くて太めの反り返ってるのが良いらしいぞ」
「解った、この変化を会得した後で向こうに行ってもいいか?」
「勿論だとも」





所詮はエロの思考だ。エロ同士で分からない事は無い。
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