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第8章 魔王国編
第228話 状況説明2
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ちょっと安心したエルヴィーノは、ロザリーを思いだしてマルソの顔を見ると教えてくれた。
「ロザリーにも内緒にしてある」
マルソの計らいに安堵して緊張感が一気に無くなった国王だ。
そうなると、ちょっと国王らしい事を言ってみる。
「では教祖様。ノタルム国とは今後どのような関係を望みますか?」
「ふむ。問題はソコじゃ。我らは争う気は無いからのぉ。布教が全てじゃ」
「分かりました。では、ノタルム国を受け入れると? アルモニアに来ても良いですか?教会の建設はどうしますか?」
即答は無理だろうと自分でも解っている。
(あの姿を見たら皆逃げ出すだろうなぁ。しかし角は種族の誇りだし、困ったなぁ)
時間が掛りそうだが様子を見ようと思った国王だ。
「あっ、皆さんはクエルノ族に有った事有りますか? 」
「ある訳無いでしょ」
当然のようにプリマベラが応え、同意する一同に1人だけ違う者が居た。
「昔、旅をしていた頃に遠い国の名も無い町で見かけた事が有る」
流石は元流浪のエルフ。
「ノタルム国のジャンドール王にはゲレミオを作る事を宣言して承諾も取ってあります」
「「「おおっ」」」
「流石は国王」
「それで信頼出来る者を従者として1人貰いました」
「なんだとぉ」
「もらうって、国王。物じゃあるまいし」
親族から否定の声が刺さります。
「大丈夫です皆さん。俺の忠実な従者となってペンタガラマで待機させていますから」
「しかしだなぁ」
全員が夫婦同士で話している。
「ノタルム国の王族にも会いましたが、種族がら堂々としていましたよ。いずれ皆さんも会いまみえる訳ですから、少しずつ慣れた方が良いのでは?」
聖女様達は夫に寄り添い心配そうな顔で話しているが、流石に教祖様は腕を組んで思案中のようだ。
やはり長年の仮想敵国を受け入れるには、なかなか決まらないので口を出した。
「皆さん、俺の従者と非公式でペンタガラマの大聖堂で合いませんか?」
「それが良い国王」
「そうね」
「では頼んだぞい、国王」
マルソ殿とアブリルが賛同すると全員の同意を得て教祖様から許可が下りました。
何とか今回の説明を納得し、次の段階へ移る事が可能になったが、個人的な問題はここからだ。
マルソ殿を引き連れて行く予定だったが、腰を折り”家族”にお願いすると重い腰を上げて全員でロリの私室に向った。
当のエルヴィーノは聖騎士たちに守られているような錯覚さえ覚えてしまうほどの安心感が有った。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「お姉様!」
「あらパウリナ、どうしたの?」
そしてエルヴィーノが何者かに召喚されたが今日戻って来た事を告げ、今は教祖様達に説明している事を教えていた。
「パウリナ、どうしてそんな大事な事を教えてくれなかったの」
「教えたかったけどプリマベラさんから連絡が有ったの」
「ちっ・・・解かったわ。パウリナは悪くないよ。私の事を思ってくれたのね」
「うん」
「じゃお姉様にも」
「うん、教えて無い。多分この後一緒に行くと思う」
「パウリナはどうして来たの?」
説明だけなら1人で来るはずだと思い聞いて見たロリ。
「強制転移した時に旦那様のエマスコが落ちていたから私が保管していたの。あとお姉様達の顔も見たかったし」
ピンと来たロリ。
(それでいくら連絡しても返事が無かったのね)
ロリと合う前に、今後はノタルム国を前面に出し”魔族”は禁句としていた。
ロリは若いのでノタルム国やクエルノ族を知らないからだ。
無論ロザリーに対しても同じだ。
そうこうしている内に扉が叩かれて、入室する親族たちだ。
「あなた! それに皆も。一体どうしたの?」
「ロリ、もう聞いていると思うけど、あなたに教えなかったのは私がそうしたからよ」
「ええ、聞いたわ。あなた」
「ごめんよ、心配させて」
全員が見守る中、エルヴィーノの頭を持ち耳元で囁く。
(お姉様と相談してタップリとお仕置きだからね)
「あ、ああ」
(やっぱりか。俺は何も悪くないのに・・・あっシーラの事は秘密にしなきゃ)
「分かったわ。とりあえずお姉様の所に行ってきて。心配しているから」
その顔が何かを企んでいる悪者の笑顔だと思ったのはエルヴィーノだけだっただろう。
流石に親族が居る前では悪態が付けず、すんなりと解放されてパウリナとマルソ殿の三人でエルフ国メディテッラネウスに向った。
ここでもパウリナは先にロザリーの屋敷に再度転移して向かい、マルソ殿と2人でエルフ王と謁見する。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「エルヴィーノよ。無事に帰って来たか」
「はい。心配かけたけど、相談したい事があるんだ」
「どうした、新しい嫁でも貰うのか?」
(ったく、俺の相談事はいつも新しい嫁と決めつけるが、今回ばかりは当りだな。やれやれだ)
「ええ、そうです」
「ノタルム国のジャンドール王が娘か?」
「ど、どうしてそれを!」
そう言えばエルヴィーノの父親をエルフ王だと見抜いたジャンドール王だった事を思いだし確認した。
「親父はもしかしてジャンドール王を知ってるの?」
「ふん、昔の事だがな」
やっぱりそうだった。
2人はどの位過去か解らないが、会いまみえている事を知ったエルヴィーノだ。
「それで、ノタルム国はどうだった?」
「はい、俺達一族と並んで唯一オスクロ・マヒアが使える種族だと知りました」
「ヤツはどうだった?」
召喚されてからの経緯や四兄弟の事に変化の魔法で角を出したり、消したりした事を報告すると、マルソ殿が悲壮感漂う顔でエルヴィーノを見ていた。
「国王も類い稀な力を持っているから大変だなぁ」
「マルソ殿、大浴場に裸で落ちた事は絶対に内緒にしてくださいね」
憐れむ目で見られながら「ああ、解っている」と承諾してもらった。
「問題はアレの娘との婚儀か・・・アルモニア教は困るのぉ」
「はい、何か策を練らねばなりません」
エルフ王から教えてもらい教祖に確認して魔族が仮想の敵だと知っているマルソは、現代のアルモニアでは角が生えている者を魔族として統一していたらだ。
「そう言えばエルヴィーノよ、アレとケンカ腰で話したと言ったな?」
「だって、いきなり真っ裸で風呂に落とされて、ぶっ殺すって大勢に追いかけられたんだぜ。俺は何にもしてないのにさぁ。まぁ、怒って当然だと思うけど・・・」
何か妙案を思い付いたエルフ王。
「マルソよ、エルヴィーノが召喚された時にはノタルム国が某国と戦争の準備をしていて、エルヴィーノがそれを阻止した。解決方法は娘を嫁にする事で、多民族国家としてノチェ・デル・インペリオが各国を支配し、表向きは今まで通りだが夜の世界では交流を図り国益をもたらす為。こんな話しは、どうだ?」
出来過ぎの良い訳だ。
「しかし、先に国王が召喚される理由が分かりません」
もっともな意見をするマルソ殿だ。
「ノタルム国は強さを求める国なので龍を召喚した二つの国を統べる王を呼び寄せたのだろう。そして戦争を宣言したがエルヴィーノが”何とかした”訳だな」
親父の妄想は激しかった。
そんな事が向こうに知れたらどうするんだろうとエルヴィーノは思っていた。
「流石は我が王。完璧なシナリオですな」
(ええっ! 本気かマルソ殿?)
2人して問題解決したように楽しく話しているが、とてもそんな気には成れない板挟みの当事者だ。
それに肝心の人が終わっていない。
ここでも腰を折り親父にお願いして同行依頼する情けない”息子”だ。
「ふむ、今回は仕方あるまい」
(おおっ本当に来てくれるとは思っても見なかった)
どうせお仕置きは免れないのだから、せめて小言を回避する位の防御しか出来ないし、ロリで実戦済だ。
例え義理でも親が居ると悪態は付けないだろう。
新しい嫁の事は伏せてマルソ殿が説明する事で同意しブリンクス伯爵家に向った。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
ロザリーの屋敷に転移したパウリナは直ぐにリビングで寛いでいるロザリーを発見した。
「お姉様」
「あらパウリナ、どうしたの1人で」
別荘に来る事はあっても屋敷に来る事は無かったパウリナが現れたから不思議に思ったロザリーだ。
そしてエルヴィーノが何者かに召喚されたが今日戻って来た事を告げ、今はマルソ殿とエルフ王に説明している事を教えていた。
「パウリナ、どうしてそんな大事な事を教えてくれなかったの」
ロリと同じ言葉で聞いて来た。
「教えたかったけどマルソさんから連絡が有ったの」
わずか数日だがエマスコで連絡が取れなかった事は解ったが、マルソが口を出すとは思わなかったロザリー。
直感で女絡みだと確信した第一夫人だ。
「ところでロリは知っているの?」
「うん、先に行ってきたんだ。旦那様は教祖様とずっと話されてて」
これはパウリナの再現で新しい妻を娶る気だと一発でバレテしまう。
だがロザリーは口には出さない。
パウリナも一緒に来ると言う事は知らないのか伏せて有るか。
まずは夫の出方を見ようと決めたロザリーだった。
ほどなくして屋敷に現れたのは四人で、エルフ王は親衛隊長ジャックを伴っていた。
「ただいまロザリー」
「お帰りなさい、あなた。パウリナから聞いたわ」
エルヴィーノの後からマルソに続きエルフ王が登場する。
「義父様!」
「座ったままで良い」
恐縮するロザリーを落ち着かせマルソ殿が話し始めた。
「ロザリー、私が説明するから聞いて欲しい」
どんな嘘を用意したのか、まずは聞いてやろうと思ったロザリー。
「今回、国王は遥か彼方に有る大陸の国の王によって強制転移させられたのだ。その国は古くからアルモニア教と敵対していてな、表ざたにはなっていないが密かに攻防を繰り広げていたのだ」
(よくもまぁ、そんな嘘八百が出て来るよなぁ。マルソ殿は吟遊詩人の才能が有るのかなぁ)
感心するエルヴィーノだ。
「えっ」
もっと見え透いた嘘で誤魔化すと思っていたが、教会と敵対国にエルフ王がそばに居て、パウリナから教祖と長く話していたと事前に聞いていたので、”最悪”に繋がる話しだと瞬時に切り替えた”内務大臣”だった。
☆
本気にしたのかな?
「ロザリーにも内緒にしてある」
マルソの計らいに安堵して緊張感が一気に無くなった国王だ。
そうなると、ちょっと国王らしい事を言ってみる。
「では教祖様。ノタルム国とは今後どのような関係を望みますか?」
「ふむ。問題はソコじゃ。我らは争う気は無いからのぉ。布教が全てじゃ」
「分かりました。では、ノタルム国を受け入れると? アルモニアに来ても良いですか?教会の建設はどうしますか?」
即答は無理だろうと自分でも解っている。
(あの姿を見たら皆逃げ出すだろうなぁ。しかし角は種族の誇りだし、困ったなぁ)
時間が掛りそうだが様子を見ようと思った国王だ。
「あっ、皆さんはクエルノ族に有った事有りますか? 」
「ある訳無いでしょ」
当然のようにプリマベラが応え、同意する一同に1人だけ違う者が居た。
「昔、旅をしていた頃に遠い国の名も無い町で見かけた事が有る」
流石は元流浪のエルフ。
「ノタルム国のジャンドール王にはゲレミオを作る事を宣言して承諾も取ってあります」
「「「おおっ」」」
「流石は国王」
「それで信頼出来る者を従者として1人貰いました」
「なんだとぉ」
「もらうって、国王。物じゃあるまいし」
親族から否定の声が刺さります。
「大丈夫です皆さん。俺の忠実な従者となってペンタガラマで待機させていますから」
「しかしだなぁ」
全員が夫婦同士で話している。
「ノタルム国の王族にも会いましたが、種族がら堂々としていましたよ。いずれ皆さんも会いまみえる訳ですから、少しずつ慣れた方が良いのでは?」
聖女様達は夫に寄り添い心配そうな顔で話しているが、流石に教祖様は腕を組んで思案中のようだ。
やはり長年の仮想敵国を受け入れるには、なかなか決まらないので口を出した。
「皆さん、俺の従者と非公式でペンタガラマの大聖堂で合いませんか?」
「それが良い国王」
「そうね」
「では頼んだぞい、国王」
マルソ殿とアブリルが賛同すると全員の同意を得て教祖様から許可が下りました。
何とか今回の説明を納得し、次の段階へ移る事が可能になったが、個人的な問題はここからだ。
マルソ殿を引き連れて行く予定だったが、腰を折り”家族”にお願いすると重い腰を上げて全員でロリの私室に向った。
当のエルヴィーノは聖騎士たちに守られているような錯覚さえ覚えてしまうほどの安心感が有った。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「お姉様!」
「あらパウリナ、どうしたの?」
そしてエルヴィーノが何者かに召喚されたが今日戻って来た事を告げ、今は教祖様達に説明している事を教えていた。
「パウリナ、どうしてそんな大事な事を教えてくれなかったの」
「教えたかったけどプリマベラさんから連絡が有ったの」
「ちっ・・・解かったわ。パウリナは悪くないよ。私の事を思ってくれたのね」
「うん」
「じゃお姉様にも」
「うん、教えて無い。多分この後一緒に行くと思う」
「パウリナはどうして来たの?」
説明だけなら1人で来るはずだと思い聞いて見たロリ。
「強制転移した時に旦那様のエマスコが落ちていたから私が保管していたの。あとお姉様達の顔も見たかったし」
ピンと来たロリ。
(それでいくら連絡しても返事が無かったのね)
ロリと合う前に、今後はノタルム国を前面に出し”魔族”は禁句としていた。
ロリは若いのでノタルム国やクエルノ族を知らないからだ。
無論ロザリーに対しても同じだ。
そうこうしている内に扉が叩かれて、入室する親族たちだ。
「あなた! それに皆も。一体どうしたの?」
「ロリ、もう聞いていると思うけど、あなたに教えなかったのは私がそうしたからよ」
「ええ、聞いたわ。あなた」
「ごめんよ、心配させて」
全員が見守る中、エルヴィーノの頭を持ち耳元で囁く。
(お姉様と相談してタップリとお仕置きだからね)
「あ、ああ」
(やっぱりか。俺は何も悪くないのに・・・あっシーラの事は秘密にしなきゃ)
「分かったわ。とりあえずお姉様の所に行ってきて。心配しているから」
その顔が何かを企んでいる悪者の笑顔だと思ったのはエルヴィーノだけだっただろう。
流石に親族が居る前では悪態が付けず、すんなりと解放されてパウリナとマルソ殿の三人でエルフ国メディテッラネウスに向った。
ここでもパウリナは先にロザリーの屋敷に再度転移して向かい、マルソ殿と2人でエルフ王と謁見する。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
「エルヴィーノよ。無事に帰って来たか」
「はい。心配かけたけど、相談したい事があるんだ」
「どうした、新しい嫁でも貰うのか?」
(ったく、俺の相談事はいつも新しい嫁と決めつけるが、今回ばかりは当りだな。やれやれだ)
「ええ、そうです」
「ノタルム国のジャンドール王が娘か?」
「ど、どうしてそれを!」
そう言えばエルヴィーノの父親をエルフ王だと見抜いたジャンドール王だった事を思いだし確認した。
「親父はもしかしてジャンドール王を知ってるの?」
「ふん、昔の事だがな」
やっぱりそうだった。
2人はどの位過去か解らないが、会いまみえている事を知ったエルヴィーノだ。
「それで、ノタルム国はどうだった?」
「はい、俺達一族と並んで唯一オスクロ・マヒアが使える種族だと知りました」
「ヤツはどうだった?」
召喚されてからの経緯や四兄弟の事に変化の魔法で角を出したり、消したりした事を報告すると、マルソ殿が悲壮感漂う顔でエルヴィーノを見ていた。
「国王も類い稀な力を持っているから大変だなぁ」
「マルソ殿、大浴場に裸で落ちた事は絶対に内緒にしてくださいね」
憐れむ目で見られながら「ああ、解っている」と承諾してもらった。
「問題はアレの娘との婚儀か・・・アルモニア教は困るのぉ」
「はい、何か策を練らねばなりません」
エルフ王から教えてもらい教祖に確認して魔族が仮想の敵だと知っているマルソは、現代のアルモニアでは角が生えている者を魔族として統一していたらだ。
「そう言えばエルヴィーノよ、アレとケンカ腰で話したと言ったな?」
「だって、いきなり真っ裸で風呂に落とされて、ぶっ殺すって大勢に追いかけられたんだぜ。俺は何にもしてないのにさぁ。まぁ、怒って当然だと思うけど・・・」
何か妙案を思い付いたエルフ王。
「マルソよ、エルヴィーノが召喚された時にはノタルム国が某国と戦争の準備をしていて、エルヴィーノがそれを阻止した。解決方法は娘を嫁にする事で、多民族国家としてノチェ・デル・インペリオが各国を支配し、表向きは今まで通りだが夜の世界では交流を図り国益をもたらす為。こんな話しは、どうだ?」
出来過ぎの良い訳だ。
「しかし、先に国王が召喚される理由が分かりません」
もっともな意見をするマルソ殿だ。
「ノタルム国は強さを求める国なので龍を召喚した二つの国を統べる王を呼び寄せたのだろう。そして戦争を宣言したがエルヴィーノが”何とかした”訳だな」
親父の妄想は激しかった。
そんな事が向こうに知れたらどうするんだろうとエルヴィーノは思っていた。
「流石は我が王。完璧なシナリオですな」
(ええっ! 本気かマルソ殿?)
2人して問題解決したように楽しく話しているが、とてもそんな気には成れない板挟みの当事者だ。
それに肝心の人が終わっていない。
ここでも腰を折り親父にお願いして同行依頼する情けない”息子”だ。
「ふむ、今回は仕方あるまい」
(おおっ本当に来てくれるとは思っても見なかった)
どうせお仕置きは免れないのだから、せめて小言を回避する位の防御しか出来ないし、ロリで実戦済だ。
例え義理でも親が居ると悪態は付けないだろう。
新しい嫁の事は伏せてマルソ殿が説明する事で同意しブリンクス伯爵家に向った。
※Cerounodostrescuatrocincoseissieteochonuevediez
ロザリーの屋敷に転移したパウリナは直ぐにリビングで寛いでいるロザリーを発見した。
「お姉様」
「あらパウリナ、どうしたの1人で」
別荘に来る事はあっても屋敷に来る事は無かったパウリナが現れたから不思議に思ったロザリーだ。
そしてエルヴィーノが何者かに召喚されたが今日戻って来た事を告げ、今はマルソ殿とエルフ王に説明している事を教えていた。
「パウリナ、どうしてそんな大事な事を教えてくれなかったの」
ロリと同じ言葉で聞いて来た。
「教えたかったけどマルソさんから連絡が有ったの」
わずか数日だがエマスコで連絡が取れなかった事は解ったが、マルソが口を出すとは思わなかったロザリー。
直感で女絡みだと確信した第一夫人だ。
「ところでロリは知っているの?」
「うん、先に行ってきたんだ。旦那様は教祖様とずっと話されてて」
これはパウリナの再現で新しい妻を娶る気だと一発でバレテしまう。
だがロザリーは口には出さない。
パウリナも一緒に来ると言う事は知らないのか伏せて有るか。
まずは夫の出方を見ようと決めたロザリーだった。
ほどなくして屋敷に現れたのは四人で、エルフ王は親衛隊長ジャックを伴っていた。
「ただいまロザリー」
「お帰りなさい、あなた。パウリナから聞いたわ」
エルヴィーノの後からマルソに続きエルフ王が登場する。
「義父様!」
「座ったままで良い」
恐縮するロザリーを落ち着かせマルソ殿が話し始めた。
「ロザリー、私が説明するから聞いて欲しい」
どんな嘘を用意したのか、まずは聞いてやろうと思ったロザリー。
「今回、国王は遥か彼方に有る大陸の国の王によって強制転移させられたのだ。その国は古くからアルモニア教と敵対していてな、表ざたにはなっていないが密かに攻防を繰り広げていたのだ」
(よくもまぁ、そんな嘘八百が出て来るよなぁ。マルソ殿は吟遊詩人の才能が有るのかなぁ)
感心するエルヴィーノだ。
「えっ」
もっと見え透いた嘘で誤魔化すと思っていたが、教会と敵対国にエルフ王がそばに居て、パウリナから教祖と長く話していたと事前に聞いていたので、”最悪”に繋がる話しだと瞬時に切り替えた”内務大臣”だった。
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