305 / 430
第11章 分岐点
第304話 ロザリーの場合
しおりを挟む
ラソンに連れだってロザリーが転移してきた場所。
そこは真っ白な空間だった。
そして真っ白な机に真っ白な椅子。
飲み物らしき入れ物と小さな容器も真っ白だ。
「どうぞ、掛けてください」
ラソンに指示されて腰かけるロザリー。
丸い机を挟んで正面に腰かけているラソン。
ロザリーは一体どうなるのか緊張で一杯だった。
「あなたをここに連れて来たのは、これから始まる分岐点の説明と、罰を与える為です」
「ええっ!」
罰を与える。
そう耳にしたロザリーは高速思考で罰となる原因を探していた。
しかし、龍人が罰を与えるような事を行なった記憶が無く、教会にも寄付をしているのに意味が解らず「何故ですか?」と思わず声が出てしまった。
「あなたが過去に行なった行動が元で世界が大変な事になりました」
「ええっ!!」
口を押えて驚くロザリー。
「ですが、あなたのおかげで”この世界”が存在する事も事実なの」
「???」
ラソンの発する言葉の意味が理解出来ないロザリーだ。
「それでね、まぁゆっくりと語り合いましょう」
そう言ってラソンは飲み物を容器に注いだ。
それはロザリーも嗜む葡萄酒と同じ色の飲み物だった。
「ではどうぞ」
ラソンに進められるが一向に飲もうとしないロザリー。
「あら、毒など入っていないわよ。・・・じゃ、わたくしから飲むわね」
そう言ってグイグイ一息で飲み干したラソン。
「あぁ、美味しいわぁ」
そこまでされて飲まないと失礼に当たるので、グラスに口を当てると芳醇な香りが鼻孔を刺激した。
一口、口に含むと過去に飲んだ事の無い深い味わいが口の中に広がり、一気に飲んでしまったロザリー。
「プハァ。おっしゃる通りとても美味しいですね」
その言葉を聞くと二杯目を注ぎ始めたラソン。
そして会話と共に二杯が三杯、四杯、五杯とラソンとロリの事などを話しながら飲み続けるロザリー。
(この子、結構飲むわねぇ)
数杯で”もう飲めませーん”と言わせる程の特別な葡萄酒だが、”ラソンの計画”が遅れそうだった。
2人の話しはエアハルトの加護から始まり、ロリや教会の話しにラソンが誘導して行った。
だが流石に八杯になるとロザリーの瞼が重いらしく、ふらつき出していた。
「あらあら、酔ったの? 少し横になりましょうか?」
ラソンが用意したのはゴロゴロと動かせる小さなベッドだった。
「さぁ、これを飲んで少し横になりなさい。楽になるわよ」
「ありがとうございますラソン様」
そう言って冷たい水を飲みほしたロザリーは横になった途端、深い眠りに着いてしまった。
「全く、何杯飲んだかしら。二杯も飲めばこうなるはずだったのに・・・」
そう言ってロザリーが横になる台を押しながら別の部屋に消えていくラソンだった。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「・・・リーさん、・・・ザリーさん、ロザリーさん大丈夫ですか?」
「・・・は、はい」
自分が酒精に酔って、寝てしまった事を瞬時に理解して謝罪するロザリー。
「すみません。私、酔ってしまったみたいで・・・」
「良いのよ。それよりこれを飲んで話の続きをしましょう」
渡されたのは冷たい水だった。
酔っぱらいには有り難く、一気に飲み干すロザリー。
「では、ロザリーさん。これから話す事は”我ら龍人”と”あなた”と、”もう1人”しか知らない事ですから、決して他言してはいけませんよ」
真剣な顔で話すラソンに頷くロザリー。
「昔、あなたが嫉妬に狂って1人の少女を誘拐しましたね」
その言葉を聞いて硬直するロザリー。
(なんで? どうしてラソン様が知っているのぉ?)
全身から溢れだす冷や汗を自覚し、ゆっくりと頷くロザリー。
「その少女は、わたくし達の元に居ます」
俯いていたロザリーがバッと顔を上げてラソンを見る。
「ロザリーさん、あなたはその少女をエルヴィーノさんの正式な第二夫人だと他の者達に認めさなさい」
自らの過ちを知っている龍人たるラソンに贖うすべも無く、ただただ頷くロザリーだった。
「ロザリーさん。その少女はあなたを許すそうよ」
その言葉が耳から入り、意味を理解すると涙が止めども無く溢れだすロザリー。
「ですけどね、あらから随分と時が経っているわ。何の処罰も無しでは”他の龍人”が納得しないのよ」
「・・・はい。如何なる罰もお受けします」
「そう、良かったわ。わたくしたちの出したロザリーさんへの罰は」
心臓が飛び出しそうな位激しく鼓動するロザリー。
「第二夫人に絶対服従です」
「・・・それは死ねと言われたら・・・」
「安心して。そんな事を言う子では無いわ」
不安げなロザリーの表情にラソンが告げる。
「最初に言ったでしょ? 第二夫人を認めさせる事。まぁエルヴィーノさんの専有時間を強く望まれるのは仕方ないでしょうね」
「あなたが恐れているような事は無いはずですよ。ご婦人たちと楽しく過ごす事を臨まれているようですしね」
「本当に?」
「疑うのであれば、本人に聞いて見るのが一番では?」
「ええっ本人が居るのですか?」
「勿論よ。わたくしの説明が終わるのを待っていますもの」
一気に動悸が激しくなるロザリー。
挙動不審のように辺りを見回している。
「じゃ準備は良いかしら? 呼びますよ」
「えっちょっと待ってください。まだ心の準備が・・・」
「あら、もう遅いわ。直ぐに来るって」
「ええぇぇっ」
手に汗を握り緊張するロザリー。
奥の扉が開くと、次々に人が入って来る。
その人達は左右に2人づつ別れて並び、出迎えの準備が出来たようだった。
コツッ、コツッ、コツッと歩く音がロザリーの耳を刺激する。
すると入口に立つ1人の少女が居た。
漆黒の長い髪を持ち、吸い込まれそうな黒い瞳の少女は、恐怖と可憐が同居するかの様な表情の可愛い女性だった。
ロザリーの前に立つ少女。
「初めましてですね。わたくしは・・・メルヴィ。あなたの嫉妬で”飛ばされた”メルヴィです」
邂逅一番、嫌味ったらしく言葉を叩きつけるメルヴィ。
「本当にごめんなさい」
直角に腰を折り謝罪するロザリー。
「ロザリーさん、”わたくしは”許すと聞いたでしょ?」
「はい。でも・・・」
「勿論条件が二つあるわ。でも簡単でしょ?」
「は、はい・・・」
「無理にとは言わないわ。否定しても構わないのよ。ただし、その場合はエルヴィーノと一族関係者に、あなたがした事を言うけどね」
脅されていると自覚するが、自らの過ちなので真摯に受け止めるロザリー。
「いいえ、寛大な処罰で感謝します」
あの時とは自分の環境も違い、関係者も多くなり、”あの人”の子供達も多くなって、エアハルトが唯一心を開いている弟の母親を、自分も解らない遠くの場所に飛ばした罪を受け入れる覚悟が、”今”出来たロザリーだ。
「そう、良かったわ。あなたが理解あるエルフで」
ロザリーの両手を取り硬く握手する2人。
その光景を見て手を叩く龍人達だった。
「じゃ、お互いに理解しあった事ですし、行きましょうか?」
そう言って入って来た扉に向うメルヴィと龍人達。
「あのぉ、ラソン様」
「何かしら?」
「どちらに向うのでしょうか?」
ニッコリと微笑んで教えた。
「エルヴィーノさん達が待つ部屋よ」
「えええっ! そんなぁ」
「安心して。あなたの秘密は私達しか知らない事よ。大丈夫、わたくし達に合わせた方があなたの為よ」
一抹の不安も有るが、既に足は部屋の外へと向かっていた。
☆
ロザリーの断罪でした。
そこは真っ白な空間だった。
そして真っ白な机に真っ白な椅子。
飲み物らしき入れ物と小さな容器も真っ白だ。
「どうぞ、掛けてください」
ラソンに指示されて腰かけるロザリー。
丸い机を挟んで正面に腰かけているラソン。
ロザリーは一体どうなるのか緊張で一杯だった。
「あなたをここに連れて来たのは、これから始まる分岐点の説明と、罰を与える為です」
「ええっ!」
罰を与える。
そう耳にしたロザリーは高速思考で罰となる原因を探していた。
しかし、龍人が罰を与えるような事を行なった記憶が無く、教会にも寄付をしているのに意味が解らず「何故ですか?」と思わず声が出てしまった。
「あなたが過去に行なった行動が元で世界が大変な事になりました」
「ええっ!!」
口を押えて驚くロザリー。
「ですが、あなたのおかげで”この世界”が存在する事も事実なの」
「???」
ラソンの発する言葉の意味が理解出来ないロザリーだ。
「それでね、まぁゆっくりと語り合いましょう」
そう言ってラソンは飲み物を容器に注いだ。
それはロザリーも嗜む葡萄酒と同じ色の飲み物だった。
「ではどうぞ」
ラソンに進められるが一向に飲もうとしないロザリー。
「あら、毒など入っていないわよ。・・・じゃ、わたくしから飲むわね」
そう言ってグイグイ一息で飲み干したラソン。
「あぁ、美味しいわぁ」
そこまでされて飲まないと失礼に当たるので、グラスに口を当てると芳醇な香りが鼻孔を刺激した。
一口、口に含むと過去に飲んだ事の無い深い味わいが口の中に広がり、一気に飲んでしまったロザリー。
「プハァ。おっしゃる通りとても美味しいですね」
その言葉を聞くと二杯目を注ぎ始めたラソン。
そして会話と共に二杯が三杯、四杯、五杯とラソンとロリの事などを話しながら飲み続けるロザリー。
(この子、結構飲むわねぇ)
数杯で”もう飲めませーん”と言わせる程の特別な葡萄酒だが、”ラソンの計画”が遅れそうだった。
2人の話しはエアハルトの加護から始まり、ロリや教会の話しにラソンが誘導して行った。
だが流石に八杯になるとロザリーの瞼が重いらしく、ふらつき出していた。
「あらあら、酔ったの? 少し横になりましょうか?」
ラソンが用意したのはゴロゴロと動かせる小さなベッドだった。
「さぁ、これを飲んで少し横になりなさい。楽になるわよ」
「ありがとうございますラソン様」
そう言って冷たい水を飲みほしたロザリーは横になった途端、深い眠りに着いてしまった。
「全く、何杯飲んだかしら。二杯も飲めばこうなるはずだったのに・・・」
そう言ってロザリーが横になる台を押しながら別の部屋に消えていくラソンだった。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「・・・リーさん、・・・ザリーさん、ロザリーさん大丈夫ですか?」
「・・・は、はい」
自分が酒精に酔って、寝てしまった事を瞬時に理解して謝罪するロザリー。
「すみません。私、酔ってしまったみたいで・・・」
「良いのよ。それよりこれを飲んで話の続きをしましょう」
渡されたのは冷たい水だった。
酔っぱらいには有り難く、一気に飲み干すロザリー。
「では、ロザリーさん。これから話す事は”我ら龍人”と”あなた”と、”もう1人”しか知らない事ですから、決して他言してはいけませんよ」
真剣な顔で話すラソンに頷くロザリー。
「昔、あなたが嫉妬に狂って1人の少女を誘拐しましたね」
その言葉を聞いて硬直するロザリー。
(なんで? どうしてラソン様が知っているのぉ?)
全身から溢れだす冷や汗を自覚し、ゆっくりと頷くロザリー。
「その少女は、わたくし達の元に居ます」
俯いていたロザリーがバッと顔を上げてラソンを見る。
「ロザリーさん、あなたはその少女をエルヴィーノさんの正式な第二夫人だと他の者達に認めさなさい」
自らの過ちを知っている龍人たるラソンに贖うすべも無く、ただただ頷くロザリーだった。
「ロザリーさん。その少女はあなたを許すそうよ」
その言葉が耳から入り、意味を理解すると涙が止めども無く溢れだすロザリー。
「ですけどね、あらから随分と時が経っているわ。何の処罰も無しでは”他の龍人”が納得しないのよ」
「・・・はい。如何なる罰もお受けします」
「そう、良かったわ。わたくしたちの出したロザリーさんへの罰は」
心臓が飛び出しそうな位激しく鼓動するロザリー。
「第二夫人に絶対服従です」
「・・・それは死ねと言われたら・・・」
「安心して。そんな事を言う子では無いわ」
不安げなロザリーの表情にラソンが告げる。
「最初に言ったでしょ? 第二夫人を認めさせる事。まぁエルヴィーノさんの専有時間を強く望まれるのは仕方ないでしょうね」
「あなたが恐れているような事は無いはずですよ。ご婦人たちと楽しく過ごす事を臨まれているようですしね」
「本当に?」
「疑うのであれば、本人に聞いて見るのが一番では?」
「ええっ本人が居るのですか?」
「勿論よ。わたくしの説明が終わるのを待っていますもの」
一気に動悸が激しくなるロザリー。
挙動不審のように辺りを見回している。
「じゃ準備は良いかしら? 呼びますよ」
「えっちょっと待ってください。まだ心の準備が・・・」
「あら、もう遅いわ。直ぐに来るって」
「ええぇぇっ」
手に汗を握り緊張するロザリー。
奥の扉が開くと、次々に人が入って来る。
その人達は左右に2人づつ別れて並び、出迎えの準備が出来たようだった。
コツッ、コツッ、コツッと歩く音がロザリーの耳を刺激する。
すると入口に立つ1人の少女が居た。
漆黒の長い髪を持ち、吸い込まれそうな黒い瞳の少女は、恐怖と可憐が同居するかの様な表情の可愛い女性だった。
ロザリーの前に立つ少女。
「初めましてですね。わたくしは・・・メルヴィ。あなたの嫉妬で”飛ばされた”メルヴィです」
邂逅一番、嫌味ったらしく言葉を叩きつけるメルヴィ。
「本当にごめんなさい」
直角に腰を折り謝罪するロザリー。
「ロザリーさん、”わたくしは”許すと聞いたでしょ?」
「はい。でも・・・」
「勿論条件が二つあるわ。でも簡単でしょ?」
「は、はい・・・」
「無理にとは言わないわ。否定しても構わないのよ。ただし、その場合はエルヴィーノと一族関係者に、あなたがした事を言うけどね」
脅されていると自覚するが、自らの過ちなので真摯に受け止めるロザリー。
「いいえ、寛大な処罰で感謝します」
あの時とは自分の環境も違い、関係者も多くなり、”あの人”の子供達も多くなって、エアハルトが唯一心を開いている弟の母親を、自分も解らない遠くの場所に飛ばした罪を受け入れる覚悟が、”今”出来たロザリーだ。
「そう、良かったわ。あなたが理解あるエルフで」
ロザリーの両手を取り硬く握手する2人。
その光景を見て手を叩く龍人達だった。
「じゃ、お互いに理解しあった事ですし、行きましょうか?」
そう言って入って来た扉に向うメルヴィと龍人達。
「あのぉ、ラソン様」
「何かしら?」
「どちらに向うのでしょうか?」
ニッコリと微笑んで教えた。
「エルヴィーノさん達が待つ部屋よ」
「えええっ! そんなぁ」
「安心して。あなたの秘密は私達しか知らない事よ。大丈夫、わたくし達に合わせた方があなたの為よ」
一抹の不安も有るが、既に足は部屋の外へと向かっていた。
☆
ロザリーの断罪でした。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~
みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。
生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。
夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。
なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。
きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。
お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。
やっと、私は『私』をやり直せる。
死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。
妖魔大決戦
左藤 友大
ファンタジー
中学三年生 草壁正輝は、鳥取県の自然豊かな田舎町 大山町で母親 真理子、祖父の有蔵と三人で暮らしている。両親が離婚し妹の愛菜と別れてから4年が経った夏のある日、親友の克己に誘われ一緒に大山寺の「麒麟獅子舞」を観に行き見事に麒麟獅子に頭を噛まれたが正輝は何の違和感もなく普通に過ごしていた。しかし、麒麟獅子に噛まれた後から正輝は不思議な体験をするようになった。そして今、日本だけでなく世界は危機に直面していた。憎悪と闇の神 黑緋神之命と滝夜叉姫が妖怪を悪霊化させ日本を滅ぼそうと企んでいたのだ。そして、正輝は遥か昔、日本を守った英雄「聖戦士」の子孫として黑緋神之命が率いる悪霊軍団と戦わなければならなかった。
日本を含め世界の未来を守る為に聖戦士 正輝が妖怪達と共に黑緋神之命と滝夜叉姫、そして悪霊軍団に立ち向かう─
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
追放された大魔導士は魔王と一緒に国をつくる
ビーグル犬のポン太
ファンタジー
大魔導士アラギウスは、聖女の登場によってお役御免を言い渡されたうえに、身に覚えのない罪をきせられてしまった。そして長年つかえてきた王国から追放されることになり、聖女によって転送魔法で飛ばされた先は、旧魔王支配地であったローデシア。彼はそこに存在するたった一人の人間となったが、廃墟で魔王の生まれ変わりと出会い、彼女に協力して、魔物、亜人種達をが暮らせる国をつくることになった。
これは人間界から追放された魔導士が、魔王とともに魔族を率いて国をつくり、人間達から彼らを守る物語である。
狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
マーラッシュ
ファンタジー
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
【完結】魔法は使えるけど、話が違うんじゃね!?
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「話が違う!!」
思わず叫んだオレはがくりと膝をついた。頭を抱えて呻く姿に、周囲はドン引きだ。
「確かに! 確かに『魔法』は使える。でもオレが望んだのと全っ然! 違うじゃないか!!」
全力で世界を否定する異世界人に、誰も口を挟めなかった。
異世界転移―――魔法が使え、皇帝や貴族、魔物、獣人もいる中世ヨーロッパ風の世界。簡易説明とカミサマ曰くのチート能力『魔法』『転生先基準の美形』を授かったオレの新たな人生が始まる!
と思ったが、違う! 説明と違う!!! オレが知ってるファンタジーな世界じゃない!?
放り込まれた戦場を絶叫しながら駆け抜けること数十回。
あれ? この話は詐欺じゃないのか? 絶対にオレ、騙されたよな?
これは、間違った意味で想像を超える『ファンタジーな魔法世界』を生き抜く青年の成長物語―――ではなく、苦労しながら足掻く青年の哀れな戦場記録である。
【注意事項】BLっぽい表現が一部ありますが、BLではありません
(ネタバレになるので詳細は伏せます)
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
2019年7月 ※エブリスタ「特集 最強無敵の主人公~どんな逆境もイージーモード!~」掲載
2020年6月 ※ノベルアップ+ 第2回小説大賞「異世界ファンタジー」二次選考通過作品(24作品)
2021年5月 ※ノベルバ 第1回ノベルバノベル登竜門コンテスト、最終選考掲載作品
2021年9月 9/26完結、エブリスタ、ファンタジー4位
ゲームの世界は異世界だから女体化とか、何でもありでいいよね?
かず斉入道
ファンタジー
主人公山田理樹は物心ついた頃から、ある悪夢によって魘される日々が続いている
その内容と言うのが、万里の長城のような城壁の上で男が美女の首を絞め殺し、城壁から、女性落とすと言った恐ろしい内容であり。
その女性の遺体がキョンシーのように立ち上がり、自分をなぶり殺しにした男。
そう、理樹の前世である、あの悪名高い董卓仲頴の軍師であり。
魔王董卓漢の丞相、天下人へと導いた男、李儒が理樹の前世だから、彼を七代迄祟ってやると言いながら
少年の枕元に夜な夜な立ってはうらめしやと、呪いの言葉を詠唱する恐怖映画のような内容なのだが。
その悪夢に魘されていた理樹なのだが。とうとう、夢の中で酷い事をする前世の自分に対して憤怒!
まあ、夢の中と言う事もあり、美しい女性と幼い少年の事を彼は庇い助けると。
その美しい女性……。
そう、全霊帝の死後、未亡人だった妖艶で麗しい何太后様が、自分を助けてくれた李儒の転生者理樹の勇気と優しさに心を打たれ女神化。
理樹がプレイしている三國志オンライン戦記の世界へと導き、力を与えるのだが。
彼のプレイしているアプリゲームは、良くある武将が戦姫化しているゲームなので彼も李儒化して、麗しいダークエルフの魔法少女へと進化。
駄目でエッチな何太后様と強力して前世の自分。
悪と闇の力が増幅しボス化した自分を無事撃破すれば。
今度は、元の主人である董卓仲頴が、自分の許へと帰れと推してくると。今度は理樹のゲームの中のメインキャラである漢の覇王曹操も、自分の軍師にと推してくる中で黄巾の乱が起り。張角姉妹が洛陽の城郭へと襲ってくるのだが。癖のある三人の主君。何太后と董卓仲頴、曹操孟達の三人が仲良く手を取り合い。張角姉妹を撃退する為に出陣。
さて李儒(理樹)は上手く三人を纏める事ができるのでしょうか?
三国志をメインした架空戦記で御座います
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる