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第12章 戻ってから四度目の儀式

第326話 妻達の事情

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「何これぇ!」

転移室の扉を開けると玄関だった。
転移室の出入口は通常の部屋の出入り口と同じだ。
そしてもう1つ出入口が有る。
これは食事を持ってきたり、掃除したりする者が出入りする扉だ。

室内は高級部屋と同じで、露天風呂に例の内風呂も完備だ。
大きな居間に寝室と小部屋が有る。
他の部屋と違い景色は小さな庭だけだが季節感は楽しめる。

「ねぇ、ここは何なのぉ?」
可愛く聞いて来るので抱きしめて答えた。
「ここは俺とメルヴィ専用の部屋だよ」
「本当!!」
「ああ」


そして繰り広げられる甘美で芳醇な蜜を楽しむ男と、そそり立つ灼熱の脈動に高速で身体の芯を突きぬかれる女。

眼に入るのは激しく揺れる霊峰に、身悶える姿が初々しく更なる欲情を引き出してくれる。
一方は真剣な眼差しで見つめられ、全身を舐めまわす様な視線に視姦されているような気分になっている。

結合部分から溢れて来るのは女の蜜だけでは無い。
互いの精が中で混ざり合い、その匂いも次第に漂って来るのだ。

そして、味わう相手の舌。
”例の紫の女”にも勝るとも劣らない味の持ち主になっているメルヴィ。
当然ながら匂いもだ。

そして弾ける肉体で、ぶつかり合う音がお互いの汗で増幅させているのか、まるで音を奏でる様に叩かれる音がする。

男は点で、女は面で快感を得る。
と、性獣とも淫獣とも思っている第一夫人から教えてもらった事を、初めて女性を知った夜からその教えを守り全身全霊を持って奉仕(楽しむと同意)するエルヴィーノだ。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を全部使う。
目・耳・舌・鼻・皮膚だ。
全身でメルヴィを堪能する事に寝食も忘れてしまう封印エロ解放中の夫だった。


※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez


あっと言う間に二日が経ち、一度戻る為に身支度をする。
と、ここでエルヴィーノは聞かなければいけない事を聞く事にした。

「なぁメルヴィ?」
「なぁに?」
「他の子達とはどうするぅ?」
着替え終わって抱き付いて来たメルヴィ。そして耳元で
「スケベ。ヘンタイ。そんなに複数の女としたいの?」

心外だった。
本心はどうあれ、妻達の間では複数と一夜を共にする事が習わしとなっているからで、自分が決めた事では無いし、率先している訳でも無い。
全くの誤解だった。

大げさに身振り手振りで否定して真意を話した。
「メルヴィとは・・・2人だけが良いな」
ニッコリと微笑み唇を食べられた。

しかし、問題が有る。
大問題だ。
あの淫獣達をどうするかだ。
特に二匹。
そんな事を考えていると
「じゃ、もう複数と寝るのは止めたらいいじゃない」
「えっ!?」
「ねぇ、私も2人だけが良いから、他の子達も多人数で愛し合うの止めたらぁ?」
「そ、それはぁ・・・」
悩んでしまった時点で、複数で愛し合いたいとメルヴィにバレてしまった浮気男だ。

「おにぃちゃんの馬鹿、スケベ、変態!!」
「ゴメン。でもみんなに何て説明しようかなぁ・・・」
妻達全員の激怒する光景を思い浮かべると、さっきまで有った股間の熱いモノが消失し、嫌な気分だけが残ったエルヴィーノだった。

その情けない表情を見て愛おしく思ったメルヴィ。
「しょうがないよねぇ。私に任せて」


※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez


ある日、リーゼロッテに呼び出されたロザリーとロリ。
珍しく2人だけを呼び出した事に警戒心を持ったので互いにエマスコで確認した。

(ロリ、何か心当たりは有るの?)
(いいえ、お姉様は?)
(何も無いわ。とにかく、指定された日時に向いましょう)

カスティリオ・エスピナのダークエルフ専用居住区に転移したロザリーとロリ。
2人を待ち構えていたリーゼロッテが頭を垂れた。

「今まで2人には無理難題を言って本当にごめんなさい」
「「お義母様!!」」
「頭を上げてください」
「一体私達に何を謝るのですか?」

そして重い口を開き謝罪の意味を説明した。
「全てはメルヴィが居なくなってからなの」
その言葉はロザリーの心を鷲掴みにして引き裂かれるような思いだった。

「ロリさんとの結婚が占いによる物だと聞いて、純血はしばらく増えないけど一族を増やす方法は、あの子に種をばら撒いてもらおうと思ったの。エアハルトもクララも母親の血が濃いわ。一般の人族でも構わなかったけど、パウリナさんが増えてシーラさんとの婚約も決まった矢先にメルヴィが戻ってきて本当に嬉しかったわ」

既にロザリーとロリは号泣しているが、2人の心底は違っていた。
片や、純粋に無事に戻られて一族全員が喜んでいる事に感動してだ。
片や、全ての原因は自身に有り当事者達(ロザリーとメルヴィ)しか知らない秘密の約束がある。
その為に、一言がまるで矢の如く体に突き刺されて蜂の巣状態のロザリーは、身体を振るわせながら必死に耐えていた。

「それでね、最初に2人に出した妻としての条件を無くそうと思うの」
「「・・・えっ?」」
「お義母様、条件って・・・」
嗚咽交じりで泣くロザリーのかわりに確認するロリだ。

「ほら、あなた達2人であの子を愛し合いなさいって言ったでしょ。もう強制はしないわ。あ、パウリナさんにシーラさんもよ」
「どうしてでしょうか?」
「結局、ダークエルフの子はダークエルフからしか生まれないと考えたの。それもメルヴィが戻ってきたくれたからですけどね」

アルコンの仲間から女性をエルヴィーノに与える事も考えたがシーラとの婚約も有るし、デイビットとオリビアが必死に説得していたのだ。
”あの子がいつか必ず戻って来る”と。
そして、今は”両親の願いが天に届き”幸せに生活している。

「今後は種族の繁栄の為にメルヴィに頑張ってもらわなくてはならないの。2人なら理解してもらえるわよねぇ」

既に2人の子供を産んでいる第一夫人と新第三夫人だ。
瞬時に夫の専有時間が短くなる事を理解したが、それも想定済みで事前にロザリーから聞かされていたロリなのだ。

「2人共、理解してもらえるわよねぇ? 今後、多人数は強制では無いと言う事を・・・」
「・・・はい」
「・・・・・・はい」
ロリよりもロザリーの返事が遅かった。

「お義母様、確認したいのですが」
泣き声で話すロザリー。
「言って御覧なさい」
「メルヴィさんと一緒に夜を共にする事をしなくても良いのですね?」
「ええ、その通りよ」
「ですが私達は夜を共有する事は問題無いので宜しいでしょうか?」
「それは貴女達に一任します。貴女達の思いをエルヴィーノにぶつけると良いでしょう」
「「ありがとうございますお義母様」」

((エルヴィーノォォォ、今度たっぷりとお仕置きするんだからぁぁ!))
何故か理不尽にも妻達の心のモヤモヤは嫉妬となってエルヴィーノに向けられる事となった。
そんな事とは露知らず、子供達とイグレシアの闘技場で魔法の練習を見ているとクシャミを連発する夫だった。





今回はエロ回でした
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