294 / 430
第10章 冒険編
第293話 城塞6
しおりを挟む
今日は山岳地帯を利用した難攻不落が自慢の城塞の見学だ。
遠くから見ると巨大な城塞に見えるが、渓谷に囲まれて山の斜面を利用した段々と上に積み重ねられているような作りだ。
そしてこの城塞は強固な城壁に守られ、城内から投擲する兵器も多数配備されている。
この城塞も籠城を想定して作られていて兵糧は二年分有ると言う。
今回視察した城塞の中では一番大規模な物だ。
例によって責任者の出迎えから始まり城内の施設を見て歩く一同。
しかし、今までの中で一番城塞らしく規律もしっかりとしていて悪目立ちする所は一切無かった。
責任者に魅力を使っても不満も出て来ず「しいて言えば力を発揮する機会が無いのが不満ですかな」と言う始末だ。
ここは一般的な木の生い茂る山では無く、ごつごつとした岩山だ。
元々そのような土地らしく、国境近くの防衛線として作られた城塞だ。
城塞は全て石と日干し煉瓦を積み重ねて作ってあり、城塞の中だけ人が沢山居るので隔離された世界の様に感じた一同だ。
全ての物資は定期的に馬車で送られて来ると言う。
言うまでもないが、贅沢品の類は一切ない。
酒精に関しても厳しく管理されていると言う。
非番の者、もしくは国や城塞で決められた時以外の酒精は禁止されている。
因みにイグレシアや地方都市から遠く離れた場所に有る大きな城塞にはゲレミオの娼館も完備してある。
やはり酒以外の”息抜き”も必要だとして試験的に設置したが、妻には内緒で婿仲間には報告してある。
また、娼館を利用する者達に関しては城塞の責任者から全員に二つの制約が言い渡されている。
1つは娼館を利用する際に酒精を帯びての出入りを禁止する事。
1つは娼館が原因で揉め事が起こった場合、いかなる理由が有ろうとも娼館は撤収し、二度と城塞に作る事は無い。
この規則が有るため、未だかつて娼館からの不満は一切無い。
流石はトラバオンとコンシャだと褒めていた記憶が有る国王だった。
そんな城塞の娼館も一体何ヵ所に配備されているのか見当もつかないがブルデールの事務所はいつも大忙しだと聞いている。
城塞の頂上に有る展望室に来た。
「ああぁぁ気持ちいい」
心地よい風が頬を撫でて妻達の髪が揺らいでいた。
「良い眺めだね」
確かに山頂とも言える城塞の一番上にある部屋からの眺めは全方向に眺めが良く、監視員が常時目を光らせている場所だ。
眺めは良い。
規律も十分だ。
鍛錬も抜かりない。
妻達からは食事に不満の声が出たが籠城を前提とするならば、普段から質素な食事でないと、いざという時に不満が出るからだと諭したのだ。
管理者からは各自の誕生日には多少豪華な食事が出ると教えられていたサンクタ・フェミナだった。
だが、エルヴィーノは疑問に思った。
人族が大勢いるのに問題が無い訳が無いと。
しかし管理者には魅力を使って嘘を付くなと言ったにもかかわらず、何も言ってこなかった。
疑念を抱いた国王はガンソを使い、城塞に兵士の諜報員を送るか現地の兵士に金を握らせて情報を聞きだすか指示した。
(畏まりました)と簡潔な返事だけが届き連絡を待つだけの国王だ。
そして翌日からは歩いての旅に戻るのだが、息抜きもしたので楽しそうにしている妻達だった。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
目指すは目的のモリーノ村だ。
数日は歩く事になるが、歩きながら自国の計画を話しだす三人だった。
ロリは国内の地方都市を廻り今回の様な旅をしたいと計画し、どの都市に行くかを話しかけてくる。
パウリナも全国に散らばる種族の街を訪れたいと言ってプテオサウラに乗り飛び回ろうと大きな霊峰を押し付けてくる。
そこに割り込んでくるのがシーラで、自国にもブロエ・マルシベーゴォを導入したいとロリに相談している様だ。
流石に兵器にも転用できる最新魔導具の導入は2人だけの口約束では駄目だと注意して、少なくともマルソ夫婦とジャンドール王に三兄弟も含めて交渉するように話した。
ブロエ・マルシベーゴォの販売に関しては、ダークエルフ一族の掛け替えの無い収入源であり、本体はクラベルが都市になるほどの生産基地となっているので簡単に他国との取引はしない様にしている。
厳密に言えば魔法陣も解読できるからだ。
元々の魔法陣はエルヴィーノが作った物だが、国外に販売される物に関しては王国の魔導師たちが、偽造防止や解読誤認させる処置を施してあり、簡単には真似の出来ない魔法陣に作り替えられている。
発動にも複雑な呪文に魔導具を同時使用しないと動かない仕組みだ。
戦略兵器にも転用する可能性は有るが、兵士を送る魔導具としては転移魔法陣と並び、最速かつ確実な方法として諸外国からの引き合いが多いのも事実だ。
現実に魔導機械が得意なアベストロース帝國が似たような乗り物を作ったと報告を受けている。
その知らせを聞いて、かの国にも本格的にゲレミオの参入を考えた常闇の帝王だった。
妻達の話しは数日間続き、今と同じような事を各国で妻達が入れ替わって行うと言う計画だ。
なんとも楽しそうに話すが、単に遊びに行きたいだけだろうとポロッと口から出ると、国の為、国民の為に隠密で調査する事だと真剣に抗議を受けたエルヴィーノだった。
笑って誤魔化したが三人を見ている限り建前は真剣その物だった。
もっとも冒険としての旅をしたいのも事実なのだろう。
城塞見学が終わってからはロリを挟む様にパウリナとシーラが歩き、後ろからエルヴィーノが付き従っている感じだ。
女が三人余れば、おしゃべりが止まる事が無いほど仲良く話している姿を後ろから見ていると、何となく幸せを感じるのだった。
そしていつの間にか昼食はエルヴィーノが作る様になっていて、食事の用意をしている間は三人で計画を紙に書きだしている。
日中は毎日その調子で、夜は第一夫人に計画の報告と同行予定を相談していた。
ロザリーも他国の情勢を含め非常に興味を引かれ、是非参加したいと話しているが不可能に近い事を説明していた。
ブリンクス伯爵家はシャイニング家、モンドラゴン家と違い親族が少なく、エルフ王から基本的に外出禁止を言い渡されている。
イグレシアの王城とカスティリオ・エスピナには専用の転移魔法陣が設置してあるから特別に許可が出ているが、他国領内を旅する事は出来ない可能性が高いと判断するエルフ国の内務大臣だ。
ロリ達もガッカリするが、土産話にお土産を沢山持ってくると言ってロザリーの機嫌を取っていた。
もっとも毎晩別荘に帰って来るのだから、義妹達が遠い異国で旅をしている感じが無いロザリーだ。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
そんなある日、景色を眺めながら歩いているとガンソからエマスコが有った。
例の難攻不落の城塞についてで、手紙の内容はこうだ。
基本的に内部の不正や人的差別は無かったと言う。
しかし、現地では解らなかった事が1つ有ったのだ。
それは兵士の同性愛だ。
そして軍の規律よりも恐ろしい規則が有り”暗黙の規則”だと言う。
その為、同性愛同士の問題は一切無く、お蔭で娼館を利用する者達に指導する事が同性愛者の隠れ蓑になっていると書いてあった。
エルヴィーノの表情が凍りついた。
(知らなかった事にしよう。あそこには二度と行かないぞぉ。待てよ、他の城塞もそうなのかなぁ。もう城塞見学は止めよぉ。本当にイディオタ族は・・・いや、まさか他の国でも・・・)
寒気がしたエルヴィーノは自らの頬を叩き妻達の後を付いて行くと目的の村が見えてきた。
☆
目的地到着か?
遠くから見ると巨大な城塞に見えるが、渓谷に囲まれて山の斜面を利用した段々と上に積み重ねられているような作りだ。
そしてこの城塞は強固な城壁に守られ、城内から投擲する兵器も多数配備されている。
この城塞も籠城を想定して作られていて兵糧は二年分有ると言う。
今回視察した城塞の中では一番大規模な物だ。
例によって責任者の出迎えから始まり城内の施設を見て歩く一同。
しかし、今までの中で一番城塞らしく規律もしっかりとしていて悪目立ちする所は一切無かった。
責任者に魅力を使っても不満も出て来ず「しいて言えば力を発揮する機会が無いのが不満ですかな」と言う始末だ。
ここは一般的な木の生い茂る山では無く、ごつごつとした岩山だ。
元々そのような土地らしく、国境近くの防衛線として作られた城塞だ。
城塞は全て石と日干し煉瓦を積み重ねて作ってあり、城塞の中だけ人が沢山居るので隔離された世界の様に感じた一同だ。
全ての物資は定期的に馬車で送られて来ると言う。
言うまでもないが、贅沢品の類は一切ない。
酒精に関しても厳しく管理されていると言う。
非番の者、もしくは国や城塞で決められた時以外の酒精は禁止されている。
因みにイグレシアや地方都市から遠く離れた場所に有る大きな城塞にはゲレミオの娼館も完備してある。
やはり酒以外の”息抜き”も必要だとして試験的に設置したが、妻には内緒で婿仲間には報告してある。
また、娼館を利用する者達に関しては城塞の責任者から全員に二つの制約が言い渡されている。
1つは娼館を利用する際に酒精を帯びての出入りを禁止する事。
1つは娼館が原因で揉め事が起こった場合、いかなる理由が有ろうとも娼館は撤収し、二度と城塞に作る事は無い。
この規則が有るため、未だかつて娼館からの不満は一切無い。
流石はトラバオンとコンシャだと褒めていた記憶が有る国王だった。
そんな城塞の娼館も一体何ヵ所に配備されているのか見当もつかないがブルデールの事務所はいつも大忙しだと聞いている。
城塞の頂上に有る展望室に来た。
「ああぁぁ気持ちいい」
心地よい風が頬を撫でて妻達の髪が揺らいでいた。
「良い眺めだね」
確かに山頂とも言える城塞の一番上にある部屋からの眺めは全方向に眺めが良く、監視員が常時目を光らせている場所だ。
眺めは良い。
規律も十分だ。
鍛錬も抜かりない。
妻達からは食事に不満の声が出たが籠城を前提とするならば、普段から質素な食事でないと、いざという時に不満が出るからだと諭したのだ。
管理者からは各自の誕生日には多少豪華な食事が出ると教えられていたサンクタ・フェミナだった。
だが、エルヴィーノは疑問に思った。
人族が大勢いるのに問題が無い訳が無いと。
しかし管理者には魅力を使って嘘を付くなと言ったにもかかわらず、何も言ってこなかった。
疑念を抱いた国王はガンソを使い、城塞に兵士の諜報員を送るか現地の兵士に金を握らせて情報を聞きだすか指示した。
(畏まりました)と簡潔な返事だけが届き連絡を待つだけの国王だ。
そして翌日からは歩いての旅に戻るのだが、息抜きもしたので楽しそうにしている妻達だった。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
目指すは目的のモリーノ村だ。
数日は歩く事になるが、歩きながら自国の計画を話しだす三人だった。
ロリは国内の地方都市を廻り今回の様な旅をしたいと計画し、どの都市に行くかを話しかけてくる。
パウリナも全国に散らばる種族の街を訪れたいと言ってプテオサウラに乗り飛び回ろうと大きな霊峰を押し付けてくる。
そこに割り込んでくるのがシーラで、自国にもブロエ・マルシベーゴォを導入したいとロリに相談している様だ。
流石に兵器にも転用できる最新魔導具の導入は2人だけの口約束では駄目だと注意して、少なくともマルソ夫婦とジャンドール王に三兄弟も含めて交渉するように話した。
ブロエ・マルシベーゴォの販売に関しては、ダークエルフ一族の掛け替えの無い収入源であり、本体はクラベルが都市になるほどの生産基地となっているので簡単に他国との取引はしない様にしている。
厳密に言えば魔法陣も解読できるからだ。
元々の魔法陣はエルヴィーノが作った物だが、国外に販売される物に関しては王国の魔導師たちが、偽造防止や解読誤認させる処置を施してあり、簡単には真似の出来ない魔法陣に作り替えられている。
発動にも複雑な呪文に魔導具を同時使用しないと動かない仕組みだ。
戦略兵器にも転用する可能性は有るが、兵士を送る魔導具としては転移魔法陣と並び、最速かつ確実な方法として諸外国からの引き合いが多いのも事実だ。
現実に魔導機械が得意なアベストロース帝國が似たような乗り物を作ったと報告を受けている。
その知らせを聞いて、かの国にも本格的にゲレミオの参入を考えた常闇の帝王だった。
妻達の話しは数日間続き、今と同じような事を各国で妻達が入れ替わって行うと言う計画だ。
なんとも楽しそうに話すが、単に遊びに行きたいだけだろうとポロッと口から出ると、国の為、国民の為に隠密で調査する事だと真剣に抗議を受けたエルヴィーノだった。
笑って誤魔化したが三人を見ている限り建前は真剣その物だった。
もっとも冒険としての旅をしたいのも事実なのだろう。
城塞見学が終わってからはロリを挟む様にパウリナとシーラが歩き、後ろからエルヴィーノが付き従っている感じだ。
女が三人余れば、おしゃべりが止まる事が無いほど仲良く話している姿を後ろから見ていると、何となく幸せを感じるのだった。
そしていつの間にか昼食はエルヴィーノが作る様になっていて、食事の用意をしている間は三人で計画を紙に書きだしている。
日中は毎日その調子で、夜は第一夫人に計画の報告と同行予定を相談していた。
ロザリーも他国の情勢を含め非常に興味を引かれ、是非参加したいと話しているが不可能に近い事を説明していた。
ブリンクス伯爵家はシャイニング家、モンドラゴン家と違い親族が少なく、エルフ王から基本的に外出禁止を言い渡されている。
イグレシアの王城とカスティリオ・エスピナには専用の転移魔法陣が設置してあるから特別に許可が出ているが、他国領内を旅する事は出来ない可能性が高いと判断するエルフ国の内務大臣だ。
ロリ達もガッカリするが、土産話にお土産を沢山持ってくると言ってロザリーの機嫌を取っていた。
もっとも毎晩別荘に帰って来るのだから、義妹達が遠い異国で旅をしている感じが無いロザリーだ。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
そんなある日、景色を眺めながら歩いているとガンソからエマスコが有った。
例の難攻不落の城塞についてで、手紙の内容はこうだ。
基本的に内部の不正や人的差別は無かったと言う。
しかし、現地では解らなかった事が1つ有ったのだ。
それは兵士の同性愛だ。
そして軍の規律よりも恐ろしい規則が有り”暗黙の規則”だと言う。
その為、同性愛同士の問題は一切無く、お蔭で娼館を利用する者達に指導する事が同性愛者の隠れ蓑になっていると書いてあった。
エルヴィーノの表情が凍りついた。
(知らなかった事にしよう。あそこには二度と行かないぞぉ。待てよ、他の城塞もそうなのかなぁ。もう城塞見学は止めよぉ。本当にイディオタ族は・・・いや、まさか他の国でも・・・)
寒気がしたエルヴィーノは自らの頬を叩き妻達の後を付いて行くと目的の村が見えてきた。
☆
目的地到着か?
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ラストで死ぬ主人公に転生したけど死なないから!!
as
ファンタジー
前世で読んだ「孤高の女王」の小説の主人公ユーリアシェに転生した飛鳥。妹のリーシェ姫を溺愛しユーリアシェを空気扱いする両親である王や王妃、王太女であるユーリアシェを軽んじる家臣達。婚約者までリーシェに奪われ最後は国が滅び1人城で死ぬーーーそんな死に方あるかー!?こっちから捨ててやる!
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
異世界の物流は俺に任せろ
北きつね
ファンタジー
俺は、大木靖(おおきやすし)。
趣味は、”ドライブ!”だと、言っている。
隠れた趣味として、ラノベを読むが好きだ。それも、アニメやコミカライズされるような有名な物ではなく、書籍化未満の作品を読むのが好きだ。
職業は、トラックの運転手をしてる。この業界では珍しい”フリー”でやっている。電話一本で全国を飛び回っている。愛車のトラクタと、道路さえ繋がっていれば、どんな所にも出向いた。魔改造したトラクタで、トレーラを引っ張って、いろんな物を運んだ。ラッピングトレーラで、都内を走った事もある。
道?と思われる場所も走った事がある。
今後ろに積んでいる荷物は、よく見かける”グリフォン”だ。今日は生きたまま運んで欲しいと言われている。
え?”グリフォン”なんて、どこに居るのかって?
そんな事、俺が知るわけがない。俺は依頼された荷物を、依頼された場所に、依頼された日時までに運ぶのが仕事だ。
日本に居た時には、つまらない法令なんて物があったが、今では、なんでも運べる。
え?”日本”じゃないのかって?
拠点にしているのは、バッケスホーフ王国にある。ユーラットという港町だ。そこから、10kmくらい山に向かえば、俺の拠点がある。拠点に行けば、トラックの整備ができるからな。整備だけじゃなくて、改造もできる。
え?バッケスホーフ王国なんて知らない?
そう言われてもな。俺も、そういう物だと受け入れているだけだからな。
え?地球じゃないのかって?
言っていなかったか?俺が今居るのは、異世界だぞ。
俺は、異世界のトラック運転手だ!
なぜか俺が知っているトレーラを製造できる。万能工房。ガソリンが無くならない謎の状況。なぜか使えるナビシステム。そして、なぜか読める異世界の文字。何故か通じる日本語!
故障したりしても、止めて休ませれば、新品同然に直ってくる親切設計。
俺が望んだ装備が実装され続ける不思議なトラクタ。必要な備品が補充される謎設定。
ご都合主義てんこ盛りの世界だ。
そんな相棒とともに、制限速度がなく、俺以外トラックなんて持っていない。
俺は、異世界=レールテを気ままに爆走する。
レールテの物流は俺に任せろ!
注)作者が楽しむ為に書いています。
作者はトラック運転手ではありません。描写・名称などおかしな所があると思います。ご容赦下さい。
誤字脱字が多いです。誤字脱字は、見つけ次第、直していきますが、更新はまとめてになると思います。
誤字脱字、表現がおかしいなどのご指摘はすごく嬉しいです。
アルファポリスで先行(数話)で公開していきます。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる