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第12章 戻ってから四度目の儀式
第345話 大魔王杯闘技大会その後3
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闘技大会の数日後、とある酒場で囁かれている噂が有った。
「おい、聞いたか例の話し」
「ああ、闘技会の優勝者が死んでってんだろ」
「いや、俺は再起不能にされたって聞いたぞ」
「俺は生きる屍になったと聞いたけどなぁ」
酒を酌み交わす数人のクエルノ族達全員の話しが微妙に食い違っていた。
「でもよぉ、やったのはファルソちゃんだろ?」
「俺も聞いたぞ。何でもたった1つの魔法の詠唱らしいぞ」
「ああ、本人は何の抵抗も出来なかったらしい」
「まぁあの光る剣で圧倒したからなぁ、優勝者の自尊心を傷つけたのかもしれんな」
「剣を交える事も無く魔法でやられたのか!?」
「ああ、俺はそう聞いてるぞ」
「「「・・・」」」
「本当は超強ぇのか!?」
「イディオタの癖に凄げぇじゃねぇか」
「あぁ? ファルソちゃんは俺らとの混血じゃねぇのか?」
「俺もそう思ってた」
「違うのか?」
「俺は知らんが、我らの種族と同じような特徴が有ったからなぁ」
「だが角が無い」
「「「全くだ・・・」」」
「アレで角さえ有りゃぁ、俺は本気で求婚するぞ」
「何ぃ、貴様、俺と同じ事を考えやがって!!」
「俺もだ」
「阿呆、お前らなんぞ相手にされる訳がないだろうがっ!!」
「いや、解らんぞ。俺の誠実な心を受け止めてくれるかもしれん」
「寝言は寝て言え阿呆ども」
城下街にある全ての酒場で同様のやり取りが行なわれていたとは本人たちが知る由も無かった。
「俺、明日から教会に通うぞ」
「ああぁ!? どういう風の吹き回しだ?」
「知らねぇのか? 」
近くに居た全員が首を横に振った。
そもそもクエルノ族は脳筋である。
強さが全ての国の男達に”愛の教え”は全く浸透していなかった。
「何の話しだ?」
「お前らも姫様の式典の時、赤龍様を見ただろぉ」
今度は全員相鎚を打つ。
「おお、アレは凄かったなぁ」
「まぁイディオタの宗教だけどよぉ、愛情を司る赤龍様を信仰すれば思い人と結ばれる可能性が有るんだってよ」
“ガタ、ガタンッ!!”
回りの男達が一斉に立ち上がった。
「俺も教会に行くぞ!!」
「抜け駆けすんな、俺も行くぞ」
「てめぇら、剣の練習でもしとけ。俺がファルソちゃんと結ばれるんだぁぁ!!」
「「「フザケンナ、テメェェェ!!」」」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「聖騎士としての立場が・・・両国の関係性も・・・周りの反対も有るし・・・」
「・・・」
華奢な身体で立ち向かって来る少女。
どれだけ打ちのめされても、持てる力の全てを出し尽くして挑んできた勇敢な女戦士。
技術と魔法、体術と勇気、一糸纏わぬ姿に成っても勝利を諦めなかった闘志。
そんな女に心を奪われない訳が無い。
戦いを見ている観客が惚れるのだから闘っている当事者が惚れない訳が無い。
別段、女に苦労した事は無い。
欲しいなら奪えばよい。
だが欲情では無く心と思考を奪われたのは初めての事だった。
初めて本気の恋愛感情だった。
如何に屈強な戦士だろうとも、恋の魔法に掛かれば全ての状態が異常となり、思考が”その事”だけを考えてしまう。
そしてその魔法は、日が経つにつれ深刻な症状に悪化するのだった。
当たり前だが日々の活動にも支障をきたす。
(重傷だな・・・)
ピラタを見た第一印象がこれだ。
自身の”自由”を満喫する為に、従者のシオンには”特命”と言う名の魔法で仕事を与えて行動制限を解除していたエルヴィーノ。
そんなエルヴィーノにシオンから知らせが有ったのは闘技大会が終わってすぐの事だった。
今日明日とアルモニアとバリアンテで宴会を計画している妻たちと、自国の築城を計画していたのに、わざわざ出向く理由は”会えば解かる”と言うのでノタルム国の城下町に作ったゲレミオに転移した。
「事務所も大分落ち着いたようだな」
「は、一部の部署は既に稼働しております。・・・陛下、わざわざ御足労頂いて申し訳ありませぬ。実はピラタなのですが・・・」
歩きながらシオンが説明しようとした矢先に廊下の向こうに居る不審者を発見したエルヴィーノ。
「あれはピラタか?」
「は、実は大会以降ずっとあの調子でして・・・」
大会から二日しか経ってないにも関わらず、壁に寄り添いながら目は虚ろでゆっくりと歩いて来る挙動不審な男が大会の覇者ピラタだった。
「一体どうしたんだ?」
「は、どうやら女絡みでして・・・」
「ん? 女ぁ?」
一瞬だがエルヴィーノの脳裏をかすめる顔が有った。
「詳しく説明してくれ。本人は話せるのか?」
「は、それでは応接室で」
シオンの横でソワソワしながらピラタが恥ずかしそうに話す内容は、エルヴィーノの悪い予感が的中してしまった。
「陛下・・・俺はどうしてもファルソの事が忘れられません。お願いします、彼女に合わせてください!!」
必死の形相で懇願する部下の要望は叶えてやりたいのが信条だ。
しかし・・・真実を知るエルヴィーノは部下を絶望の谷底へ落とさねばならない。
(だが、この場でその事を言ってもこいつは信じるのか?)
シオンも困惑した表情で事の成り行きを見ていた。
「お前の気持ちは解かった」
病人の様な顔だったが一気に生気がみなぎって来たピラタだ。
「じゃ、ファルソが断ったら諦めるんだな?」
一転して苦悶の表情になったピラタ。
言葉は少ないがエルヴィーノとピラタは全てを理解していた。
「はああぁ」
深い溜息をつく主を気づかう従者だ。
「ピラタよ、陛下がお前の思い人に確かめてもらうのか、それともお前が直接打ち明ける事になるかは解らんが、その勝負、勝っても負けても後腐れ無い様にこの場で誓え」
「・・・はい。誓います・・・」
如何にも自信の無い返事だった。
「良いだろう。ファルソに会って確かめればお前の気も晴れるだろう。だが、ここでの誓いを忘れるなよ!!」
「はい!!」
満面の笑顔で答えたピラタが可哀想に思えてならないエルヴィーノだった。
☆
哀れなピラタに愛の手を。
一部時間が逆行しています。
「おい、聞いたか例の話し」
「ああ、闘技会の優勝者が死んでってんだろ」
「いや、俺は再起不能にされたって聞いたぞ」
「俺は生きる屍になったと聞いたけどなぁ」
酒を酌み交わす数人のクエルノ族達全員の話しが微妙に食い違っていた。
「でもよぉ、やったのはファルソちゃんだろ?」
「俺も聞いたぞ。何でもたった1つの魔法の詠唱らしいぞ」
「ああ、本人は何の抵抗も出来なかったらしい」
「まぁあの光る剣で圧倒したからなぁ、優勝者の自尊心を傷つけたのかもしれんな」
「剣を交える事も無く魔法でやられたのか!?」
「ああ、俺はそう聞いてるぞ」
「「「・・・」」」
「本当は超強ぇのか!?」
「イディオタの癖に凄げぇじゃねぇか」
「あぁ? ファルソちゃんは俺らとの混血じゃねぇのか?」
「俺もそう思ってた」
「違うのか?」
「俺は知らんが、我らの種族と同じような特徴が有ったからなぁ」
「だが角が無い」
「「「全くだ・・・」」」
「アレで角さえ有りゃぁ、俺は本気で求婚するぞ」
「何ぃ、貴様、俺と同じ事を考えやがって!!」
「俺もだ」
「阿呆、お前らなんぞ相手にされる訳がないだろうがっ!!」
「いや、解らんぞ。俺の誠実な心を受け止めてくれるかもしれん」
「寝言は寝て言え阿呆ども」
城下街にある全ての酒場で同様のやり取りが行なわれていたとは本人たちが知る由も無かった。
「俺、明日から教会に通うぞ」
「ああぁ!? どういう風の吹き回しだ?」
「知らねぇのか? 」
近くに居た全員が首を横に振った。
そもそもクエルノ族は脳筋である。
強さが全ての国の男達に”愛の教え”は全く浸透していなかった。
「何の話しだ?」
「お前らも姫様の式典の時、赤龍様を見ただろぉ」
今度は全員相鎚を打つ。
「おお、アレは凄かったなぁ」
「まぁイディオタの宗教だけどよぉ、愛情を司る赤龍様を信仰すれば思い人と結ばれる可能性が有るんだってよ」
“ガタ、ガタンッ!!”
回りの男達が一斉に立ち上がった。
「俺も教会に行くぞ!!」
「抜け駆けすんな、俺も行くぞ」
「てめぇら、剣の練習でもしとけ。俺がファルソちゃんと結ばれるんだぁぁ!!」
「「「フザケンナ、テメェェェ!!」」」
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「聖騎士としての立場が・・・両国の関係性も・・・周りの反対も有るし・・・」
「・・・」
華奢な身体で立ち向かって来る少女。
どれだけ打ちのめされても、持てる力の全てを出し尽くして挑んできた勇敢な女戦士。
技術と魔法、体術と勇気、一糸纏わぬ姿に成っても勝利を諦めなかった闘志。
そんな女に心を奪われない訳が無い。
戦いを見ている観客が惚れるのだから闘っている当事者が惚れない訳が無い。
別段、女に苦労した事は無い。
欲しいなら奪えばよい。
だが欲情では無く心と思考を奪われたのは初めての事だった。
初めて本気の恋愛感情だった。
如何に屈強な戦士だろうとも、恋の魔法に掛かれば全ての状態が異常となり、思考が”その事”だけを考えてしまう。
そしてその魔法は、日が経つにつれ深刻な症状に悪化するのだった。
当たり前だが日々の活動にも支障をきたす。
(重傷だな・・・)
ピラタを見た第一印象がこれだ。
自身の”自由”を満喫する為に、従者のシオンには”特命”と言う名の魔法で仕事を与えて行動制限を解除していたエルヴィーノ。
そんなエルヴィーノにシオンから知らせが有ったのは闘技大会が終わってすぐの事だった。
今日明日とアルモニアとバリアンテで宴会を計画している妻たちと、自国の築城を計画していたのに、わざわざ出向く理由は”会えば解かる”と言うのでノタルム国の城下町に作ったゲレミオに転移した。
「事務所も大分落ち着いたようだな」
「は、一部の部署は既に稼働しております。・・・陛下、わざわざ御足労頂いて申し訳ありませぬ。実はピラタなのですが・・・」
歩きながらシオンが説明しようとした矢先に廊下の向こうに居る不審者を発見したエルヴィーノ。
「あれはピラタか?」
「は、実は大会以降ずっとあの調子でして・・・」
大会から二日しか経ってないにも関わらず、壁に寄り添いながら目は虚ろでゆっくりと歩いて来る挙動不審な男が大会の覇者ピラタだった。
「一体どうしたんだ?」
「は、どうやら女絡みでして・・・」
「ん? 女ぁ?」
一瞬だがエルヴィーノの脳裏をかすめる顔が有った。
「詳しく説明してくれ。本人は話せるのか?」
「は、それでは応接室で」
シオンの横でソワソワしながらピラタが恥ずかしそうに話す内容は、エルヴィーノの悪い予感が的中してしまった。
「陛下・・・俺はどうしてもファルソの事が忘れられません。お願いします、彼女に合わせてください!!」
必死の形相で懇願する部下の要望は叶えてやりたいのが信条だ。
しかし・・・真実を知るエルヴィーノは部下を絶望の谷底へ落とさねばならない。
(だが、この場でその事を言ってもこいつは信じるのか?)
シオンも困惑した表情で事の成り行きを見ていた。
「お前の気持ちは解かった」
病人の様な顔だったが一気に生気がみなぎって来たピラタだ。
「じゃ、ファルソが断ったら諦めるんだな?」
一転して苦悶の表情になったピラタ。
言葉は少ないがエルヴィーノとピラタは全てを理解していた。
「はああぁ」
深い溜息をつく主を気づかう従者だ。
「ピラタよ、陛下がお前の思い人に確かめてもらうのか、それともお前が直接打ち明ける事になるかは解らんが、その勝負、勝っても負けても後腐れ無い様にこの場で誓え」
「・・・はい。誓います・・・」
如何にも自信の無い返事だった。
「良いだろう。ファルソに会って確かめればお前の気も晴れるだろう。だが、ここでの誓いを忘れるなよ!!」
「はい!!」
満面の笑顔で答えたピラタが可哀想に思えてならないエルヴィーノだった。
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哀れなピラタに愛の手を。
一部時間が逆行しています。
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